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勇者に4人の幼馴染が寝取られ……あれ1人様子が?  作者: 鶴沢仁
第五章 聖騎士と平和で歪んだ日常
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説得の始まり

 いきなり、アレフがクリスに怒鳴ったの。

 怒鳴られたクリスは片手を首に押し当てながら項垂れていて……。


 一体、どういう事なの? あたしとクリスは命からがら聖騎士(クズ)から逃げて来ただけなのに……。アレフは何か勘違いしてるんだ。クリスは何も悪いことなんかしてないのに!


「アレフ! 何でそんな怒ってるの? クリスはあたしとずっと一緒にいたんだよ」


 ……あたしがクリスの潔白を証明しなきゃ!

 二人の仲を応援するって決めたんだから。

 大好きな二人がすれ違うなんて悲しすぎるよ。


「ずっと、二人で……? はっ! ははははっ!……そういうことかよ」

「えっ? そういうことって、何が……?」


 急にアレフが笑い出したけど、何がおかしいんだろう?

 どういう状況なのかさっぱりわからないよ。どうしたのよ本当に……。


「つまり、()()()()()()()()って事か。……お前の差し金か、アリア?」

「アレフ……。一体何の話なのか、わからないよ……」

「ふざけるなよ。お前の男だろ? クリスをたらし込んだのは」


 あたしに男なんていないよ!? そんな話、何処から出たのよ?

 それとも、普段からやっぱりそう見られてるって事なの……?


「聞いてよアレフ。あたし達は――――」

「黙れよ、ヤリマン女が!! それ以上しゃべってみろ? 殺してやる」


 なんで、あたしに剣を向けるの?

 あたし、ヤリマンなんかじゃないのに……。アレフ以外なんて、嫌なんだよ?

 そりゃ疑われても仕方ない事して来たけど。


 好きな人から面と向かって言われると、つらいなぁ。

 ずっと、そんな風に思われてたんだ。


 何だか、心が痛いよ……。涙が、止まらないや。


 ごめんね、クリス。あたしもう、しゃべれない。




 ***




 迂闊だった! まさか、俺様ともあろう者が、ネイトルのキスマークを首に掲げながら聖女ムーブしてたなんて! あああああ!! 最悪じゃねぇか!?


 ……何人かには、見られただろうな。そういや、すれ違った愚民の何人かはこっちを怪訝そうな顔で見てたよな。てっきりアリアの情けない姿を見てたんだと思ったが。


 俺様の首を見てたんだな! あー、あいつら殺してぇ。この姿を見たものを全員殺してくれ神様。理想の聖女像が、こんなキスマークで汚されちまうとはな。


 んで、さっきからアレフの奴がうるせぇんだけど。死んどけよ。

 俺様はさっさと部屋に行って証拠隠滅しなきゃならねぇわけよ。

 いや、別にここでも治せっけど、騒いだ所為でみんな見てんじゃねぇか。


 アリアが何か、俺様の擁護してくれたと思ったら、すぐに下向いて泣き出してるし、使えなさ過ぎだろこのブス。何やってもダメダメじゃねぇか。


「クリス。何故、何も言ってくれないんだ……? 俺を騙してたのか?」


 ん、いきなり意味わかんねぇ事言い始めたな。頭大丈夫か。


 まさか、首のキスマークで俺様を疑ってんのかよ。

 清らかさを擬人化したような俺様を疑うんじゃねぇ。


 ああ……もしかして妬いてんのか? ガキか。ありえんわ。

 つか、俺様が一年掛けて積み上げた信頼ってこんなもんで揺らぐのかよ!?


「アレフ。全てお話しますから、とにかく私の部屋に来てくれませんか?(ひょっとして、かなりめんどくせぇ男なんじゃねぇのかこいつ)」

「……わかった。だが、もし納得のいく説明じゃなかった時は……俺は、お前を」


 ……なんだよ!? お前を何なんだよ! 俺様をどうする気なんだよ。

 コレが英雄とかマジ世も末だわ。まあ、それの相方してるんだけどな。


「アレフが考えているような事など、絶対にありません。私を信じてください(犬は何も考える必要ないんだよ。魔王討伐装置になってろや)」

「俺だって、信じたいよ。クリスを信じたい」

「それなら、部屋に行きましょう? ほら、姉さんも一緒に(アリアがいないと、説明できんからな)」

「……え? あっ、うん……わかった」


 くっそ元気のないアリアを引っ張って、何とか俺様の部屋で話し合う所まで持ち込めたわ。あんま苦労掛けさせんなよ。


 はぁ……。宿でも何人かには見られたかもしれん。ネイトルのクソヤロウは必ず、この俺様の手で殺してやる。よくも、完璧な聖女伝説に変なモン付けてくれやがったな。ぜってぇ許さねぇ。


 とはいえ、まずはアレフの処理から始めんとな。

 暴走されたら敵わん。物理的にも敵わんし。こんなのと結婚とかねぇわ。


 さてと、どんな茶番にしてやろうかね。

話しが進まん!

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