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エピローグ

 その後、異国の地へと渡ったクリス達は不死山へと入り、死闘を繰り広げた。

 永劫の薬を守っていた敵は、神の力を持った神族の集団だったのだ。


 クリスとアリアのスキルは女神から授かった力であり、神の力に歯が立たなかった。そんな中、魔王の力を得たアレフと、破損した力を持つ勇者であるリノは凄まじい力を発揮した。


 魔王の刃で神族をズタズタにし、掴んだ身体を引きちぎったりするアレフ。

 バグった勇者の力で神族を細切れに切り刻み、次々と惨殺するリノ。


 二人の悪鬼を見た神族たちは「神罰が下るぞ! 悪魔共」などと言い残し皆殺しにされた。クリスは持ち前の精神力で平静を保ったが、アリアは余りの恐ろしさに……失禁したのだ。


 こうして四人は無事、永劫の薬までたどり着いたが。

 ここで事故が起こり、クリスが無事――いや、()()にも永劫の薬を飲んでしまい、不老不死となってしまったのだ。人としての生が歪められ、悲しむクリス。


 そして、クリスは三人にこう言った。


「私は人の道を外れ、死ぬ事も寿命を全うすることも出来ない歪んだ存在となってしまいました。……このような(おぞ)ましい薬の犠牲者は、私一人で十分です。どうか……アレフ、リノ、姉さんは……私のようにならないで下さい……」


 涙を流しながら三人を諭すクリス。三人はクリスをただ見つめている。

 遠回しに、「もうお前らと別れたいからさ。飲むなよ? 絶対飲むなよ!?」と言っているとはとても思えない綺麗な言い回しである。


 だがクリスの願いは虚しく三人は躊躇することなく、永劫の薬を飲んでしまう。


 三人から永遠に付き纏われることが確定した瞬間である。

 この時、初めてクリスは気絶した。彼女を襲ったのは絶望だった。


 魔王、勇者、剣聖からは決して逃げられなかったのである……。






 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








 あれから、数十年が経った。




 最初は絶望していたクリスも、今では大分落ち着いている。


 元々演技をするのは得意なので、永遠に演技し続ける事を決意するのも早かった。永遠の聖女ムーブを発動したクリスは、何時でも穏やかな笑みを浮かべている。もう聖女を超えて、聖母のようである……。


 ただ、聖女たちが寄る街では……毎回のように数十人の男性の変死体が出来る。

 引き千切られたり、死体が鋭利な刃物でバラバラにされていたりと、凄惨なものばかりで、犯人はどこの街でも未だに捕まっていないらしい……。



 まあそれは置いといて、クリス達四人は……老いも死にもせず、今日も次の街を目指して歩いている。伝説となったクリスは――いや、聖女は今後も活躍して行く事であろう。



(あの馬鹿共(三人)も使いようだな……俺様の名声がどんどん上がっていくわ。最近、愚王も死んで今じゃ王子が国王になったらしいし……。へっ! 新時代も俺様が全て独り占めにしてやるぜッ!)




 打算と、見栄と、傲慢さを胸に秘め――彼女は今後も沢山の人を救っていく。






 ――――――そう、永遠に。






 ~FIN~


完結です!


感想や評価など応援して頂いた方達が居なければ、ここまで書けませんでした!

こんな長い物語を見て下さり、本当にありがとう!

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― 新着の感想 ―
[一言] 寄った町で毎回死人出てたら皆気付くやろ フィーネはどうなったんや
[一言] こういう感想はアレかもだけど、中村うさぎのゴクドーくん漫遊記を思い出した つまり主人公が外道すぎるw 乙でした
[良い点] パーティーが地獄すぎる [一言] 面白かったです
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