恋と方程式
「アウトォォォォ!」
「……眠い…」
「紫藤アウトォォォォ!」
「…うるさ……」
「……寝顔……可愛いなぁ…」
「おはよ。それ以上近付くな」
「紫藤のイケズ」
「うっさい」
「こんなにも紫藤を愛しているというのに」
「歪んだ愛だね」
「てか紫藤って好きな人とかはいないのか?」
「いないよ」
「嘘だッ!」
「女子に興味ないからね」
「まさかの薔薇!?」
「そうじゃなくて」
「どういう事だ」
「恋愛に関して全く興味が無いってだけだから」
「そ…そんな…」
「大袈裟な」
「…紫藤フラグは…最初から…無かった…だと…」
「そういう事。でも俺は斎藤とこうして話してる時が一番好きだから斎藤の事は好きだよ」
「……」
「どうしたの?」
「紫藤!」
「何?」
「俺も愛してる!」
「最近お前少しおかしいよ」
「冷静に返された」
「当たり前」
「冷静といえば」
「いえば?」
「クールキャラはほとんどの確率でジト目である」
「確かに」
「銀髪や白髪であることも」
「だね」
「白髪×赤い瞳は王道」
「多いよね」
「綾波○イを先頭に続々」
「とはいえ俺はあんまりジト目系のキャラを知らない」
「知らなくてもいいだろ」
「まあそうだけど」
「ところで紫藤」
「何?」
「次の数学なんだけど」
「……」
「オイなんだその顔」
「斎藤が勉強の話題を…?」
「悪いか」
「どうしたの?大丈夫?」
「そんなに異常か」
「雪降るのかな…?」
「ちょい」
「ん?」
「俺だって勉強くらいする」
「分かってるけど」
「なら驚くな」
「びっくりしただけ」
「でまあ数学なんだが」
「うん」
「方程式について教えてくれ」
「教科書読み返せ」
「ですよね」
「中学レベルの問題をもうすぐ
高2になる時期に聞くな」
「すみません……」
「…しょうがないなー…教えてあげるよ…後で色々言われても嫌だし」
「…紫藤大好きだぁぁ!」
「うっさい」
「ツンデレな紫藤が一番大好きだぁぁ!」
「分かった分かった」
「分かった…?という事は俺達はもう付き合っ」
「教科書28ページ開いて」
「無視された」
「ほら席帰れ」
「はいよ」