ラケット
「かーなたん」
「はいはい」
「どうですか男に胸を触られた感想は」
「恐ろしく鳥肌が立って思わず上段回し蹴りを」
「恐ろしい奴」
「女子も唖然としてたし」
「かなたんがＡＡという事実に対して？」
「回し蹴りじゃない？」
「確かに驚愕するしかない」
「ところで何やってたの？」
「なにが？」
「あの集会」
「健全な男子に必要不可欠な情報を教えあってた」
「つまり？」
「女子とかなたんに聞かれたら困るトークです」
「だろうね」
「かなたんはえっちぃトークに興味ある？」
「先生ーセクハラでーす」
「男同士なのに…」
「卑猥なトークは嫌いです」
「かなたんムッツリ疑惑」
「ほんとに苦手」
「どうしてかな……？」
「先生ーセクハラでーす」
「何故だッ！！」
「尻を触るな尻を」
「そんなストレートに言うか」
「ほかになんて言えと」
「圭のえっち！ とか」
「馬に蹴られて死んじまえ」
「痛そうだからやだ」
「黙れゴミ屑」
「拒否権すら消えていく」
「お前に拒否権は無い」
「拒否権は何歳からでも持てるんじゃないのか」
「まず斎藤に人権ないから」
「人ですらなかった」
「犬と一緒だよ犬と」
「畜生。２つの意味で」
「なんで２つ？」
「ちっくしょぉぉぉ！みたいな意味と動物の畜生の２つ」
「分かり辛いね」
「かなたんなら分かると思っていたのだが」
「そこまで万能じゃないし」
「万能といえば」
「うん」
「官能小せt」
「馬鹿野郎」
「凄い無表情で殴る蹴るの暴行ができる人間ってかなたんしかいないんじゃないのか…？」
「えっちぃトーク禁止」
「官能小説って何か知ってんの？」
「まあね」
「言ってごらんなさい」
「斎藤…今までありがとな」
「バドミントンラケットで人を殴ってはいけません」
「ちぇ」
「かなたんの愛は痛い」
「愛じゃねえよ」
「嘘だッッ！!」
「何が」
「かなたんは本当は俺が大好きだけど素直になれなくて暴力で俺に愛を渡すんだろ？」
「今日いい天気だね」
「無視か」
「うん」
「おじさん悲しいぞ」
「おじさんなんだ」
「まあな」
「なんてやつ」
「あ 先生きた」
「また後でなー」
