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10分間  作者: 山甲 岬
1/22

男の娘とか




「斎藤ー」


「なんだー」


「もしもの話なんだけど」


「はいはいもしもし」


「もし俺が女だったらさ、今みたく接する事できる?」


「……………」


「……………」


「え?お前女なの?」


「いや男だけどさ」


「急にどうしたよ」


「特に無いけど」


「ふむ……確かにお前はなかなか可愛いし……女装すればけっこうイケる?」


「真面目に考えるな真面目に」


「いやいや流行ってんだろ?男の娘」


「流行ってはないんじゃないの」


「一回女装してみろよ」


「やだよ」


「オープン・ザ・ニューゲートするかもしれないぞ」


「しなくていいゲートだよね」


「俺が」


「閉じろ。お前ごと」


「そういうなって」


「光の彼方に消えろ」


「しかしギャルゲーによくいる男の娘がこんなに近い所にいるなんて……なんたる盲点」


「そのまま盲目になれよ」


「つれないな……」


「ノリ悪いからね」


「所でお前が読んでたラノベにたしか男の娘いたよな?」


「いたいた。可愛いやつ」


「お前はそいつと張り合える」


「斎藤はその主人公と張り合えると思う」


「イケメン具合でか?」


「知能レベルで」


「……………」


「まあ顔に関しては流れ星にでも頼みなよ」


「あれ早くて無理」


「確かにね」


「願い事短く言うとかならワンチャンあるかも」


「例えば?」


「金金金」


「欲望の塊」


「早口の練習したりして」


「無駄な事だけ努力するよね」


「それが人間ってもんだ」


「なんか人類の平均点落ちた」


「というより無駄だと分かっててもやる事自体に意味があると思うんだけどな」


「うわ 珍しくまとも」


「そんなもんだろ?恋愛にしろ勉強にしても、結果がどうであれ達成感を得た時ほど幸せになる瞬間はないと思う」


「マジでどうしたの?」


「つまりエロゲも悪くない」


「俺の感動を今すぐ返せ」


「ギャルゲもエロゲもどういうエンドを迎えようともクリアをする事が大切だ」


「その頭大丈夫?」


「ああ、至って正常だ」


「それを世間じゃ末期症状って言うんだけどね」


「誉め言葉だな」


「前向きだね」


「俺の取り柄だからな」


「むしろ欠点では?」


「……だから紫藤はショタ扱いされんだよ」


「なんだって!?」


「え?知らなかったのか?」


「初耳だよ!」


「あ 授業始まる」


「次絶対教えろよな!」





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