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コノハの短編集

雲の上

作者: コノハ

 雲の上で考える。

 もし、この鉄の翼が落ちたら僕はどうなるのだろう。

 雲の上で考える。

 もし、この巨大な鳥が落ちたらみんなはどうなるのだろう?

 決まっている。この雲の上に永住することになるだけだ。

 雲の上で、雲の下のことは一切考えずに、過ごす。

 

 ……うん、悪くない。

 

 そう思うのはいつからだろう。

 死を想い、世界の終わりを想う度に思う。

 なぜ、こんなにも僕は異常なんだろう。

 

 なぜ、こんなにも壊れているんだろう。

 死を想うのは普通かもしれない。

 世界の終わりを望むのは普通なのかもしれない。

 

 でもそれは実行できないから普通であって、

 

 実行できたらそれは、もはや普通ではなくなる。

 

 そして、今僕はそれを実行できる。

 

 かるくボタンを押すだけで、僕の世界全てが終わる。

 ……終わらせようか。

 どうしよう。そうだな、十分以内に面白いことがなかったら終わらそう。

 ……あ、あの子が話しかけてきた。

 話の内容こそつまらなかったけど、まあ、面白いことに分類してもいいかもしれない。

 

 よし、世界を滅ぼさない。

 

 決めた。それはあの子のおかげ。

 

 いつも、あの子には僕が世界を終わらせようと決めると、今みたいに止められる。

 

 あの時は、恋ができなければ、だった。

 

 あの時は、彼女ができなければ、だった。

 

 そして今は、あの子が話しかけてくれなければ、だった。

 

 ……僕はあの子に守られているのだろうか。

 

 きっとそうだ。きっとそうなら、今日も優しく、あの子に囁いてあげよう。















 大好きだよって。

 

 詩のような、そうでないような。

 壊れた『僕』と、優しい『あの子』。

 二人はこれからも、いびつな関係を続けていくのでしょう。

 散文駄文失礼しました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 男性が自分の世界を終わらせる時、女性が近くにいる状況 それは何故? いつも一緒? それともどこでも終われるの? それだと大きな鳥は? 疑問が続く作品。 ただ、それは詩のいいところ 疑…
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