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白魔女になった少女

 それはまだ魔法を使える人間がいた昔のお話。


 ある国にトレア王という王様がいました。彼は立派な王様で彼の国では全ての者が平等でした。商人も農民も兵士も政治家そして魔族の者も。

魔族は生まれながらにして魔法を使える変わった人々のことで、魔法使いの一族とも呼ばれました。

彼らは魔法を使えるために普通の人間から恐れられ嫌われていました。

しかしトレア王は魔族の者も大切にし、保護したため魔族も者たちもトレア王に力を貸すようになりました。

こうしてトレア王の統治により魔族もそうでない人々も仲良く暮らす平和な国が出来たのです。


 国は発展し続けましたが数年後トレア王が病気で死んでしまいました。代わりに王様にあったのはトレア王の弟のカーチスという男でした。

カーチス王はトレア王に比べひどく臆病な男でした。

カーチス王はトレア王が保護した魔族の者たちが自分を倒して王になろうとしているのではないかと疑っていたのです。

カーチス王は魔族のものに国の北のある一つの町に移り住むように命令しました。カーチス王は魔族の者を一つの町に閉じ込めてしまうことにしたのです。

半分の魔族はおとなしく従いました。

半分の半分の魔族は国から出て行きました。

そして残りの魔族はカーチス王に反発しました。

こうして少数の魔族と王の兵隊の間で戦いが起こりました。


 しかし魔族は兵士に比べあまりにも少なかったため魔族は敗北してしまいました。

反発した魔族の多くが殺され生き残った者は全員捕まり、処刑されました。が、そこで問題が起こりました。

捕えられた魔族の中にはリーダーの夫婦がいたのですがその夫婦には幼い娘がいたのです。

クラリスというその子供はその両親により既に北の町に移住した知り合いの家族に預けられていました。クラリスはまだ7歳でしたが両親も優秀な魔法使いであったためでしょうか、才能豊かな子供で、並みの魔族の者よりもはるかに多くの魔法を扱うことができました。

クラリスのことを知ったカーチス王は報復を恐れました。しかし子供を処刑することはどうにも気が進まなかったのです。周囲の部下や王妃も子供の処刑には反対していました。

やがてカーチス王は部下にこう命令しました。

「クラリスを町の北にある塔に幽閉して、一歩も外に出させるな。」

「そして16年後23歳なった時にクラリスをその教会で処刑する」

「魔法を使用したらその回数の日数だけ処刑を早める」


 23歳という基準は、その時処刑された中で一番若い魔族が23歳だったことから決りました。

こうしてクラリスは16年後まで町の北の塔に閉じ込められることになってしまったのです。

クラリスはお父さんもお母さんもいきなりいなくなってしまった上に、独りぼっちで塔で生活させられてさみしくて悲しくて毎日泣いていました。

正確にいえば兵士はいたのですが彼らはクラリスを恐れていたためにクラリスにあまり話しかけようとせず、部屋も離れたところにあったためにクラリスは独りぼっちだと感じていました。

クラリスの唯一心が休まる時間は、1日に2時間だけ許された町の人と会うことができる時間だけでした。

町の人達は、クラリスが扱う素晴らしい魔法に魅せられていたので、皆こぞって教会に行きました。

クラリスは魔法を使えば使うほど処刑が早まるのは分かっていましたが、町の人たちを喜ばせたい一心で光の渦を生み出したり、枯れた花を再び咲かせたり、病人の病を癒したりと惜しみなく魔法を使いました。

クラリスにできないのは、時間を操ることと死者を生き返らせることくらいでした。

そんな彼女のことを町の人は敬意を込めて、彼女の美しい髪の色を引用してこう呼びました。

白魔女様と。


 クラリスが魔法を惜しみなく使うので処刑のまでの期間はどんどん近づいてきて、クラリスが16歳になったときには残すところあと120日しかありませんでした。

相変わらず町の人はクラリスを敬い、カーチス王はクラリスを恐れていました。


 そんな時1人の青年が町を訪れたのです。


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