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幼馴染み
エッ…。
何で、猫耳?
わたしが、不思議に思っていると。
「春菜、見っつけ!!」
って……。
嬉しそうにわたしの所にやって来る。
エッ…と…。
何で、わたしの事知ってるの?
疑問に…。
それにクラスの女子の視線が突き刺さって、痛いんですが……。
「春菜。僕の事覚えてない?」
って、捨てられた子猫のような目で私を見る。
そうは言われても…。
彼の容姿は、髪は黒に近い茶色、目はクリクリ、鼻筋が通ってて薄い唇を今は少し尖らせてわたしの前に立っている。
女装が似合いそうだなぁ……。
って。
違う!
そうじゃなくて。
「春菜?」
彼は、不思議そうに見つめてくる。
その間もクラスの注目の的で……!
あっ、う〜ん。
ダメだ、全然わかんないや。
思い出せない。
「吉井、ちゃんと自己紹介しろ」
教壇から、担任が声をかける。
「はい」
彼、吉井くんはその場で。
「吉井敦斗です。よろしくお願いします」
って、人懐っこい笑顔を見せ、頭を下げた。
その笑顔が、脳裏の隅を掠めた。
昔、隣に住んでいた男の子の事を……。