応募用詳細あらすじ(プロット版完全ネタバレ注意)
・藍野、レイと出会う
藍野、出社時にレイとすれ違う。
レイはエンジニアの面接に来ていた。
この時点で人口知能のリアムは名前だけ、人間っぽくふるまう。
先輩からの昇進話→断る
新パートナーは紫藤。
新しい案件は部長直轄の本社極秘案件
依頼は白鳥博士親子の護衛とサヴァン化研究成果の確保。
博士はある遺伝子治療(レイの遺伝子治療の成果)で、後発的に健康なままサヴァン症候群を作ることに成功した。
娘のレイは遺伝子異常を患って生まれたが、博士の治療によって回復、だがサヴァン化した。
そのため、数字とプログラミングに異常な才覚を持っている。
その才能と遺伝子構造で、企業スパイや国家スパイにも狙われている。
白鳥博士は余命宣告を受けた後、余生を過ごすため日本に戻ってきた。
この依頼に複雑な思いを抱くのは黒崎怜司。
彼は白鳥博士の実の息子。
以前、本社研修で父親を報告書で知り、レイの出生の秘密、異常なほど研究にこだわる父親の姿を良くは思っていなかった。
・紅谷の事情1
この時点で既に嫁と子供を人質に取られていて、子供と共に実家である香港に里帰りしている。
(お腹には紅谷との子も妊娠中)
犯人はゴンドセキュリティサービスのコウユウハンという男。
ゴンドは以前より白鳥博士が日本に戻ることを知り、手に入れるべく、紅谷に接触。
言葉巧みに紅谷を篭絡し、彼と家族の監視体制が確立される。
タイミングが悪いことに妻のファリンの妊娠も発覚。
自分が何か不穏な動きをすれば殺すと脅されていた。
・博士説得
藍野は護衛を嫌がる博士の説得に向かうが、博士は一向に藍野と会おうとしない。
藍野は一計を案じ、レイを助けた事をダシにして博士を引っ張り出すことに成功。
護衛を受けてくれれば、迷惑料がわりに博士の要望にできる範囲で応えると約束する。
博士の条件は藍野の上司である黒崎と自分の話を博士に聞かせること。
話すうち、博士と黒崎を話したいのだと察した藍野は、二人が話せるよう博士に「黒崎を呼べ」と言うようにそそのかす。
黒崎は思い悩みながらも、「藍野の上司」という立場で会い、話した。
警護開始するが事前調査の情報以上の訪問者の多さ。
元々博士もレイも研究成果も狙われていたとはいえ、最近は訪問者達も組織立ってきた様子。
その訪問者の中には、紅谷を脅すゴンドセキュリティサービスのコウの姿もあった。
コウは藍野に「お互い硝煙の匂いには苦労しますね。HRFのミスター藍野」と言って立ち去る。
そんなコウに不信感を藍野は抱く。
・内偵
コウの件の調査を紅谷に依頼し、藍野は状況を黒崎に報告する。
状況から誰かが意図的に情報を漏らしているのでないか、と推察し、黒崎は内偵調査を始める。
ここで紅谷のスマホの削除履歴からどこかに脅されている事を知る。
黒崎はすべてを話せと言うが、紅谷は家族を思い、そんな事実はないと嘘をつく。
そして、もう戻る事は出来ないと悟り、コウに連絡を入れ、協力を条件に家族の開放を交渉する。
一方、黒崎は調査担当の水谷に誰が脅しているのか、香港で直接確認してほしいと水谷を香港に派遣。
香港でファリン達を張っていると、コウを見かけ、後をつけるとゴンドセキュリティサービスの親会社であるチョウヤングループに辿りつく。
ファリン達の元に戻ると監視は解かれていて、これ幸いと水谷はファリンに接触し、連絡手段を手渡し、監視されているから気を付けるようにと忠告した。
紅谷は同じころ住み慣れた横浜のマンションを出て、都内のマンスリーに引っ越しを終えていた。
そして博士の家の警備機材をすべて止め、コウ達を手引きする。
・中国チーム接触
博士の家に何者かが侵入した、紫藤の上げたエマージェンシーコールは社内を駆けめぐり、出社日だったレイと送迎に付き添っていた藍野にも知らされた。
レイも狙われている身、状況がわからない家ではなく、横浜に送り届けようとするのだが、どうしても家に帰りたいレイは赤信号で車が止まった隙に、車から降りてタクシーで自宅に向かう。
犯人達は博士と接触、大人しくデータを渡さなければ娘を殺すと脅迫して、データをUSBメモリにコピーさせようとした。
だが、博士がコピーしたのは中身のない、ダミーデータ。
コピーと同時にウィルスが作動して、マシン自体を破壊するようにしてあった。
博士本人も例外ではなく、自身の治療用の体内型除細動器を暴走させて死亡した。
レイは間に合わず、博士の亡骸がベットに横たえてあり、レイは泣き崩れて藍野を責める。
葬儀は黒崎が淡々と行い、レイに分骨される。
そんなばたばたした状況で、藍野達はレイを見失い、護衛チームは大騒ぎとなる。
そんなところにアシスタントを名乗るリアムから藍野のスマホへ「レイはボストンへ行った。少しでいいから一人にしてやれ」と連絡が入る。
・レイの居場所
レイは一人、生まれ故郷のボストンに帰ってきた。
母親の墓の前で父親が亡くなったことを報告し、ゆっくりと自分を取り戻す。
リアムからは博士の遺言ファイルと告白を受ける。
博士が亡くなったのは自分が用意したプログラムのせいだ、博士は自殺だ、ということ。
遺言ファイルには成果はリアムに預けた、開け方もリアムが知っている、本当に困ったら成果はグループに渡し、自分の安全を買え、とあった。
分骨された博士を母親と共に埋葬し、今後の身の振り方を考え、藍野に酷いことを言ったままなので謝りたいと考え、本社の護衛の前に姿を現し、日本に行きたいと申し出る。
・黒崎のつるし上げ
同じ頃、黒崎は本社へ呼び出しを食らっていた。
レイを見失う、博士を死なせてしまう、紅谷の裏切りと失態が続いていたため、事情説明と今後の対応について呼ばれた。
結果、本社から厳重注意と支部長交代をほのめかされる。
その後、レイと合流し一緒に日本へもどる。
さすがの黒崎も少々へこんで、現れた元カノにすがる。
・レイとの生活
黒崎と共に再度日本に来たレイは藍野に謝り、また元の日々。
少し違うのは、レイは自宅に戻れず、横浜ビル内に暮らす事となった。
レイは博士は自殺だった、気に病まなくていいと言うが、藍野にとっては取返しのつかない事に変わりはない。
今度こそ君を守る、博士の分までとレイに告白(だけどレイにはいまいち伝わっていない)
・紅谷とコウとリの様子
博士襲撃は博士死亡という失敗。
紅谷はその死に際をコウから聞かされ、フラッシュバックを起こし、吐くほど後悔する。
生きて家族に会う、ただそれだけののために、コウの支配を抜けようとはしなかった。
コウはリに博士死亡の件を詰められ、今後の対応を求められた。
博士死亡で成果は行方不明、代わりに娘のレイを解析することを提案。
目立つ自分達ではなく、紅谷にそれをやらせる事にする。
・紅谷捜索と子供の保護
紅谷が音信普通になって1か月。
藍野宛で紅谷から宅配便が届く。
中身は社の貸与品と退職願。
藍野は貸与品のPCを水谷に調査をしてもらうと、中にはプロテクトをかけたファイルがあり、パスワードは藍野が知っていると水谷から伝えられる。
何とかパスワードを思い出してファイルを開くと、以前藍野が依頼したゴンドセキュリティサービスの調査書だった。
彼らはレイや博士を手に入れた後、日本で人体実験を行うつもりだったらしく、リストのどこかに閉じ込められている、助けてほしいとの伝言つき。
紅谷捜索という名目で早速藍野達はリストを当たっていき、本牧にある古い雑居ビルに行き当たる。
そこで見たのは銃で撃たれた様々な年代の5人の死体とクローゼットから今にも死んでしまいそうな子供。
クリニックに運び入れようとするが、クリニックは小児対応不可。
沢渡の機転で米軍座間キャンプに運び入れ、一命をとりとめた。
・シアとの生活
男の子は順調に回復したが、名前も親もわからなく、本社を通してアメリカへ戸籍を作り、養子先を探すことになった。
藍野はルーツである中国の王志亜 (ワン シア)にした。
ある日、シアとレイを連れて、横浜の観覧車に3人で遊びに行くことになった。
その帰り足、レイは伝言を受け取る。
――明日のAM9時、HRF裏手の公園で待つ。この事は誰にも話さないように。紅谷
・紅谷の誘拐
伝言どおりレイは護衛をまいて公園に向かうと、紅谷が現れた。
藍野に会ってほしいとレイは説得するが聞いてもらえず、紅谷はレイに銃を突きつけて連れ去ってしまう。
連れられた先でレイが会うのはコウの上司でリ・ハオラン。
彼は博士の研究成果とレイ自身を要求した。
先に紅谷だけでも解放しなければ、成果は渡さないと交渉、時間稼ぎをする。
必ず藍野が助けに来ると信じて。
・レイ奪還、紅谷との直接対決
レイやシアと一緒にお弁当を食べようと、横浜ビルに向かう藍野に社から「レイが戻ってこない」と緊急連絡が入る。
頼みのGPSは捨てられており、レイを追う手段はないかと思われたが、レイのアシスタントのリアムからスマホのGPSデータを貰う。
前回といい、今回といい、決して簡単ではないHRFにどうして出入りできるのかと怪しむ。
問いただそうとするが、リアム自身からレイが作った人工知能だと聞かされる。
奪還作戦に協力させ、コウと藍野が対決。
柴田の撃った弾に当たり、負傷したコウをひねり上げてたたき出す事に成功。
レイと合流し紅谷が戻ってる事を藍野は聞かされ、言う通り、紅谷が戻ってくる。
紅谷を連れ戻したい藍野は丸腰で紅谷に向かい、撃たれ、大けがを負う。
・帰るべき場所
藍野は右わき腹貫通創、だが杜山達が早く気づき、手当も早かったので大事にはならずに済んだ。
藍野を見舞う黒崎に藍野は「紅谷を家族ごと救いたい」と懇願するが、藍野に銃を向けた黒崎は決して許さないと一喝する。
そんな二人の言い争いを立ち聞きしていたレイは、自分がいない方がいいのではと思い、成果を黒崎に渡し、ボストンへ帰ろうとする。
もう紅谷を救えない、レイは帰りたがっている、シアも養子先が決まれば、自分ができる事はもう何もない。
この仕事を辞めようと辞表を黒崎に出すが、黒崎は「詩織様はお前の為にグループで力を持ちたいと進路を変えた。紅谷は私達を敵に回しても家族を守ると中国へ渡った。お前はレイもシアも放り出して、何を選択する?」と問われるが、藍野には答えられず、部長室をたたき出される。
今の藍野は何もかもが半端で、変える力もない。
ふと目に入るは詩織から贈られた左手の腕時計。
藍野も力が欲しい、紅谷を取り戻し、レイを守れて、シアに未来を選ばせて、詩織の期待に応えられる自分になりたい。
黒崎に連絡を入れて、生え抜きとして正式にパートナーを引き受ける。
リアム連絡をし、レイの居場所を聞くが、レイは既に羽田の出国ゲートを抜けたという。
藍野は沢渡に出国中止の手配を御用刑事の松井を通じて出してもらう。
レイの出国を差し止めて、藍野と再会。
藍野は改めてレイにプロポーズするが、詩織の事、父親の事を理由に断られる。
詩織の件は誤解、父親の事は自分の罰として受ける。そのかわり紅谷を追うこと許してくれ。断ってもレイの事はあきらめないと重ね、了承をもらう。
・エンディング
時は流れて3月中旬。
藍野とレイは無事結婚して、シアやリアムと一緒に暮らしている。
藍野は課長昇進、レイとリアムは技術アドバイザーとしてHRFと契約することになった。
調査書から紅谷のサインが消えたことを少し寂しく思いながら、課長代理となった水谷の隣にサインを入れる。
黒崎はレイから受けとった成果を本社経由で渡し、レイを取り込みに成功、これまでの失点をお釣りがくるほど挽回に成功。
ただしリアムの件だけは日本支部の切り札にするため、秘匿することにして、関係者には口止めをした。
ようやくHRFにも平穏な日々が戻ってきた。
同じ頃、上海市にある公園。
紅谷は家族そろって桜を見に来ていた。
紅谷が望んだ穏やかな家族一緒の時間をようやく取り戻した。
だが、ファリンは「水谷からすべて聞いた。別れよう、駿は私が育てる。中国はあまりに日本と違いすぎる」と紅谷と別れようとする。
紅谷は「俺にとって大事な事は、どこで生きるかじゃない、誰と生きるか、なんだ。君たちの側にいさせてよ」と返して、中国で生きていく事を話す。
――夕暮れの2家族。
子供たちが玄関先で藍野と紅谷を迎えに出る
――きっと紅谷を連れ戻す、そのために戦う。
――もう戻れない、ならば藍野とだって戦う。
二人はそれぞれの場所に帰って行く。
お互いの帰る場所を守るため、別々の思いを抱えて。