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案内人  作者: 野々原 凪
1/5

プロローグ

 ここは暗いな。

 バチバチバチバチ、と傘に落ちる雨粒の音は鳴り止まない。

 冬の空の下に晒された体は凍えるように冷たくなる。

 血が流れていく。体から、温度と生気というのだろうか、抜け出していくのをただ俺は感じるしかなかった。

 死ぬのか……俺は?

 だが、今やなす術はない。胸ポケットにある軽いはずの手帳でさえ重いのだ。

 携帯を握ることはかなわない。

 この日を選んではいけなかったんだ。

 十二月十日、不幸でしかない。だから、幸せを感じていたかったのだろう。

 だけど、不幸は不幸でしかないのだ。

 ああ、眠い。

 瞼がゆっくりと閉じられた。

 体に重い衝撃が走る。

 男は、ただ眠るしかなかった。

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