三時限目のあと
「斎藤ーちょっと聞きたいことあるんだけど」
「俺の好みのタイプか?」
「一昨日来やがれ。単行本ってあるじゃん?」
「うん」
「あれって連載誌でも読んでるし買う意味ってあるのかな?」
「甘いな」
「辛口だけどね」
「お前は評論家か。買う意味…っていうか連載誌で先読みして単行本でじっくり読む的な」
「ゲームの二周目みたいな?」
「まあそんな感じ」
「ふーん……なるほどね」
「お色気漫画とか立ち読みする時誰かに見られたら恥ずかしい漫画を読む為とか」
「そういう中学生みたいな事は言わなくていいから」
「……ごめん」
「あ、斎藤の事だったんだ」
「辛口だよぅ……辛いよぅ……」
「だから言ったのに」
「紫藤はえらくドライだよな」
「ほっといてよ」
「愛情が足りないのか?ん?」
「うるさいな」
「おじさんがギューしてやる。たくさん抱っこしてやる」
「恥ずかしいから嫌」
「じゃあ人目のつかない場所でギューってしてやる」
「オイ誰かコイツつまみ出せ」
「冗談だってばー」
「お前の冗談はタチが悪い」
「うへへ」
「気持ち悪いな」
「アキバ行きたい」
「お前のその会話の急展開には毎度ついていけないんだが」
「慣れろ」
「治そうとはしないんだね」
「それで紫藤も連れて行きたいわけだから来てくれ」
「going my roadだな」
「よし、決定」
「返事してないけど」
「答えは聞いてない!」
「しばき倒すぞ」
「で、コスプレしてほしい」
「だから人の話を聞け」
「セーラー服でいいよね」
「性別間違えてる」
「大丈夫。紫藤なら似合うさ」
「そうじゃなくて」
「紫藤がもってかれないように気をつけるから」
「懐かしいネタだね」
「俺の話についてこれる紫藤もけっこうオタクだよな」
「お前に汚染された」
「俺色リペイントか」
「流石に分からない」
「今作った」
「知らない訳だ」
「あと化粧もしてかないと」
「セーラー服決定事項?」
「紫藤はあの女キャラに似てる」
「お前はあの男に似てる」
「失礼な。俺は美少年にも興味がある」
「節操がない!」
「次体育だから着替えか」
「話そらさないでよ!」
「よし着替えよ」
「………だね」