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10分間  作者: 山甲 岬
11/22

呼び方



「紫藤ってさ」


「うん」


「俺を名前で呼ばないよな」


「呼んでるじゃん」


「下の名前の方」


「ああー確かに」


「一回呼んでみてくんない?」


「別にいいけどなんで?」


「どんな感じかなって」


「ふーん…圭」


「……イイ」


「なにが」


「なんか新鮮だ……うん」


「斎藤も俺を下の名前で呼ばないよね」


「お前が嫌がったんだろ」


「だって『かなた』ってなんか女みたいじゃん」


「いいと思うけどな」


「他人事だからだよ」


「かーなたー」


「うわやめて」


「かなたんでよくね」


「よくないよ」


「ところでかなたんっていつからその身長?」


「かなたん言うな。確か中2の夏…か……ら…」


「中2から!?」


「…2cm伸びました」


「2cm!?」


「悪いね。154で」


「大丈夫。需要はあるさ」


「そんなのに需要を持つ人間は今すぐ死んでしまえ」


「なんていうか萌えの塊だな」


「黙れ」


「…ちびっこいのう」


「うっさい お前なんcmだよ」


「181だけど」


「……わーお」


「予想くらいついてたろ」


「175くらいかなーとは」


「6cmの誤差だな」


「神は持つ人と持たざる人をどんな基準で分けているんだろうか」


「さあな」


「いいもんね高3までには絶対に170越えてやる」


「無理だろ」


「無理じゃないし」


「不可能を可能にできるのはエンディミ○ンの鷹だけだぞ」


「俺だってできるさ」


「成長期とはいえ中2から高2

までが伸び期だろ?…かなたん

は大丈夫かなー?」


「バカにすんな」


「はいはい。そういえば昨日流れ星の話あったじゃん?」


「うん」


「あれ俺の妹に話してみたんだけどさ」


「…画面の中の?」


「画面に話しかける俺ってかなりシュールだな」


「確かに」


「でもそういう人間がいるからオタクの扱いが悪いんだよな」


「しっかしねぇ…」


「ん?」


「自分の理想の人なんているわけないのにね」


「凄ぇ現実的」


「現実的といえば」


「何だ?」


「愛は金で買えないってよく聞くけどバレンタインのCM見てるとそうは思えない」


「あっちも仕事だからな…」


「夢を壊すのは何だかんだ大人だよね」


「言ったら負け」


「さて…帰ろっか」


「そだな。帰るか」


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