破綻
車の行くのを眺めるのはビルからだ。その目線はそらからのわたしのうなじを透かしたところからだ。50億年も昔の、何光年もの遠くの、未来から届いた過去の光が紫外線とに落ちて、車に向かっていくのだ。長生きする星と地球を見つめていない生きる生き物は、どれほどの寿命をもらっているのだろう、借りているのかも。返すあてのないものなんていくらでもあるけれど、国庫財政を圧迫して、いつかは破綻してしまうのだって、このまえ知った。そんなものをいくらかの人たちが、いくつものことをして、いくばくもないうちに、折り合いをつけようと、理由を並べて、納得しようとしている。神様の視点が、どこにあるかなんて、見られている車には全くどうでもいいことであって、車は明治通りを進んでいく。進んでいく。