表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/635

炎魔鬼

 ルナンが教えてくれる数字に沿って、ロックが矢を放ちろうそくに火を点ける。たまに外すが、それでも狙いは正確だ。こういう時、ロックがいて良かったとホント思う。


「ロック様、次が最後の数字になります」

「分かった。あそこだな」


 壁に書かれていた全ての数字に火が点けられた。

 これで目の前の扉が開く。

 と思って待っていたのだが。


「扉、開かないね」

「そうねジェニファー。おかしいわね」

「オレ、ルナンの言う通りに射ったよな」

「わたくしが、間違えていたのでしょうか。だとしたら」

「ちょっと待ってルナン。あれを見て」


 責任を感じ、トンネルの中に戻って確かめに行こうとしたルナンを、シトラスが止めた。


 ゴゴゴゴ。


 扉の上の壁から、何かが飛び出して来る。

 文字が書かれた細長い石板だった。


 〈最後に、左右の⑦を灯せ〉


 ガクッ。


 シトラス達はコケる。

 こういうオチかよ〜。

 気を取り直し、ロックが⑦に火を灯した。

 今度こそ扉は開く。


「さぁ、何があるんだ?」


 勇んで入って行く。

 同時に、扉がバタンと閉まった。


「ふ〜ん。入れる事は入れるけど、戻れないって事か」

「そうみたいですね。ご主人様」

「なら、行くしかないか」

「アタシはいつでもオッケーだよ。シトラス」

「あたしもついて行く」

「オレもいるぜ! にしても、広い部屋だな」


 シトラス達は結構広い空間にいた。

 奥の方に上に上る階段と、下に降りる階段の両方が見える。

 が、その前に立ちはだかるモンスター。

 赤い肌に炎が燃える両腕。口に牙。頭に角。


「あれは……」

「ルナン?」

「ご主人様。あれは炎のモンスター、炎魔鬼(えんまき)でございます。お気をつけて下さいませ」

「分かった。ルナンは安全な所へ」

「はい!」

「シトラス。どうやらこの魔物を倒さないと、先に進めないようね」

「ええティナさん。ロック、ジェニファー、行くぞ!」

「オッケー」


 武器を構える。

 炎魔鬼は高く叫び声を上げた。

 トケトゲのついた棍棒を持っている。

 それをおもいっきり振り下ろした。


 ドカンッ。


 狙われたジェニファーだが、上手く逃げた。

 その瞬間ロックが行く。

 シトラスもだ。


「飛天狩射!」

「十字斬!」


 炎魔鬼は飛んで来た矢を跳ね返したが、シトラスの技を受けてしまった。

 白眼を剥いた。

 のは一瞬。平気そうな顔で、ニッと笑った。

 手の熱が棍棒に伝わり、火が点く。

 炎の棍棒を、シトラスに向けた。


 ダッ。


 服をかすめる。

 ちょっと燃えたが、大した事ない。


「ウォーターダンス!」


 華麗なる水の魔法が、炎魔鬼の体を包む。

 棍棒の火は消された。

 冷たさに、炎魔鬼は震える。


「じゃあこっちも踊ってみようか。演舞斬!」


 シトラスの舞い。

 その剣技に、炎魔鬼は吹き飛ばされた。


「ご主人様、イケてます!」

「おう!」


 ルナンの声援に、シトラスは得意顔。

 親指を立てる。

 ジェニファーはムスッとした。


「もう! 何よシトラスったら、デレデレしちゃって!」

「お、おいジェニファー。何を怒ってるんだよ」

「怒るわよ! あたし以外の女に。キ〜ッ!」


 ジェニファーは杖を振り上げる。

 ヤバい。

 シトラスは慌てた。


「わ〜! 待てジェニファー! 暴力反対〜」

「キ〜ッ、うるさい!」

「はいはい、そこまでよ。二人とも」


 ティナが間に割って入った。

 炎魔鬼は、起き上がって咆哮を上げる。


「二人とも、今は戦闘中なの。喧嘩はよしなさい。それにジェニファー、その怒りは、あっちの敵にぶつけなさい」

「ティナさん……」

「誰でも褒められたら、いい気分になるの。それで嫉妬はしちゃ駄目よ。シトラスが悪いんじゃないわ」

「ティナさん……。分かりました」

「いい子ね。さぁそれじゃ行くわよ!」

「はい!」


 ティナはウィルを召喚。

 またもや炎魔鬼を水が攻撃する。


「グガ」


 仰向けに伸びた。

 そこにジェニファーのトドメの魔法。


「可哀想だけど、これで逝ってね。アイシクルレイン!」


 氷の雨あられ。

 炎魔鬼は反撃の暇も無く消えた。


「やったな、ジェニファー!」

「うん! で、シトラス。どっちの階段に行く?」

「そうだな。上に上った方が聖霊がいるような気がするが、一応下を確かめてみるか」

「うん」


 さっきまで喧嘩してたのが嘘みたい。

 すぐ仲直りする。

 ティナが間に入ったおかげか。

 じゃ、下の階段を降りますか。

 こじんまりした部屋に宝箱一つ。

 爆弾が入っていた。


「爆弾? 危険だな。置いてくか?」

「いや、使い道があるかもしれないし、持って行こう」


 火を点けなきゃ安全だ。

 慎重に、シトラスは荷物に入れた。

 上の階に戻り、階段を上がる。

 何も無い。ただの普通の部屋。


「え? まさかの行き止まり?」

「違いますよジェニファー様。こちらをご覧下さい」


 不自然に、石で固められている壁。


「あ!」


 さっきの爆弾を使うのか。

 シトラスが火を点け、壁の前に置く。

 耳を塞ぎ、小さくなって部屋の隅に避難した。


 バーン!


 石が崩れ、道ができる。

 煙が収まった頃、シトラス達は立った。


「これで通れそうだな」


 穴を覗き、足を踏み入れた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ