エピローグ
アレフとのデートから一か月が経ち、いよいよ魔城に攻める日となる。
メンバーは救世のパーティ四名に加え、王国騎士団の三十名が加わった。
総勢三十四名に世界の命運が掛かっている。
本当はこの中に、王都最強である聖騎士ネイトルも居るはずだったのだが。
何者かに惨殺され、それは叶わなかった。
王都最強の聖騎士を誰が殺したのか、国王は必死に調べさせたが、何も情報は出ず。噂では魔王軍のスパイが王都にもぐりこみ、戦力である聖騎士を殺したと言われている。
幸先が不安になった兵士達だったが、救世の英雄であるアレフが「聖女と英雄が必ずや魔王を打倒し、世界に平和を取り戻す!」と宣言したことで、士気は再び高まり何とか事が治まったのだ。
魔城は王都からそう遠くない場所にある。
進軍を開始して一週間程度で、既にクリス達は魔城が目視出来る範囲まで来ていた。
「これより私達は魔王の城へと入ります。これが最後の戦いとなるでしょう」
聖女クリスティーナの言葉に、皆が真剣に耳を傾ける。
分かっているのだ、この戦いが凄まじく苛烈なものになると。
「……魔王の強さは未知数です。ひょっとすると、ここに居る全員が死んでしまうかもしれません。それでも! 私達がやらなければ、人々に平和は訪れないのです! だから皆さん! 皆さんの力を貸してください!」
その言葉に「おおおおぉ!!」と、王国騎士団の兵たちは湧き上がる。
死の覚悟など、ここに居る者はとっくに出来ているのだ。
だが、聖女であるクリスに言われるとやはり士気の上がり具合が違う。
「此処に居る全員が英雄であり、勇者なのです! 魔王に見せてあげましょう。人間の覚悟と、信念を!! さあ、行きましょう!」
凛々しい顔をしたクリスが魔城を指し示す。
高揚感が増し、力が漲る王国騎士団の兵たち。
クリスの覚悟に胸を打たれるアリア。
目を見開き、ただクリスだけをじっと見つめているリノ。
そして、クリスとの愛の未来に向け、闘志を燃やすアレフ。
三十四名の英雄たちが、魔城の城門前に集結する。
魔王との、最後の戦いが幕を開けた。
今度こそ、ホントに最終章(しばらく書き溜めます)




