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第9話「不可解な願望と訪れぬ未来とイルカ」
「そういえば、美山。お前の能力は何なんだ?」
「私は、『白イルカを黒イルカに変える能力』です。使いどころが難しいですが、いざと慣れば強大な力を発揮すると信じている能力です!」
「おそらくその願望は今後2度と起こらない……。まず白イルカがいないしな」
「そう思って、白イルカのキーホルダーを肌身離さず持ち歩いてるんですよ」
「さいですか」
「ところで、『黒イルカ』って何だかイカガワシイと思いませんか? 語感とシルエット的に考えて」
(イルカを何だと思ってるんだこのアマ)
結託早々、今後が不安になって来た。もうすぐ昼休みも終わりだし、ひとまず美山と相談するのは放課後からにしよう。
俺は美山にその旨を伝え、自分の教室に戻った。