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金欠男が人生最後の旅にでる  作者: イチゴ大福
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うちの母親

2023年1月4日



pipipi・・・



軽快なアラーム音に目を覚ます。



「あ~朝が来た。朝が来てしまった~」

まだ寝ていたい気持ちを奮い立て布団をどかす。


いつもはバタバタする朝だが、今日は実家からの出勤だから朝食を準備しなくていい。いつもより少し余裕があるため着替えの前にスマホをチェックする。



メールが1件届いている。



別に友達が0人なわけではないが、連絡はもっぱらLINEだ。

メルマガも特に登録していない為、こんな朝早くメールが届いていることが不思議だった。

首を傾げながらメールを開くと、【タウン〇ーク】の文字が飛び込んできた。どうやら昨夜応募した求人に関しての返信メールだったようだ。



「あぁ、そっか。昨日見た体力がどうとかの求人に応募したんだっけ。あれ夢じゃなかったんだな~・・すごいふざけた求人だったから夢だと思ってたわ。」




メールを見ながら昨夜のことを思い出す。




「本当にどんな仕事なんだか・・。ここはやるかわからないから、とりあえず引き続きバイト探さないとな。」



そんなことを言いながら引き続き求人サイトをみていたら1階から母親の声がした。どうやら朝食が出来たようだ。自分で用意しなくていい食事は本当にありがたい。



「実家を出てから親の大切さに気付くよな~。貯金できる様になったら親孝行するかな。」



まだ見ぬ貯金という夢に胸を躍らせながら母親が待つリビングへ足を運んだ。



リビングには白米、味噌汁、卵焼き、焼鮭というThe朝ごはんを準備してくれている母が声をかけてきた。


「あんた、最近仕事はどうなの?忙しい?ちゃんと食べてる?今日帰るの?もう少しゆっくりしていけばいいのに~。


そういえば、聞いた?中学の同級生の吉木君、今東京で中学校の先生してるんだって~!あの子中学の時には、お笑い芸人になるんだ!って授業中にモノボケしまくって授業崩壊させてたでしょう?そんな子が学校の先生!何があるかわかんないわね~、でも、あんな面白い子が先生になってくれたら授業も楽しいでしょうね~。


そうそう、斜め向かいの勝田さんのところのわんちゃん。もう年なんでしょうね~ここ数か月、全然散歩する姿見かけなくなってね・・。でもこの間、勝田さんと会った時に勝田さんの足元に・・・・・・・・。いや、何でもないわ。


あ、そうだ!昨日聞いたんだけどね、3丁目の田中君!結婚したんだって!奥さんは同級生のマナちゃん!びっくりよね~。将来は医者か?弁護士か?と言われていた秀才の田中君と、ナ〇トが大好きで、中学生まで多重影分身の練習をしてたあのマナちゃんの結婚よ?ビックリよね~いや~人生何があるかわからないわね~。」



母親というものはすごい話好きだというが、うちの母親はコミュ力もすごい。俺がコミュ障にならなかったのは、この人のお陰だと思っている。


俺は、吉木が教師になったことは直接本人から聞いたが、【昔の俺の様にモノボケしてくる生徒がいたら全力で審査してやるんだが、最近の奴は全然そんなことしてくれないんだよな。なんなら、某You Tuberのまねでボイパが流行っている・・。俺は悲しい。】と嘆いていたな・・。


そして、勝田さんのところは何がどうなったのか・・・。知りたいような、知りたくないような・・・。途中で止められるとものすごく気になるが、絶対怖い話だから聞くのはやめるか・・。


秀才の田中はようやく初恋を叶えたのか・・。あいつ、中学の時から相田茉奈が好きで多重影分身の練習をしている姿を見ては【俺が夢をかなえてやりたい・・。】とノートに多重影分身をする相田を書いていたな・・。今度結婚祝いに飲みにでも行くか。



なんて考えながら朝食を食べ始めた。






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