第26話 そして翌日会うことになる。
◇◇◇
翌日。全講義終了後。
雨の中、傘をさした僕は、足早に南へ向かっていた。
大学の南にある喫茶店をめざして。
――――連絡ありがとう!神宮寺くんは最近げんき?
僕なんかが女の子に連絡しても嫌がられるんじゃないか?という、払拭できない不安を、どうにかこうにか振り切って、橋元さんに連絡をとった結果。
ごくごく普通に橋元さんから返事が返ってきた。
しばらく会っていないとは思えないぐらい。
――――良かったら会って話そうよ!
――――どこか京都で行ってみたいとこある?
そう橋元さんに聞かれ、しばらく考えてから僕が提案したのがその喫茶店だった。
多彩なパフェが人気で、学生からも愛されているらしい。
気になっていたのだけど、例によってぼっち気質の僕は、まだ行ったことがなかった。
特にパフェが食べたいとかそういうわけじゃなかったけど、何となく、『音に聞く』あそこの喫茶店に行ってみたいと思って。
パフェが食べられるところなら、女の子も嫌がりはしないんじゃないかな?と思っての提案だった。
店の前で、橋元さんが待っている。
少し髪を切ったみたいで、肩ぐらいの髪がゆるやかにウェーブしている。
変化としてはそれぐらい、相変わらずおしゃれだ。女の子にしては少し背が高く(166センチぐらい?)、すらっとしてスタイルがいいのも、デニムが似合うのも、健在。
ん、髪切った?って、指摘した方がいいのか!?
でも、髪型に言及するとセクハラになるとも言うし。。。
ぐるぐる迷ったその時、ビニール傘ごしに、橋元さんと目があった。
にっこりほほえまれ、手を振られる。
―――時間切れ。
僕は自分で自分にそれを宣告し、笑顔をつくって橋元さんのもとへ歩み寄った。




