漫才「名言」
この作品はフィクションです。
二人「どうも。」
ボケ「毎度お世話になっております。」
ツッコミ「なっておりますね。」
ボケ「本日もよろしくお願いします。」
ツッコミ「お願いしますね。」
ボケ「そんなわけで革命が成功しましたね。」
ツッコミ「いきなりですね。」
ボケ「ん?」
ツッコミ「なんの脈絡もなくいきなり革命を成功させないでください。」
ボケ「確かにね。」
ツッコミ「そうですよ。」
ボケ「同じカード四枚揃えるのってなかなか難しいですからね。」
ツッコミ「いつの間に大富豪してたんですか。」
ボケ「そんなわけでね。」
ツッコミ「もう革命はいいんですね。」
ボケ「名言を言いたいんですよ。」
ツッコミ「脈絡ないの大好きですねあなた。」
ボケ「オムライスも大好きですよ?」
ツッコミ「それは好きにしていただければ。」
ボケ「それはちょっとお断りさせていただきます。」
ツッコミ「お断りされる意味がわからないのですが。」
ボケ「この世に名言がどれだけあるかご存知ですか?」
ツッコミ「ん〜、ちょっと存じ上げない。」
ボケ「なんとね。3つ。」
ツッコミ「もうちょっと多かった気がするのですが?」
ボケ「存じ上げないんでしょ?」
ツッコミ「まぁ、そうですけど」
ボケ「だったら黙ってやがれっ!」
ツッコミ「急なバイオレンスはご遠慮いただきたく思っております。」
ボケ「この世で、名言と呼ばれるべき、真の名言。ザ!名言は、3つだけだと言っているのですよ。」
ツッコミ「はっきり言い切りましたね。」
ボケ「ありがとう。」
ツッコミ「よくわからないけど、どういたしまして。」
ボケ「この世にオムライスが存在したくれたことにありがとう。」
ツッコミ「私宛てじゃありませんでした。」
ボケ「私はね。この3つの名言をね。真の名言としてね。世に広めてね。いきたいとね。思うわけなんですよね。」
ツッコミ「急な語尾の癖はなんなんです?」
ボケ「気分。」
ツッコミ「なら仕方ない。」
ボケ「ではまず1つ目の名言!」
ツッコミ「はい。」
ボケ「卵の栄養価をバカにするな!」
ツッコミ「一旦停止。」
ボケ「なんでしょう。」
ツッコミ「名言ですか?」
ボケ「名言でしょう。」
ツッコミ「名言っていうと、あれじゃないですか。なんか偉人が言ってるイメージなんですけど。」
ボケ「偉人が言った言葉ですよ?」
ツッコミ「誰。」
ボケ「源頼朝。」
ツッコミ「言いましたかねぇ?」
ボケ「言いましたよ。いい国作ろう鎌倉幕府!ついでに卵の栄養価をバカにするな!」
ツッコミ「いい国作ろうはかなり後世の人間が作った言葉だし、肝心の卵のくだり、ついでですか。」
ボケ「とりあえず無視します。」
ツッコミ「無視しないでいただきたい。」
ボケ「2つ目の名言!」
ツッコミ「ホントに無視するんですね。」
ボケ「ケチャップだ!ケチャップにしなっ!」
ツッコミ「一旦ブレーキ。」
ボケ「なんでしょう。」
ツッコミ「卵の次ケチャップですか。」
ボケ「そうですよ?」
ツッコミ「完成しそうなんですけど。」
ボケ「何が。」
ツッコミ「いや、まだわからない。信じよう。彼を信じよう。」
ボケ「3つ目の名言!」
ツッコミ「はい。」
ボケ「チキンライスと」
ツッコミ「はい逮捕。」
ボケ「何故。」
ツッコミ「完成しちゃいましたから。」
ボケ「まだ完成しちゃいないでしょう。」
ツッコミ「卵、ケチャップ、チキンライス。もう完成でしょう。」
ボケ「最後まで聞かなきゃわからないでしょう?」
ツッコミ「…まぁ、確かに。」
ボケ「そういうとこだよ?本当にそういうとこだよ?そういうところは。」
ツッコミ「どういうところでしょうか?」
ボケ「改めまして、3つ目の名言!」
ツッコミ「はい。」
ボケ「チキンライスと卵とケチャップが合わさることでオムライスが完成する!」
ツッコミ「はい逮捕。」
ボケ「何故。」
ツッコミ「最早完全に確信犯だから。自分で完成って言っちゃったから。」
ボケ「いや、いやいやいや、あのさ。そもそもさ。なんでオムライスを完成させたら逮捕されるの。まずおかしすぎるでしょ、その制度。」
ツッコミ「確かに。」
ボケ「まぁ、本当に大切なものも完成したから別にいいけど。」
ツッコミ「何が完成しました?」
ボケ「この漫才。」
ツッコミ「全く落ちてないのですが?」
ボケ「落ちたでしょう。」
ツッコミ「どこが。」
ボケ「フライパンの上に卵が落ちました。」
ツッコミ「オムライスはもういいです。」
ボケ「残念目玉焼き。」
ツッコミ「どっちでもいいよ。もうやめさせてもらいます。」
ボケ「ありがとうございました。」
普段は支離滅裂な会話劇ばかり書いていますが、初めて、漫才の脚本に挑戦してみました。
難しかった…。