桃山太郎の策
読んでくれてありがとうございます
ついに桃山太郎が動きます
ランカーのほうもお願いします
桃山太郎は策を練り続け、既に一週間が経過していた。
それでも桃山太郎は迷っていた。
やはり猿歟国に出向く以外思いつかない。
しかし、それはあまりにも危険である。
入国の時に撃たれても、何もおかしくはない。
だからといってネットを介してのやりとりに応じてくれるとは思えなかった。
猿歟国を相手にするのは本当に難しいことだったのだ。
だが1ヶ月の期限は刻一刻と迫っている。
桃山太郎は行くしかないと考えた。
彼には僅かながらだが安全に入国するための、そして猿歟国を説得する策を考え始めていた。
そこから一週間後、犬駕国が猿歟国と小競り合いを始めた。
いや、始めさせたと言うべきか。
犬駕国の挑発的な行為で、猿歟国に犬駕国を攻めさせたのだ。
その挑発は極めて微々たるもの、しかも鬼には知られていない。
つまり猿歟国にいる鬼から見れば、猿歟国が一方的に攻撃したようにしか見えないのだ。
そう、鬼は猿歟国を止めるために交戦した。
これが犬駕国の、いや、桃山太郎の作戦である。
そして猿歟国の注意が完全に東に向いた。
この好機を逃さず桃山太郎は西から堂々と猿歟国に入ったのである。
そして猿歟国の王に会いに行くのだ。
猿歟国の王は勿論断ろうとした。
だが彼は自身の置かれている立場を理解していた。
そう、敵を増やしてはいけないのだ。
この大変な時に桃山国まで相手にするわけにはいかない。
彼はしぶしぶ桃山太郎と会うことを決めた。
桃山太郎がなぜこの策を思いついたのか。
それは彼がこの世で最も尊敬している人物が、似たようなことを隋の煬帝を相手にしていたからだ。
その人物こそが冠位十二階や十七条憲法を作った人物。
厩戸王、聖徳太子である。
彼は高句麗との戦争中の隋は日本の申し出を断れないだろうと読み、あの有名な手紙を送っていた。
そこから着想を得た桃山太郎は、犬駕国と鬼を使い同じような状況を作ったのであった。
そしてついに桃山太郎と猿歟国の王の直接対決が始まるのだ。
読んでくれてありがとうございました
聖徳太子の話は記憶を頼りに書いているので、間違っていたら指摘お願いします
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