第43話「罠」
あれから10分。峰長との戦いは熾烈を極めていた。俺は、今日のために手に入れた能力を惜しげも無く使っているのだが、峰長はたった1つの能力で互角の戦いをしている。
この女、前に戦った時と比べて強くなっている気がする。そうでなければ、あれから能力を増やした俺と対等に戦えるはずがない!
「や、やるじゃねえか! まさか、この間は実力を隠していたのか?」
「特には…………いえっ! 当然よ!! 私が貴方如きに本気を出すはずがないじゃない!!」
クッソー! その可能性は考えていなかったなぁ〜!
そういえば、峰長は俺と戦う直前に弱点である水を被っていた。だとすれば、あの時は弱体化していたのかもしれないな。
「だったらもう一度、水を喰らってもらうだけだ! 喰らえ、水鉄砲!!」
俺は懐から小型の水鉄砲を取り出し、峰長に放った。
峰長はそれを華麗に避ける。
「こんなもの……」
「バーカ! それはブラフだ!!」
俺がそう言うと、ポケットに仕込んでいた切り札を発動する。
瞬間、1階駐車場で雨が降り注ぐ。
「きゃっ! ナニ!?」
峰長は大慌てのようだ。しかしそれも当然、これは奴の弱点である水だからな。
この雨の正体は、スプリンクラーの消化機能によるもの。こんな事も在ろうかとあらかじめ、スプリンクラーに仕掛けを施しておいたのだ!
タイミングを見て、ポケットのスイッチで発動させる。それだけで、奴に致命的ダメージを与えられる!




