EOF_おかえりなさい
2つの国に夕日が沈む。
どこからか漂ってくる夕飯のいい匂いが鼻をくすぐり、二人の男の足をほんの少し速くする。
カチャリと鍵を差して、男達がドアを開ければ、出迎えに駆け寄る小さな子供。
一人は女の子、もう一人は男の子だ。
『ミナト!』
『爸爸!』
二人は男達にまとわりつく。
『『おかえりなさい!!』』
元気な子供たちの声が、玄関先にこだまする。
男達は破顔して、それぞれの子の頭を撫でた。
『『ただいま』』
二人の男はそれぞれに子供を抱きかかえて、リビングに向かう。
――きっと紅谷を連れ戻す。そのために戦う。
――もう戻れない。ならば藍野とだって戦う。
二人はそれぞれの場所に帰って行く。
お互いの帰る場所を守るため、別々の思いを抱えて。
案件No.158499 白鳥柊司博士護衛案件 本人死亡によりclose
案件No.158599 レイ白鳥博士護衛案件 日本支部の監視体制へ完全移行、警護継続中
案件No.159999 サヴァン化に関する研究結果の回収 影響を鑑み、グループによる情報管理下に入る close
最終回のコソコソ話
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End Of File
ファイルの終わり、物語の終わり。
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