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勇者に4人の幼馴染が寝取られ……あれ1人様子が?  作者: 鶴沢仁
第二章 聖女と救世の英雄
33/82

エピローグ

 

 ハヤト君が死んでから、今日で、三日後くらいになるな。


 俺様たちは、いよいよ王都を出るための準備をしていた。


 いやぁ、あれは焦ったぜ。まさか、ハヤト君が死んじゃうとはなぁ。しかも、深夜にスラム街に遊びに出かけて、スラムのならず者達からリンチされて死ぬとか……。


 勇者とは、一体なんだったのかってくらい情けなさ過ぎる……失笑しちまったよ思わず。


 だけどさぁ、両手足を切断した上で、胸部を数えきれないくらいに滅多刺しって…えげつねぇわ。


 なんなん、その手口……マフィア?マフィアなん? この世界に異世界転生してきたマフィアでもいんのか?


 とりあえず殺しの手口からして、絶対、頭おかしい奴って事だけは分かるわ。


 俺様のような慈愛に満ちた献身の聖女でも、流石にそんな殺し方するような、やべぇ奴らとは関わり合いになりたくねぇし。


 そんなことを思ってる内に、荷物も纏め終わり、後は出発するだけとなったわけだが。


 なんか、宿の入り口で……俺様たちを塞ぐように一人の女が立ってるんだが?


 見覚え、あるんだよなぁ。


「お姉ちゃん? どうしたの?」


 リノが俺様に話しかけるが、今それどころじゃねぇんだよ! イベント発生してんだっつーの! あいつが此処に居るって事は、王城で起きた騒ぎもホントらしいな。


 隣にいる、アレフを見ると、やっぱ険しい顔してんな。そらそうだべな、いきなり宿屋でエンカウントするって誰も思わねぇって! ハヤト君が死んでから俺様驚きっぱなしだぜ!


「リノ、ちょっと待っていて頂けますか?あそこにいる人は、私の(玩具です)」

「……わかった。じゃあ、待ってるね」

「ありがとう、リノ。すぐ呼びますからね(何で少し不満そうなのこのガキ?待つと死ぬ病なんか?)」


 リノの糞みたいな態度を海のような広い度量で我慢した俺様は、リノの頭を機械的に撫でた後に、宿の入り口を塞いで立っている、迷惑極まりない女の元に近づく。


 俺様が近づくと、女は驚愕の表情で俺様を見た後に、何故か泣き出す。頭大丈夫かこいつ?


「――……クリス……ホントに……生きてたんだねっ……!良かった……良かったよぉ……」


 そう叫ぶと、俺様に抱き付いてきた。


 なん、だと……? 俺様より、胸がデカい……? 死ねよこのクズ。その汚いデカパイを俺様の胸に擦り付けるんじゃねぇよ。形は多分、俺様の圧勝だろう。はい俺様の勝ちー!


 勝利を確信したからちょっと冷静になれたわ。そろそろ聖女モードで挨拶してやるか。


 涙腺スイッチを入れて、俺様も熱い涙を流して、抱き締め返す。感動の演出をしてやった所為か、女が更に泣き出す。


「クリス……。クリスぅ……あたしと会って、泣いてくれるの? クリスを探しもせずに、最低な事ばかりした、あたしなんかのために……」


 さてと、これから忙しくなりそうだな。


 言うなれば、ここから第三部開幕だっ! とりあえず、何でこの場所に……しかも、こいつ一人でいるのか聞かねぇとな? アレフにはちょいと悪いが。


「当たり前じゃないですか……。だって、私たちは、たった二人の姉妹なのですから。そうでしょう?(神そのものに等しい俺様と、モルモット未満の価値しかないお前じゃ立場が違うがな)」


 俺様はそう言って、女の目を見つめる。相手も、俺様の銀河を束ねるがごとき美しい瞳を見る。


 ケケケッ! 俺様の名声を上げるために、悲劇のダンスを踊ってくれよ?


 ……なあ?


「―――アリア、姉さん」

二章はこれで終了です。

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