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第38話「最強の手助け」

 一方その頃、峰長甘子は学園の調理実習室でお菓子づくりをしていた。

 彼女は、『お菓子研究部』の部員。そして、その部活の部長を務めるのが、大森萎だった。


「カラメルソース出来たわよ〜!」

「OKだ甘子ちゃん! 最後に僕が終止符を打つ。てりゃあっ!!」


 大森は容器に材料を流し込み、それらを冷蔵庫に入れる。


「秘技・時間を止める能力」


 そう唱えた直後、大森は冷蔵庫を開け、先程入れた容器を取り出した。


「相変わらずお手軽ね。シナビくんの能力は」

「『時間を止める能力』を応用した早送り術さ。冷蔵庫に入れてからこれを使えば、あっという間に中の物を冷やせる!」

「凄く能力の無駄遣いのような気がするけどね」

「単純な物の見方で能力を判断してはいけないよ。どんな能力でも、その人の使いようで大きな効果を発揮するのさ」

「世に名高い『最強』が言うと説得力あるわね。実際、私の能力もシナビくんのアドバイスで色んな使い方が出来るようになったし」

「自分の身体を砂糖に変えたのは、君の独断だけどね」

「まあまあ。プリンでも食べましょう」


 大森と峰長は、今しがた作ったプリンを食べる。歯が溶けるほど甘い。峰長とお菓子を作ると、大抵砂糖の入れ過ぎでこのような味になるのだ。


「ところで、例の具合はどんな感じなの? ほら、太陽くんとの試合の事だよ」

「ああ、特に準備はしてないわね。ぶっつけ本番って感じ?」

「彼、君との戦いのためにかなり入念の用意を進めているようだよ」

「彼奴、妙なところでコネクションあるから、そういうのを敵に回すと厄介なのよね」

「甘子ちゃんも気を付けないと、あっさり負けちゃうかもしれないね」

「でも、私に彼奴ほどのコネクションは無いわ。当てと言ったら、貴方を含む知り合いの能力者くらいしか……」

「そういう事だよ。甘子ちゃん」

「?」


 峰長が首を傾ける。大森の言わんとすることがよくわかっていないらしい。

 そんな彼女を見て、大森がニコリと微笑む。


「だからね。僕が協力して上げるって言ってるのさ」

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