夢を持たせてくれる少年。
【___あなたには、“夢がありますか?” 】
___誰もが、自分の事でいっぱいいっぱいで周りの人達に気を遣う
余裕もない人達がたくさんいるの!
___そう、私もそうよ。
他の人だって! 皆、そうでしょ?
生活も大変で、家族がやっと食べていける程しかお金を稼げない!
両親も朝から晩まで働いているのだけど、、、?
なかなか? それでも、生活していけないから、、、?
子供達は、学校にも行けず勉強もできず働くしかなかったの!
___当然の事だけどね?
学歴のない子供たちは、大人になっても仕事がないのよ!
働ける場所は、マフィア絡みの仕事か? 体を売る仕事!
もしくは? 朝から晩まで、ゴミをあさって売るしかない!
*
___私の名前は、【ティーア】9歳の女の子よ。
私もみんなと一緒! 両親は、私と弟の為に必死に働いてくれて
いるのだけど? 生活は毎日苦しい!
___だからね?
私も弟も、お父さんお母さんのお手伝いをしているの!
弟は、まだ4歳で甘えん坊だから大変なのだけど、、、?
きっと、生活が良くなると信じて!!!
私も私の両親も頑張っているのよ!
弟の為にも、あの子だけは、、、学校に行かせてあげたいの!
___私も両親も弟も、お風呂もないトイレもない4畳半程の部屋に
4人で暮らしているのよ。
服も買えず、靴も履かず裸足で外を歩くからケガも絶えない。
弟はまだ、4歳の男の子で! 食べ盛りというのに、、、。
僅かなご飯しか食べれず、いつもお腹を空かせているわ!
お父さんやお母さんだって! お腹が空いているのに、、、!
私や弟に、おかずを分けてくれるの!
『___さあさあ~! ティーアン! これを、お食べ!』
『・・・えぇ!? いいの?』
『___いいのよ! お母さん、お腹がいっぱいだから食べて!』
『___ティーア! お前も! これを、お食べ!』
『・・・お父さん、』
『___お腹いっぱい食べないと? 大きくならないぞ!』
『・・・・・・でも、お父さんだって! お腹空いているんでしょ?』
『___お父さんは、お酒を飲むからいいんだよ!』
『・・・・・・でも?』
『___いいんだ! さあさあ! ティーア、お食べ!』
『・・・・・・ううん、』
___弟は、本当にお父さんお母さんがお腹がいっぱいだから弟に
おかずをくれたんだと思っているわ!
・・・でも?
私は、生活が苦しい事や無理してお父さんやお母さんが私たち姉弟
の為に、おかずをくれている事を知っている!
お父さんもお母さんも、本当は物凄くお腹が空いているわ!!!
私や弟が寝静まった頃、二人で夜遅くまで残った仕事を片付けてく
れている事も、、、。
*
___この国の人達は?
みんな私たち家族と一緒なのよ!
誰も、夢なんか持つ子供なんかいないわ!
そんなおこがましい事を思う子供なんか! 一人もいないのよ!
働いて、お父さんお母さんを少しでも楽させてあげたいと思う子供
ばかりなの! そうやって、みんな生きているわ!
___そんな時に、現れたのよ!
何処から現れたのか? “不思議な少年!”
___彼は、にこにこ笑いながら、この村の子供たちを集めて!
こんな事を言ってくれたのよ!
『___皆! よーく聞いてくれ! キミ達には、“夢がありますか?”
ないなら? 夢を持ってほしい!!!』
『___そんなの無理だよ!』
『___生活が大変なんだ!』
『___お父さん、お母さんの手伝いをしないといけないんだよ!』
『___私のお母さんは、病気で寝たきりだからわたしが働かないと!』
『___妹の世話を誰がするんだよ!』
『・・・キミは?』
『___私も、弟だけは! ちゃんと学校に行かせてあげたいと思って
いるわ! 私が頑張って働いて、いつか? 弟を学校に行かせてあげるの!』
『___そうか! それは、“夢” なんだね?』
『___うん!』
『___でも? どうせなら、キミも弟と一緒に学校に行けるようになれば
いいよね?』
『・・・でも? そんなの無理よ!』
『___無理じゃないよ! 大丈夫! きっと、夢は叶うんだ!!!』
『・・・・・・』
___私とほとんど歳の変わらない少年が、目をキラキラさせて!
自信満々に、私に言った言葉が私に勇気をくれたわ!
【___いつか? 私も学校に行けるかな、、、?】
*
___でも、その不思議な少年が言った言葉が現実になる日が来たの!
この少年が現れて! 半年後、、、。
この村に、【学校が建てられたのよ!】
しかも? 無料で、誰でもこの村の子供なら? 学校に行けるらしいの!
だけど? 仕事もしないで、学校になんか行けないわ!
私は、お父さんやお母さんの仕事の手伝いをしないと、、、。
___そう! 思っていたのに、、、。
お父さんお母さんが、私と弟を呼んで! こんな事を言ったの。
『___ティーア! ティーアン! 明日から学校に行っていいぞ!』
『・・・えぇ!? でも、、、。』
『___国が援助してくれる事になったんだよ! もう、お前たちが
働かなくても大丈夫なんだ!』
『・・・それ? 本当なの!?』
『___あぁ!』
『___ボク、学校に行けるの?』
『___そうよ! ティーアン!』
『やったー!やったー! お姉ちゃん! ボク達、学校に行けるよ!』
『___そうね! でも? お金は大丈夫なの? お父さんお母さん!』
『___それがね? “ある少年がこの村に寄付してくれたらしいのよ!”
子供達に、夢を持ってほしい! 子供達の為に多額のお金を寄付します!
ってね!』
『___あぁ! あの少年かな?』
『・・・えぇ!? ティーア! この少年を知っているのか?』
『___うん!』
『___ボクも、知ってるよ!』
『___そうか!』
___“あの不思議な少年は?” 私たちに夢を持たせてくれたわ!
子供達の夢の第一歩は? 先ず、学校に行く事!!!
そして、お医者さんや科学者、学校の先生になりたい子もいるわ!
___私は、あの少年のように、、、。
大きくなったら? 子供たちに、夢を持たせてあげれるような人に
なりたい、、、!!!
___だからね?
今は、学校に行って! たくさん勉強する事に決めているの!
そして、大学まで行って “本当の私の夢を見つけてみせるわ!”
最後までお読みいただきありがとうございます。