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M3 タクシー会社

「……8時か。」


サンドラは目覚まし時計を止めると、そう呟いた。祝杯をあげたサンドラとエレノワだがいつの間にか寝てしまったようである。しかしエレノワの姿は無く、仕事に行ったのかもしれない。


「仕事熱心だこと。」


そう言うとサンドラはベットから飛び起きた。


「それに比べて私はマフィアの手下って。」


サンドラはコーヒーを作り始めた。







ピーピーピー


「何かしら。」


着信音を受け、サンドラは携帯電話を取り出した。


『起きてたら会社に来て。見せたい物があるの。』


メールにはそう書いてあった。


「それじゃあ行こうかしら。」


サンドラはそう言うと、部屋を出た。








「タクシー?」


サンドラはエレノワの会社の前に停めてあったタクシーを見付けた。

その隣にはエレノワが立っていた。


「来たわね、サンドラ。」「何でタクシーが?」

「フフフ、驚かないでね。」

「?」

「サンドラ、貴女は偉大なるエレノワグループ傘下の、タクシー会社社長になるのよ。」

「私が?」

「そう。」

「私がエレノワのグループ企業の社長に?」

「そう。」

「タクシーはこの1台しか無くて、私しか社員がいないんじゃ……」

「それは大丈夫!!社員は経理が1人いるわ。運転手はサンドラだけだけど……」「全く、そんな事だとは思ったけど。」

サンドラはそう言うと首を振った。


「サンドラ社長!!早速仕事ですよ。」

「エリス!?」


サンドラは自分を呼んだ相手を見て驚いた。

エレノワのタクシー会社で経理をしているエリスに呼ばれたのであった。


「もしかして……」

「……」

「経理が1人ってエリスのこと?」

「……さてと、私も仕事に戻ろうかな……」

「待ちなさい。」


そそくさと逃げようとするエレノワの肩をサンドラは掴んだ。


「エレノワ。」

「サンドラ、まあ良いじゃない!!貴女も会社を持てた事だし。マフィアの手下よりは良いでしょ?」

「まあ、確かに。」


エレノワの言葉にサンドラは頷いた。


「どうせまだタクシーが1台あるだけだから、エリスが兼任してくれるって言ってくれたわ。」

「私は大丈夫ですよ。」


エリスはそう言うと笑みを浮かべた。


「分かったわ、エリスがそう言うなら。」

「それじゃあサンドラ社長、早速フラッシングメドウコロナパークへ向かって下さい。エレノワエクスプレスの常連であるユーナさんが待っています。」

「分かったわ。」


サンドラはそう言うとタクシーに乗り込んだ。

そこへエレノワが近付いて来た為にサンドラは窓を開けた。


「ユーナは結構な常連だから、お願いね。」

「大丈夫よ、安心して。」



サンドラはそう言うと、タクシーを走らせた。






「あの人かしら。」


サンドラはそう呟きながらタクシーを女性の前に停めた。

すると女性はタクシーに近付いて来ると、乗り込んだ。


「ジェシーFカーリー(JFK)国際空港にお願い。」

「了解、ユーナ。」


サンドラはそう言うとタクシーを発車させた。





「貴女サンドラでしょ?」「そうよ。」

「エレノワから聞いてるわ。地中海を駆け巡り、男連中を弄んで、ヨーロッパ中のカジノを遊び尽くした女よね?」

「ハハハ、今じゃタクシーの運転手だけどね。」


サンドラはユーナの言葉に笑いながら答えた。


「何となくエレノワの話は胡散臭いと思ったけど、やっぱりそうだったのね。」「まああの想像力に免じて許してやってよ。」

「そうね。何時も世話になってるからね。」

「ありがとう。そろそろ着くわよ。」

「幾らになるの?」

「21ドルになるけど、エレノワの常連だから20ドルで良いわ。」

「あら良いの?それじゃあ、はいどうぞ。」

「ちょうどね、ありがとう。」

「それじゃあまた。」


ユーナはそう言うとタクシーを降りた。



「それじゃあ帰りますか。」


サンドラはそう言うと会社へ向かった。





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