表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢を持たせてくれる少年。

作者: 七瀬





【___あなたには、“夢がありますか?” 】




___誰もが、自分の事でいっぱいいっぱいで周りの人達に気を遣う

余裕もない人達がたくさんいるの!



___そう、私もそうよ。

他の人だって! 皆、そうでしょ?

生活も大変で、家族がやっと食べていける程しかお金を稼げない!

両親も朝から晩まで働いているのだけど、、、?


なかなか? それでも、生活していけないから、、、?

子供達は、学校にも行けず勉強もできず働くしかなかったの!




___当然の事だけどね?

学歴のない子供たちは、大人になっても仕事がないのよ!

働ける場所は、マフィア絡みの仕事か? 体を売る仕事!

もしくは? 朝から晩まで、ゴミをあさって売るしかない!





 *



___私の名前は、【ティーア】9歳の女の子よ。

私もみんなと一緒! 両親は、私と弟の為に必死に働いてくれて

いるのだけど? 生活は毎日苦しい!


___だからね?

私も弟も、お父さんお母さんのお手伝いをしているの!

弟は、まだ4歳で甘えん坊だから大変なのだけど、、、?


きっと、生活が良くなると信じて!!!

私も私の両親も頑張っているのよ!

弟の為にも、あの子だけは、、、学校に行かせてあげたいの!




___私も両親も弟も、お風呂もないトイレもない4畳半程の部屋に

4人で暮らしているのよ。


服も買えず、靴も履かず裸足で外を歩くからケガも絶えない。

弟はまだ、4歳の男の子で! 食べ盛りというのに、、、。

僅かなご飯しか食べれず、いつもお腹を空かせているわ!

お父さんやお母さんだって! お腹が空いているのに、、、!

私や弟に、おかずを分けてくれるの!



『___さあさあ~! ティーアン! これを、お食べ!』

『・・・えぇ!? いいの?』

『___いいのよ! お母さん、お腹がいっぱいだから食べて!』

『___ティーア! お前も! これを、お食べ!』

『・・・お父さん、』

『___お腹いっぱい食べないと? 大きくならないぞ!』

『・・・・・・でも、お父さんだって! お腹空いているんでしょ?』

『___お父さんは、お酒を飲むからいいんだよ!』

『・・・・・・でも?』

『___いいんだ! さあさあ! ティーア、お食べ!』

『・・・・・・ううん、』



___弟は、本当にお父さんお母さんがお腹がいっぱいだから弟に

おかずをくれたんだと思っているわ!



・・・でも?

私は、生活が苦しい事や無理してお父さんやお母さんが私たち姉弟

の為に、おかずをくれている事を知っている!


お父さんもお母さんも、本当は物凄くお腹が空いているわ!!!

私や弟が寝静まった頃、二人で夜遅くまで残った仕事を片付けてく

れている事も、、、。




 *



___この国の人達は? 

みんな私たち家族と一緒なのよ!


誰も、夢なんか持つ子供なんかいないわ!

そんなおこがましい事を思う子供なんか! 一人もいないのよ!

働いて、お父さんお母さんを少しでも楽させてあげたいと思う子供

ばかりなの! そうやって、みんな生きているわ!








___そんな時に、現れたのよ!

何処から現れたのか? “不思議な少年!”



___彼は、にこにこ笑いながら、この村の子供たちを集めて!

こんな事を言ってくれたのよ!


『___皆! よーく聞いてくれ! キミ達には、“夢がありますか?”

ないなら? 夢を持ってほしい!!!』

『___そんなの無理だよ!』

『___生活が大変なんだ!』

『___お父さん、お母さんの手伝いをしないといけないんだよ!』

『___私のお母さんは、病気で寝たきりだからわたしが働かないと!』

『___妹の世話を誰がするんだよ!』

『・・・キミは?』

『___私も、弟だけは! ちゃんと学校に行かせてあげたいと思って

いるわ! 私が頑張って働いて、いつか? 弟を学校に行かせてあげるの!』

『___そうか! それは、“夢” なんだね?』

『___うん!』

『___でも? どうせなら、キミも弟と一緒に学校に行けるようになれば

いいよね?』

『・・・でも? そんなの無理よ!』

『___無理じゃないよ! 大丈夫! きっと、夢は叶うんだ!!!』

『・・・・・・』




___私とほとんど歳の変わらない少年が、目をキラキラさせて!

自信満々に、私に言った言葉が私に勇気をくれたわ!


【___いつか? 私も学校に行けるかな、、、?】





 *



___でも、その不思議な少年が言った言葉が現実になる日が来たの!

この少年が現れて! 半年後、、、。



この村に、【学校が建てられたのよ!】

しかも? 無料で、誰でもこの村の子供なら? 学校に行けるらしいの!

だけど? 仕事もしないで、学校になんか行けないわ!

私は、お父さんやお母さんの仕事の手伝いをしないと、、、。



___そう! 思っていたのに、、、。


お父さんお母さんが、私と弟を呼んで! こんな事を言ったの。


『___ティーア! ティーアン! 明日から学校に行っていいぞ!』

『・・・えぇ!? でも、、、。』

『___国が援助してくれる事になったんだよ! もう、お前たちが

働かなくても大丈夫なんだ!』

『・・・それ? 本当なの!?』

『___あぁ!』

『___ボク、学校に行けるの?』

『___そうよ! ティーアン!』

『やったー!やったー! お姉ちゃん! ボク達、学校に行けるよ!』

『___そうね! でも? お金は大丈夫なの? お父さんお母さん!』

『___それがね? “ある少年がこの村に寄付してくれたらしいのよ!”

子供達に、夢を持ってほしい! 子供達の為に多額のお金を寄付します!

ってね!』

『___あぁ! あの少年かな?』

『・・・えぇ!? ティーア! この少年を知っているのか?』

『___うん!』

『___ボクも、知ってるよ!』

『___そうか!』





___“あの不思議な少年は?” 私たちに夢を持たせてくれたわ!

子供達の夢の第一歩は? 先ず、学校に行く事!!!

そして、お医者さんや科学者、学校の先生になりたい子もいるわ!


___私は、あの少年のように、、、。

大きくなったら? 子供たちに、夢を持たせてあげれるような人に

なりたい、、、!!!




___だからね?

今は、学校に行って! たくさん勉強する事に決めているの!

そして、大学まで行って “本当の私の夢を見つけてみせるわ!”




最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ”夢”を持つことの素晴らしさが伝わってきました。 [一言] 私はまだ、自分の夢が何なのか分かりません。 でもこれを読んで、夢を見つけて叶えたい、その気持ちが大きくなりました。
2020/05/23 23:03 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ