水原にとっての僕
水原さんはいきなり歩き始めたせいか階段を踏み外したようだ。
僕は助けなきゃとは思うが行動にいざ移そうと思ってもすぐに実行することはできない。
だから彼女が僕に覆いかぶさるようになってしまう。
それから一瞬床の衝撃で意識が飛び、再び目を覚ました。
冬の階段の下、背中は冷たいはずなのに胸のあたりには何かやわらかいものを感じ、体も何かに反応し熱くなっている。
僕は理性で誰もいない場所でこの状況はやばいと感じる。
なのに彼女が動く気配はない。
「水原……さん?」
「……ご、ごめん。足つったみたい。だからしばらくこのままの状態でいい?」
「わ、わかった」
彼女の体温を感じながら僕は思う。
普通の男子はこの状況を喜ぶのだろうか。
でも僕にいまそんな感覚はない。
ただ体が感じているだけで案外頭の中では別のことを考えている。
これがいいことなのかはわからない。
だがもし自分が喜べない脳になっていたとしたらそれはよくないことのはずだ。
「あ、ありがと……ね」
「何が?」
「この状態をたもってくれていること……だよ」
たとえほかの行動ができるとしてどんなことができるのだろうか。
僕は逆にそれが知りたい。
「普通辛そうにしている人がいたら助けるのが普通じゃない?」
「違う……よ。それが佐々木君であったことがよかったんだよ。私、こういうことがあったとき周りに知らされるのが嫌なの。だから、佐々木君で……よかった」
「でも僕が言わないという確信はないだろ?」
「ある……よ。だっていまこうして落ち着いて会話している。私ね、男子と話しても相手はいつも緊張していてね、女子にはあまり好かれてる気がしなかったの。だから、よかった」
「そ、そっか」
僕は単に自分の本性を隠しているだけだ。
だがそれを良いと言ってくれるならそれは悪いことじゃないのかもしれない。
それからまたボーっとしようと思う。
だけど、あれ、だんだん本性が戻ってきた。
顔を左に向けると彼女のシャンプーのにおいがする。
茶色い髪も目の前にあり、自然とさわりたいという欲求にかられる。
手がふれるまであと少し……。
「よいしょっと、ん?」
「あ、ご、ごめん。頭にほこりがついてたから……」
手がふれるかふれないというところで彼女は体を起き上がらせた。
反応に遅れ、手が当たってしまう。
「あ、ありがとう。私がいいと思うのはそうゆう優しいところも、だよ」
「う、うん」
バレてはいないががなんか申し訳ない気持ちになる。
それからまた少し歩き、購買室についた。
クズの本懐を見ました。やはり恋愛は奥が深いです(T_T)
キスをしたのに付き合いすらしないなんてアニメだからなのでしょうか?( ¯ ¨̯ ¯ )




