第069話:それぞれのダンジョン攻略
【コロビアン共和国 バランキージャ】
人口四八〇〇万人のコロビアン共和国の中でも第四の都市が、北端のアトランティコ県都、バランキージャである。毎年二月から四月にかけて、カーニバルが開かれる。たとえダンジョンが出現しても、ラテンガメリカ人の陽気さは変わらない。最高気温が三〇度を上回る七月上旬、バランキージャの「オラヤ・エレラ大通り」を一台のトラックが走っていた。助手席に座るピエロ姿の男は、南米のファストフード「エンパナーダ」を噛り、水を飲んだ。
「ボス、間もなくです。コロビアン陸軍が来ていると思います」
南米の火薬庫となったベニスエラの脅迫に対し、コロビアンのサルミエント大統領のもとには、全世界から応援のメッセージが届いた。だが口先だけの応援なら誰でもできる。ワイバーンに対抗する物理的な力を求めて、米国政府に「軍事支援」を要請したが反応は良くない。全面的な軍事支援となれば、その費用は百億ドルを超える。コロビアンにそんな財政能力があるはずもなく、ガメリカが負担せざるを得ない。大統領選挙の最中において、そんな決断ができるはずもなかった。
結局のところ、コロビアンに対する「具体的な支援」を行なった国は一カ国も存在せず、二週間ほどの交渉の末、コロビアンはジョーカーの要求を飲まざるを得なくなった。
「解っていると思うが、俺たちは魔王軍だ。盗賊じゃねぇ。街で飯食うときも遊ぶときも、魔王軍の看板背負ってることを忘れるんじゃねぇぞ」
ベニスエラ国内におけるジョーカーたちの評価は「腫物」という扱いであった。敵対しなければ害は受けず、むしろ助けてくれることすらある。ジョーカー自身が解放した重犯罪者たちの半分は、すでに逮捕されたか殺されていた。ベニスエラは全世界から国交断絶を受けているが、それでも徐々に安定を取り戻していた。
オラヤ・エレラ大通りの一角にある店舗に、それはあった。周囲はすべて封鎖されているが、鉄条網の柵と兵士がまばらに立っているだけの警備である。先進国とは違い、途上国に近いコロビアンではダンジョンの警備に多額の予算を掛けることはできない。また民間人冒険者を募集しようにも、支給できる装備が貧弱であるため集まりも悪い。結局、周囲を封鎖して立入禁止にして終わりというのが現状であった。
「よし、飯と寝床の調達をしてこい。カネは米ドルでしっかり払ってやれ」
指示を受け、手下たちが慌ただしく駆け出す。加えていたタバコをポイ捨てしたジョーカーは、緊張するコロビアン兵士の肩を叩いた。
「ご苦労さん。俺たちが討伐してやっから、安心して待ってな」
CIAやMI6といった諜報機関が暗殺を狙っているであろう危険人物が、白昼堂々と歩き、笑っている。兵士にしてみれば、大統領に声を掛けられたような、なんとも言えない気持ちになった。
一方、コロビアン政府は苦悩していた。ジョーカー率いる自称「魔王軍」の要求は、コロビアン国内におけるダンジョンの「割譲」であった。現状、ダンジョンの討伐はまったく目処が立っておらず、自国民を危険に晒すくらいなら、役に立たないダンジョンなどくれてやるべきという意見が強い。一方で、もしジョーカーを受け入れれば、コロビアンの外交環境は極めて悪化する。いっそマフィアのように犯罪行為をしてくれたら世論も変わるだろうが、魔王軍は想像以上に統率が取れており、略奪も暴行も一切ない。
〈俺たち魔王軍が目指しているのは、世界秩序を破壊することだ。どうせ十年後には世界は滅びる。ガメリカもEUも日本もみーんな死んじゃう。不動産や金融資産なんて持っててどうする。金持ちの連中は、今のうちにガンガン使ったほうがいいんじゃねぇか?〉
今はまだ南米に限定された影響力のため、他国の為替市場や株式市場には、それほど大きな混乱は見られない。だがコロビアンがジョーカーに与すれば、次はブレージルなどの南米各国が雪崩るだろう。だが世界は、南米大陸を無視できない。石油などのエネルギー資源のみならず、レアメタルなどの鉱物資源、鶏肉やコーヒー豆などの農畜産品の輸出が止まれば、先進国の経済も脅かされるのだ。実際、先物市場では価格が上がり始めており、コロビアンには多額の外貨が入り始めている。
〈世界には今でも奴隷制度が残っている。全世界の児童労働者は一億六千万人以上だ。一〇歳の子供が日給数ドルで、コーヒー農園で働かされている。で、世界の人権団体とやらは児童労働で収穫されたコーヒーを飲みながらあーだこーだと会議しているわけだ。まさに偽善、ヘドが出る。俺たち魔王軍のほうが、よっぽど正義に見えねぇか?〉
ジョーカーの恐ろしいところは、世界の矛盾を的確に突いてくるところだ。一部の富裕層、富裕国に資源が搾取されている。ジョーカーはこれを「世界秩序」と呼んでいる。これを破壊するのが目標だと高らかに宣言した。表立っては言えなくとも、内心で共感する者は相当数いるだろう。
「大統領、ジョーカーがダンジョンに入りました。米国大使からは、生き埋めにしてはどうかと意見が出ていますが……」
「カネも軍も出さない国が、偉そうな口をきくな!」
サルミエント大統領は、吐き捨てるように怒鳴った。
【陸上自衛隊 富士駐屯地】
「弾着、いま!」
地響きと共に煙が立ち上る。榴弾を撃ち込まれた魔物は、一瞬で煙となった。画面を通じてそれを見ていた男が、喜色を浮かべた。
「成功です。FH70はワイバーンに効果があります!」
「では次だ。Aランク魔物オークキング。今度は的が小さいから、簡単には当てられんぞ!」
三メートルはある巨体がのっそりと歩いていく。画面を見つめながら、女は小さく呟いた。
「止まっている魔物なら榴弾を当てられるでしょうけど、動いている相手には厳しいわね」
ダンジョン省事務次官の石原由紀恵は、多忙な時間をやりくりして、富士駐屯地を視察していた。陸上自衛隊とダンジョンバスターズが合同で、魔物殲滅の試験が行われている。ガチャで手に入れた複数のAランク魔物を地上に顕現させ、近代兵器がどこまで有効かをテストしているのだ。
「それで、江副さんは魔物使役についてなんて言ってるの?」
「和さ…… 江副は、できれば使いたくないと考えています。もしバスターズが魔物を使役し始めたらいらぬ誤解をする人も出てくる。そして、そうした誤解と恐怖は広まりやすいと言っていました」
石原の問いかけに、Bランク冒険者にしてダンジョン討伐者でもある日下部凛子が返答する。地上で魔物を顕現する能力は、ダンジョン討伐者の称号と一緒に得られる。凛子は金沢ダンジョンの討伐で、この称号を得た。そしてバスターズの依頼を受けて、この演習を手伝っている。
「良くも悪くも、彼は世界から注目を集めているわ。その彼が地上で魔物を顕現させたら、それだけで問題視する人が出るかもしれないわね。それで、彼はいまどうしてるの?」
「彰さんとコンビで、Aランクを目指し深淵に入っています。ですがかなり、苦労しているようです。これまでのランクアップ方法では通用しないようです」
「そう。彼に伝えて頂戴。まだ時間はあるし、焦ることはないわ。無理しないでと……」
他国では、Cランクである「種族限界突破者」になろうとして発狂した者もいる。Aランクともなれば、その過酷さは想像を絶する。目先の金銭目的では、とてもではないがモチベーションを維持できない。
(それは魔王軍も同じはず。彼らもまた、自分以外の何かのために、戦っているんだわ。ただそれが、私たちにとって「都合が悪い」というだけ……)
立場上、決して口にはできないが、相手を認める気持ちがどこかにあるのを石原は感じていた。
【江戸川区 Aランクダンジョン「深淵」】
ランクアップの方法は、ひたすら自らに負荷を掛け、戦い続けることである。FランクからBランクまで、そのやり方でランクアップし続けてきた。だがAランクになるためには、それだけでは不足らしい。
「死ぬ可能性が少なからずあるが、短期間でランクアップする方法。死ぬ可能性は少ないが、地上時間で年単位の時間を要する方法。さて、どちらが良いかのぉ」
以前、劉師父の奨めでひたすら魔物と戦い続けた。ある程度は強くなったが、そこで頭打ちとなった。Bランクダンジョン討伐者の称号を持っていなかったため、Bランクの上限で壁にぶつかったのだ。たとえ称号を得ても、ランクアップのためには膨大な時間が必要になる。
「愚問だな。年単位の時間など掛けられるはずがない。短期間でいくぞ」
「フォッ! では修業内容を説明するぞい」
そして聞いた修業内容は、狂気という言葉さえ生ぬるく感じる地獄であった。
「重りはそのまま、一〇〇キロを背負いながら、さらに儂が負荷を掛ける。ホィ」
ズンッと身体が重くなり、さらに空気が薄く感じた。
「クッ…… これって、デバフ? めっちゃキツイんだけど」
彰も半笑いしながら、額に汗を浮かべている。だが狂気はこの程度では済まなかった。
「これからBランク魔物とサシで戦うのじゃ。条件は『相手の攻撃を避けてはならない』じゃ。物理と魔法の耐久力と共に、回復速度も高めるのじゃ」
「いやいや、フツーに死ぬと思うんだけど?」
「じゃから、ギリギリのところで受けるんじゃ。見切りを誤れば死ぬぞ?」
「ガチャ魔物相手じゃダメなのか?」
俺の問いに、劉師父は首を振った。ガチャ魔物相手では必ず甘えが出る。その甘えが、見切りの誤りに繋がり、死ぬことになるらしい。一切の容赦がないダンジョン魔物を相手にする緊張感が、生死の境界を明確にするそうだ。
「完全な精神論で非科学的だが、もともとAランク自体が非科学的なんだ。科学的アプローチなど通用しないだろうな。よし、俺から行くぞ」
深淵第五層のBランク魔物「旧き魔術師」に立ち向かう。炎の球が向かってくる。あえてそれを受ける。肌が焼ける感覚が広がる。Bランクになれば肉体の耐久力も向上しているはずだが、灼けるような痛みは変わらない。炎を身に纏いながら歩を進め、そして剣を振る。
「これは…… キツイな」
「フォッ…… Fランクの一般人であれば、いまの一撃で炭になっておる。比較ができぬから判らぬじゃろうが、耐性は確かについておる。あとはそれを伸ばし、強化すれば良い」
「兄貴、ポーション使うか?」
「いや、まだ耐えられる。だが、この訓練方法は膨大なポーションを使うな。後で、ストック数を確認しておこう」
火傷程度なら、通常のポーションで十分に回復する。記憶では二万枚以上はあったはずだ。他のメンバーにも協力してもらって、最低でも一〇〇万枚は、ポーションをかき集めるべきだろう。
「多くの異世界が滅びた理由がわかるな。攻略難度高すぎだろ」
「ナイトメア・モードって奴だね。次は俺が行くね」
俺と交代で、彰が前に出た。ボゥッという炎と熱が、後方まで伝わってきた。
【コロビアン共和国 バランキージャ】
「そろそろ休憩するぞー」
ジョーカーの指示で、男たちはダンジョン内の安全地帯に向かった。調達した食料を革袋からだし、各々食べ始める。全員がダイビング用の重りを腰に巻いたままだ。Eランクの者もいれば、Cランクになった者もいる。トウモロコシ粉と鶏肉を具材にした南米版ちまき「タマーレス」を食べながら、ジョーカーはメモ帳を読み返していた。
(第一層の感触から、このダンジョンはBランク相当ってところか。魔物を鍛えるには手頃だな。問題は、討伐後だが……)
包んでいたバナナの葉をポイ捨てし、タバコに火を着けた。紫煙に目を細くしながら、討伐後のことを考える。
(ベニスエラはまだ供給力が足りない。ダンジョンを食料採掘所にして、とにかく飢えを無くす。それと仲間の拡充だな。ダンジョン討伐者を更に増やし、いずれガメリカに送り込む。そのためにはコロビアン・マフィアの裏ルートが必要だな。この討伐が終わったら、挨拶に行くか……)
「ボス、そろそろ時間です」
気づいたら予定の休憩時間を過ぎようとしていた。立ち上がり、首をコキコキと鳴らす。
「よぉっし! じゃぁ第三層行こうか! オメェら、討伐終わったら女買いに行くぞ。しっかり溜めとけ!」
「「「おぉっ!」」」
男たちが拳を突き上げる。バランキージャのダンジョン第三層は狼の魔物が出てきた。盾役が防ぎ、攻撃役が剣や斧で斬りかかる。一頭が盾を飛び越え、ジョーカーに襲いかかる。両手で狼の頭を押さえつけると、ジョーカーは笑いながら語りかけた。
「可愛らしいワンちゃんだねぇ。お座りすれば、エサあげるよ?」
ガルルルルッ!
「フーン、躾がなってないな」
掴んでいた頭を一捻りする。ゴギンッと骨が折れる音がし、狼は煙となった。
「Dランクを鍛えるには手頃だな。ここでしばらく戦うぞ」
魔王軍は文字通り、魔物を使役している。だがその魔物を地上で顕現させるには、ダンジョン討伐者の称号が必要であった、ベニスエラには二箇所、ダンジョンが存在しているが、そのうち一箇所はSランクであるため討伐が不可能であった。そこで隣国のコロビアンのダンジョンで、討伐者を増やすつもりであった。コロビアンには四箇所、エルクドアに一箇所、そして最大人口国であるブレージルは一七箇所のダンジョンを持っている。それらすべてを討伐すれば、南米における魔王軍の覇権は確立されるだろう。
(バスターズやクルセイダーズの連中と競争だな。まだ奴らのほうが進んでいるだろうが、奴らのやり方では南米やアフリカ、中東諸国は説得できねぇだろ。いずれ追いつくさ)
狼と戦い続ける部下たちを眺めながら、タバコを咥えた。
【ダンジョンバスターズ本社 木之内詩織】
七月に入ると、世間は東京オリンピックムード一色になり、私の周囲も慌ただしくなっています。娘の茉莉が魔法を使ったとかでテレビに特集されてしまい、なぜか芸能プロダクションから電話が掛かってきたりします。「すべて断ってほしい」と茉莉から言われているのでお断りをしているのですが、中には家まで来る人もいて、少し迷惑しています。和彦さんに相談してみようかと思います。
「でも今は無理ね。ダンジョンに集中しているから」
和彦さんは現在、ランクアップを目指してダンジョンで戦っています。戻ってきた時に、焼け焦げた匂いや血の匂いがしました。無茶なことをしているのではないかと心配です。
「せめて美味しいものを食べさせてあげないと……」
バスターズの皆さんは、みんなお肉が好きですが、たまにはお魚も食べたほうが良いと思います。そこで今日は海鮮尽くしにしましょう。
「トコブシの炊き込みご飯、アラ汁、岩牡蠣の酒蒸し、お刺身の盛り合わせ、アジの夏野菜サラダ。あとは、お酒のおつまみでシラエビの唐揚げも用意しようかしら」
江戸川区南葛西にある鮮魚専門店「海皇丸」では、新鮮な魚介類が卸売市場直送で買えます。バスターズの食堂で一緒に働く主婦仲間で車を出し、魚を仕入れに行きました。帰り道に、江戸川区大杉にある「こだわりの酒屋 鈴幸」に寄って、日本酒や焼酎も買います。江戸川区名産の「小松菜焼酎」が切れていたので、ここで仕入れて帰りましょう。
本社に戻ると、本日のメニューをお知らせします。海鮮尽くしと聞いて、総務部長の向井さんは携帯電話でご家族に連絡をされています。あらあら、どうやら戻るのを明日にするようですね。
「さぁ、トコブシの仕込みからしましょう」
ゴボウをささがきにして酢水でアクを抜き、人参は薄く短冊切りにします。トコブシはザルに開けて、タワシで汚れを落とし、お鍋に入れて純米酒を浸るくらいまで注ぎ、酒煮にします。トコブシだけでも美味しいのですが、お野菜を取るためにも今回は根野菜を混ぜるつもりです。
トコブシに火が通ったら、醤油と味醂、根野菜を入れてひと煮立ちさせ、火を止めます。こうして味を馴染ませたあと、煮汁を使ってご飯を炊きます。トコブシは貝殻から外しますが、このときに身と肝を分けて外すようにします。身は三等分くらいに切って、肝と別々にして残った煮汁に漬けておきます。
ご飯が炊きあがれば、あとは切ったトコブシの身を入れて手早く混ぜます。肝はお椀に盛った後に、お好みで添えるようにします。針生姜と三つ葉を上に載せたらできあがりです。
「この香り…… トコブシか!」
あら、和彦さんが戻ってきました。疲れているはずなのに、わざわざ食堂まで足を運んで、私たちにお礼を言ってきます。そんなに手間のかかる料理ではないのですが、みんな夢中で食べてくれます。和彦さんなんて、私蔵の日本酒まで持ち込んできて…… あらあら、これでは宴会になってしまいますね。私も少し、いただこうかしら?
ダンジョンバスターズ本社三階の私室から屋上に昇る。太陽光発電パネルが並べられているが、空きスペースに折りたたみ椅子と机を置き、日本酒とツマミを楽しむ。すぐにダンジョンに戻ろうと思っていたが、思いもかけず宴会になってしまった。今夜は地上で一夜を過ごし、明日から再びダンジョンに入ろうと思う。
「アジのなめろう、トコブシの肝、シラエビの唐揚げ…… 完全にツマミだな」
夏の夜風の中、よく冷えた日本酒を楽しむ。以前なら、ランクアップもせずにこんな宴会をするなど考えられなかった。それだけの精神的な余裕がなかった。精神的に追い詰められていたのだと、今更ながら実感する。
「Aランク…… 遠いな」
今日一日、ダンジョン時間で三週間分は戦い続けた。エクストラポーションを含め、使ったポーション数は四桁近くになる。それでもAランクにはならない。近づいていると信じて、続けるしかない。
「次のレベルまで、あとどれくらいか…… ゲームみたいに判れば、楽なんだけどな」
現実世界にそんなものがあるはずがないと理解していながらも、つい愚痴をこぼしてしまう。猪口を呷ってフゥと息を吐き、目を閉じて自分を落ち着かせる。
「みてみてー、カレイの漬け丼卵黄乗せ作ってみたよぉ」
「ムッチー! その漬けの刺身って、残ってたの全部だよね! もう一切れも無いよね!」
「……やれやれ、まったく。もう少し、飲むか」
下から聞こえてきた明るい声に、思わず笑ってしまった。悩んでも仕方がない。仲間たちと賑やかに笑うのもいいだろう。立ち上がり、空になった徳利と猪口を持って三階から中庭に飛び降りた。




