猿VS桃(1)
読んでくれてありがとうございます
こちらは隙間時間投稿なので遅いです
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「桃山国の王よ、何の用だ?」
猿歟国の王が問うた。
桃山太郎は答えた。
「我らとともに、鬼と戦ってほしい」
「そんなこと、今やっているじゃないか。お前達のせいでな」
「そういうことではないのだ」
「ならなんだと言うのだ?」
「この鬼に支配された世を変えるんだ」
桃山太郎は正直に、そしてまっすぐに伝えた。
「口で言うのは簡単だな」
「口先だけではない」
「桃山国の王よ、何をほざこうと貴殿の勝手だ。がしかしここが猿歟国であるということは忘れてはならない」
「…」
桃山太郎は黙ってしまう。
そう、下手なことをすれば命はない。
たとえ今がどんな状況であろうとも。
「こんなことは言いたくないが、いま一度国に帰り頭を冷やされてはどうか」
「…私は頭がおかしくなったのではないぞ」
桃山太郎は自分の理想が簡単に受け入れられるとは思っていなかった。
しかし彼には王として、プロテスタントとしてのプライドがあった。
「桃山国の王よ、これは私の恩情だ。本来なら貴殿はここに来る前に死んでいるのだぞ?」
「それは…」
桃山太郎は言い返す言葉を見つけられなかった。
だがここで引くわけにもいかない。
「私の理想を一度だけ聞いてはくれないだろうか?」
「そんな暇がなくなったのは誰のせいだ?」
桃山太郎の策が裏目に出てしまう。
こうなっては聞いてもらうことはできない。
だが聞いてもらわなければ説得できない。
桃山太郎は使う気のなかった策を使う覚悟を決めた。
「…なら賭けをしないか」
「まだ強気に出るとは、大した度胸だ」
「私が勝ったら、私の話を真剣に聞いてもらいたい」
「して、何を賭ける?」
「それは―」
読んでくださりありがとうございました
桃山太郎は何を賭けるのか
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