美少女に話しかけられる。
三限目の授業が終わり、昼休みになる。
僕はこの時間一人で昼食を食べる。
なぜなら、僕にはあまり友人はいないし、康助は別の友達と話しているからだ。
そして今日も落ち着いてご飯をた、
「佐々木優くん、だっけ?」
「ゆ、優でいいよ」
びっくりした。
いきなり誰かに話しかけられるとは思っていなかった。
しかも相手が転校生ってどういうことなんだ。
誰かのいたずらなのだろうか。
それならそれなりに後で先生にしかっていただこう。
「でも名前で呼ぶと少し恥ずかしいわ」
「あ、ごめんごめん。じゃあ佐々木って呼んでくれ」
「それなら私のことは水原って呼んでいいよ」
「うん」
彼女は緊張した顔をしていたが困ったような顔もしていた。
だからいたずらではなさそうだが、だとしたらぼくに何の用だろうか。
「あのね、昼食を買いに行きたいけどどこに行けばいいかわからなくて……」
「それなら購買室で売ってるからそこに行けばいいよ」
「でも私、どうやってそこに行けばいいかわからないの」
「じゃ、じゃあ島田と行くといいよ。ほら、あそこにいるやつ」
僕は廊下でしゃべっている三人組を指さした。
考えてみれば女子と二人きりで歩く自信は僕にはないし、不用意に目立つことは避けたい。
しかし、島田達なら転校生と一緒に歩いていても不自然ではない。
「男子三人で行くのは緊張するし、それに話をしている途中で割り込むのはあまり良くないと思う」
「そっか……」
それならばと周りを見ても一人で食べているのは僕くらいしかいない。
でもこのまま昼食を食べさせないのも申し訳ない気がする。
「わかった。じゃあ僕の後ろからついてきてくれるか?」
「あ、その前に佐々木くんの弁当を一緒に持って行くことってできる?」
「どうして?」
「まだ理由は言えない、かな」
僕は不思議に思うが彼女が言えないならしょうがない。
「じゃあ一応持ってくことにするよ」
僕は弁当を取り、水原さんを連れていくことにする。
実はこの学校はたくさんの教室があるため、僕も入学した時はかなり迷うことが多かった。
だから彼女が購買室までの道のりがわからないのもよくわかる。
でも困ったことになった。
あいにく僕は女子との話し方を知らない。
しかも購買は普段教師しか使わない。
そのため廊下はいつも静かだ。
だから困ったことになった。
僕は女子との話し方を知らない。
「……」
「……」
冬で外からセミの鳴き声が聞こえてくることもないため、よけいに空気に静けさを感じる
しょうがない。
一言しゃべってみるか。
前に小説で見たことがある話題で聞いてみる。
「あ、あのさ、どこから転校してきたの?」
「私は東京の高校から引っ越してきたよ。親の都合だけどね」
東京は過去に一度だけ行ったことがある。
ここのような田舎とは違いビルがたくさんあり感動したのを覚えている。
でも親の都合でこんなところに転校させられたのはかわいそうだ。
慣れるには相当な時間がかかるだろう。
「ここは楽しい?」
「うん。十分楽しいよ。コンビニも徒歩十五分だから苦労することはないし」
東京では五分なんだろうな、と思いつつも十五分で苦労しないならよかった。
「今度遊びに来る?友達一号として」
僕は友達という言葉に思わず振り返る。
「まだ会ったばかりだから友達ではないんじゃないか?」
間違った認識は誤解を生む。
だから一応確認しておきたいと思って聞いてしまう。
「友達だよ」
当たり前のようにそう言い放つ水原さん。
彼女はそれから階段で僕に合わせて歩みを止めてくれた。
友達の基準はわからないが今の状態を本当に友達と呼んでいいものなのだろうか。
「水原さんにとって友達の基準って何?」
「そうだなー。会話をしてくれて、今後も仲良くやっていける確信がある人だね」
「そっか」
それから僕たちは歩き出す。
「きゃ、」
「あ、あぶない!」




