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落ちこぼれ現代魔法使いの異世界召喚  作者: 雲珠
第三章 クラン結成編
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第87話 アークを関する魔物

 第25階層を問題なく踏破し、あっという間に第26階層、27階層を突破。

 そして第28階層に到達する。

 道も若干広くなり

 メタルスコーピオンが複数出現したときは少し苦戦したが、ロイスさんやアリオーシュさんの活躍もあり危なげなく突破することができた。

 こちらの技量が上がってるとはいえ、毒針に貫かれれば即死するだろうし即死しなくても毒の影響で死に至るかもしれない。

 メタルスコーピオンの毒は解毒剤を使っても完全に消し去ることはできないため、力で圧倒していても少しの油断が命取り。

 実のところ絶妙なバランスで俺たちは進めているのかもしれない。

 ラウム王国の随一の実力者が見守ってくれているからこそのハイペースなのだろう。


「まって、やばそうなやつがいる」


 みんなは歩みを止め桜田の言葉に耳を傾ける。

 複数人で戦えば楽勝であったメタルスコーピオンだが、実のところ個人で撃破するのは中々苦しい状況だった。

 幸い俺の攻撃では一刀両断することができたが、その他みんなの攻撃では1発2発では沈まず何度も反撃を受けるという状態が起こっていた。

 桜田が発した“やばそうなやつ”を意味するのは、そんなメタルスコーピオンよりも危険な存在が潜んでいるということに他ならない。


「恐らくアークデーモンかアークドラゴンですね、ラフタル様も怠けてないでそろそろまじめに働きましょう」

「気乗りはせんがしょうがないのぉ~」

「まぁラフタルの力なんか必要ないけどね」

「カッチーン! 言ってくれるなロイス!」

「擬音をわざわざ発してもらわなくても」

「勇者育成のために我が獲物を譲ってあげてたのじゃ!」

「へぇ~そうなんだぁ~」

「仲がいいのはいいのですが、来ますよ皆さん」


 物陰から現れたのは真っ赤な鱗と赤熱のオーラを纏ったドラゴン。

 今まで歩んできたダンジョンの中でも異質な存在がそこにはあった。

 巨大な翼を広げると優に15mはくだらない大きさになるだろう。

 ドラゴンの上位種。

 頭もよく魔法も使うのだという。


「退避してください!」


 アリオーシュさんの号令がかかった瞬間、天から真紅の隕石が降り注ぐ。

 高温に熱せられた岩石が周囲を覆いつくし焼き尽くし、衝撃波で吹き飛ばす。

 アークドラゴン以上の竜族が放つことができる龍言語魔法と呼ばれるものらしい。

 事前に内容を聞かされていたがここまでのものとは……。

 ドラゴンとの距離は200m以上。

 こんなにも離れているのに攻撃をしてくるなんて。


「やってくれたわね!! みてなさい! ウィークポイント!」


 桜田の端末からアークドラゴンに向けて魔法を放つ。

 一瞬脆弱部位の形成を示す赤い矢印が現れるがバチィンと弾けた。


「なに……これ?」

「レジストされたんでしょう。 高位の存在にはそれ相応の力量がないとダメージを与えることすらできません。 補助魔法もまた然りです」

「そんなのってありなの……?」

「今度は連続で来ますよ回避に専念してください!」


 3つの巨大な隕石が虚空から現れ飛来する。

 落下した質量は地面へ衝突すると衝撃波を生みそれすらも一つの攻撃といって過言はない。

 逃げ遅れた下地の頭上に降りかかる岩石をバットで打ち返すかのように両断するロイスさん。


「あ、ありがとう」

「ふん、気にするな。 さっさと立ってあいつに一発いれてこい」

「魔法はそう連発で発動できません、反撃してください!」


 魔法を詠唱し東雲はドラゴンへと氷魔法を解き放つ。


「アイシクルフィールド!」


 氷の氷柱を発生させ、周囲の温度を奪いさる。

 範囲内の敵を凍結させる氷属性の上位魔法だ。

 ダメージを負っているのかわからないが、一瞬よろめくような様子が見えた。

 

「我に任せるのだ!」


 気づかぬ間に移動していたラフタルさん。

 ドラゴンもラフタルさんの存在に気付き、炎のブレスで応戦する。

 さらりと躱した炎の濁流は意図も容易く桜田の氷塊を蒸発させ、くっきりと攻撃の跡が残る。

 鈍重かと思われたその動きは決して遅いものではなく、嵐のような乱舞が繰り広げられる。

 尻尾の払いに前足の攻撃、小回りの利く遠距離攻撃可能な小ブレスの連打。

 そのすべてをいなし、黒いオーラが放たれる。

 禍々しい鎌を振り斬ったあとに聞こえたのはあのドラゴンの雄叫びだった。

 荒れ狂う攻撃にカウンターの如くするどい斬撃を打ち込んでいたのである。


「グウオオオオォォォォォ!」


 ダンジョン内に響き渡るその声は空気を揺らし、攻撃の一つのようにあ俺たちの頭を揺さぶる。

 傾きかけた獲物を狩るのは容易かった。

 各々がドラゴンにダメージを与えるであろう攻撃を加えていく。

 補助魔法が敵に効かなかったため代わりに味方の能力上昇に注力を注ぐ桜田。

 底上げされた力であれば弱ったドラゴンにもなんとか力が届くことだろう。

 下地はラフタルさんの攻撃をまねて巨大な鎌を顕現させ大振りの一撃を。

 スザクは闘志を一転集中した手刀に乗せ刃の如く抉り放つ。

 ドラゴンのように赤熱したスカーレットブルの腕力を持って重い一撃を加え、末永は研ぎ澄まされた槍術で身を切り裂いた。

 俺は圧縮された炎の刃でさらに右足をぶった切り、アリオーシュさんは軽々と胴体を真一文字に射抜いた。

 止めと言わんばかりにロイスさんの聖剣が首を刎ねる。

 到底崩すことが到底不可能だとも思えたドラゴン。

 一瞬にしてその亡骸が生まれたのだ。


「やはりアークドラゴンともなると一筋縄ではいけませんね。 ですが、今はこれで十分です。 この一つ一つの経験があなたたちを強くしてくれます。 アークデーモンもアークドラゴンに近しい力を持っていますので気を引き締めていきましょう。 フォローは我々がやりますので、ひとまず回避に専念してみましょうか」

「どうじゃロイス? 我の活躍は?」

「止めを刺したのは私だけど」

「アリオーシュがほとんど止めの一撃を加えていたではないか!?」

「いいえ、私の攻撃です」

「なにをーー!!」

「な、なんなのよ!」

「ま、まぁまぁ落ち着いてください……」


 実力は文句ない二人だったが、どことなく勇者メンバーに不穏な感情が生まれたのであった。


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