エピローグ
ハヤトとの決着は二章かな。
書けるのは何時になるのか。復讐いりますか……?
――聖剣を手に入れた物語、あれから、一年の月日が経った。
台風のような風が鳴りやまぬ丘の上に二人の男女の姿があった。
一人は、白銀の鎧を着て、腰には聖剣アロンダイトを掲げた青年。
もう一人は純白の修道服に似た聖女の衣を着ている少女。
プラチナブロンドの短髪に淡いエメラルドの瞳、その姿は勇者というよりも物語に出てくる王子様と言った方が良いほどの端正な顔立ちをした美丈夫。その名は聖勇者アレフ。最近、魔王軍に苦しめられている人々をその圧倒的な剣技と力で救っているため、人々は彼を救世の英雄と呼ぶ。
勇者と呼ばれているハヤトが最近は城に籠って女遊びばかりしているのも相まって、今では彼こそが真の勇者と呼ぶ人すら現れている。腰の剣も初代勇者が身に付けていた、伝説の聖剣アロンダイトに似ていることもあり、噂に拍車をかけた。
なにより、噂を肯定するもうひとつの存在があった。それは献身の聖女と呼ばれるクリスティーナが常に傍に付き従っていることだ。勇者ハヤトと共に旅をしていたクリスティーナは貧しい者達に無償で治療したりしていたために、多くの人々から顔を覚えられていた。その聖女が付き従っているという事も有り、彼が真の勇者ではないかという噂に真実味を持たせていたのだ。
荷物持ち時代のアレフは髪もしわくちゃで、顔も生気がなく、生来の顔立ちの良さが認識されていなかったために、人々は今の彼と同じ人間だという事に全く気づけなかった。結果的にそれが良い方向に動いているというのは皮肉というほかないが。
「この風、どう思う?」
「自然の風ではありませんね、まず魔王軍が関係してると思われます」
「クリスがそういうなら間違いないんだろうな。じゃあ、いつも通り潰すことにしよう」
「アレフに信用してもらえるのは嬉しいですけど、そうやって毎回無謀に突っ込まないでください!私が心配のし過ぎで倒れちゃいますよ……」
「大丈夫だ、お前を置いて俺は絶対に死なない。お前が死んだら俺も死ぬけどな」
「そういう冗談は嘘でも言わないでください……私たちはもうパートナーなんですから、もっと頼って欲しいです」
「冗談、でもないんだがな。クリスのいない世界なんて、無意味な塵屑くらいの価値しかない」
「もう、分かりましたから! 一緒に行きますよアレフ!」
「ああ! 行こうかクリス」
救世の英雄と献身の聖女は今日も人々の為、魔王軍や、人に害を成す存在と戦っていく。
それは、いつか英雄伝説と呼ばれる二人の英雄のお話である。
聖女の部分どこいった……。
一先ずこれで終わり。また書き留めまする!