氷河期と太陽
「俺のターン!」
「はいはいワロスワロス」
「紫藤最近冷たくなった」
「普段通りだよ」
「まさか俺の他に男が」
「他にってなんだよ」
「え?紫藤って俺のものじゃ」
「少し口閉じろ」
「んー!んんんーふ!」
「口閉じたまま喋るな。ってか永遠に喋るな。鼻も塞げよ」
「死ぬわ」
「大丈夫だと思う」
「無理だって。鼻まで塞いだら呼吸できないし」
「エラでやれよ」
「俺は魚か」
「お魚さんです」
「やべぇ萌えた」
「返り血は制服に染み付くから嫌なんだよー…」
「あれ 流血沙汰」
「斎藤は一言余計なんだよ」
「一言オトクですから」
「損害だよ」
「主婦層に大人気」
「確かにルックスはいいしな」
「………あ、ありがとう」
「照れるな」
「あのツンデレの紫藤が俺の事かっこいいって言った」
「誰がツンデレだよ」
「紫藤が」
「やかましい」
「自分で聞いたくせに」
「うっさい」
「 サイトウ はたおれた!」
「なんでたおれた」
「精神的ダメージで」
「か弱っ!」
「紫藤が俺に冷たい事ばっかり言うから……」
「お前が真人間なら普段に接してやるんだけどな」
「360℃立派な真人間だろ」
「どこが。しかも℃違う」
「熱意だから間違ってない」
「かなり熱血だね」
「血液が常に沸騰」
「死んでる死んでる」
「そのせいで身体がブクブク」
「グロいって」
「表面温度は40℃」
「既に太陽レベルだ!」
「それが平熱」
「どこの幕末の亡霊だよ」
「ある日-150℃に」
「氷河期だ!」
「そして36℃に」
「どんな身体してんの」
「…ならない」
「ならないのかよ」
「本当は低体温で35℃」
「そこどうでもいいよね」
「ところで紫藤」
「何?」
「授業中なのにニヤニヤしつつ紫藤を弄ぶ妄想をしている人間をどう思う?」
「今すぐ死ねばいいと思う」
「それ本気で言ってんのか?」
「本気だったらこうしてお前の腕を締め上げてないよ」
「そうだろうな」
「うん」
「紫藤とイチャイチャする妄想はクセになりそうだ」
「全力で鳥肌が立った」
「交感神経が緊張するほど拒否されただと」
「先生が睨んでるけど」
「あ 授業始まってたんだ」