吉備弾吉の策
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さて、吉備弾吉を迎えた桃山太郎はまず力をつけることに着手を始めた。
吉備弾吉はこの状況から、今急ぐ必要はないと判断したのである。
この間に国力の増強、また雉嘛国が一つにまとまるのを待つという意図もあった。
そうして一年が経とうとしたころ。
桃山太郎あてに雉嘛国の王からの連絡があり、猿歟国をどうするかというものだった。
この連絡が来たということから分かる通り、雉嘛国は再び元の状態に戻っていたのだ。
その要因は雉嘛国の王のカリスマ性か、はたまた国民の忠誠か。
だが、桃山太郎はこれにまだ沈黙を続けるようにと返す。
それは桃山太郎の自信と計画からであった。
この頃、桃山国は確実に力をつけ、桃山太郎をリーダーとするより強力な国となっていた。
また犬駕国では王が目覚め、国内の混乱は収まり、また強力な国へと戻っていった。
しかし前と異なることが一つ、それは駐屯所がなくなったことである。
では鬼達は日本から去ったのか、いやそうではない。
彼らは猿歟国が桃山国に宣戦布告したことから、猿歟国に厳しい監視を置くべきと踏んだのである。
そもそも猿歟国は犬駕国と桃山国に挟まれた位置にあり、鬼は犬駕国と猿歟国との国境付近に居座っていた。
しかし猿歟国と桃山国との争いが起きそうになったため、桃山国と猿歟国の国境付近に移動することが必要になったのである。
そしてそれは犬駕国内にいては不可能なことであり、しかたなく犬駕国を去り、猿歟国へと移ったのである。
こうなることを読んでいたのが吉備弾吉である。
彼はこうなることから犬駕国に恩を売ることができると考えたのだ。
そして彼の持つもう一つの力は、情報操作量である。
彼の下には幾人かの情報発信を専門とする人間がおり、また彼らそれぞれが多数のアジテーターを抱えている。
彼らの手によれば大抵の世論誘導など簡単なことだ。
そして鬼を撤退させたのが桃山国であるという情報を浸透させた後で、王を撃ったのは猿歟国の人間であるという情報を拡散していく。
そしてその情報はネットニュースが勝手に拡散してくれる。
その流れはいつしか止められないものとなり、犬駕国民は猿歟国を敵対視するようになる。
こうすることで犬駕国の持っていた桃山国に対する敵対心は消えていく。
全て吉備弾吉の作戦通りであった。
こうしてついに一年の時を経て、犬駕国の王と桃山太郎の対談が実現したのである。
そしてこの二人は無事良好な関係を築き上げていくことになる。
それは桃山太郎の希望の未来が具体性を帯びていったことを示していた。
そして猿歟国への対抗策はこの時すでに組み上がっていたのであった。
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