第067話:冒険者の社会的位置づけ
【ウリィ共和国 ソウル特別市】
二〇二〇年六月、衆参両院議員選挙において「憲法改正」「国防軍設立」をめぐる激しい議論が繰り広げられているころ、隣国であるウリィ共和国の首都でも、夏を先取りするような熱い論争が繰り広げられていた。その発端はパク・ジェアン大統領が「ベニスエラおよびジョーカーを支持する」と明言したためである。G20加盟国の残り十九ヶ国は、当然のように抗議声明を出した。特に南米のメヒカノス、ブレージル、アルヘンティーナの反応は強く、議会でも全会一致で非難声明が採択された。EU各国でも駐在大使を呼びつけて抗議文を渡している。大統領府がある青瓦台は、各国がこれほど強く反応するとは予想していなかったのか、話し合いの第一歩は相手を理解することだと、苦しい言い訳を発表した。
『臨時ニュースです。サムシク電子のチェ・ゴンヒ副会長は、年内中に本社機能を海外に移すと発言しました。ダンジョン問題の解決の見通しが一向に立たないことに加え、大統領のベニスエラ支持表明により、これ以上、国内で健全な企業活動をすることが難しいとのことで、大東亜共産国あるいは日本に本社を移すことを検討するとしています』
『サムシク電子の本社移転について、チェ・ゴンヒ副会長は緊急の記者会見を開き、誤報であると報道内容を否定しました。このままでは検討せざるを得ないと憂慮の念を示したものに過ぎず、本社移転はまったく予定にないとのことです。しかしながら株式市場は全面安の展開であり、ウォン相場も過去最大の下げ幅を……』
『パク・ジェアン大統領の退陣を求めるデモが拡大しています。パク政権の三年間は、閉塞と孤立の三年間と言えるでしょう。日本のみならず、米国、大亜共産国、さらにはEU諸国とも関係が悪化しており、国際社会における我が国のプレゼンスは大幅に低下しています』
『フランツの自動車メーカーであるルイス社は、内国からの完全撤退を表明、さらにガメリカのナショナルモータースも資本を引き上げると発表しており、国内の三大自動車メーカーのうち二つが消えることになります。この影響により最大一〇〇万人の失業者が出るとも言われており、二〇二〇年は名目、実質ともにマイナス成長になることは確実と思われます』
『パク大統領は、大姜王国との平和的統一が成されれば、その経済効果は図りしれず、あらゆる経済問題が一気に解決するだろうと強気の発言を繰り返しています。しかしながら平和的統一の道筋は見えず、南北首脳会談の見通しも立っていません。パク大統領は国民に対して、一丸となってこの危機を乗り切り、積弊清算と南北が統一した自主独立国家の成立を目指すべきだと呼びかけていますが、デモは拡大するばかりです……』
各テレビ局の報道に、ウリィ共和国大統領パク・ジェアンは苛立っていた。三年前、前大統領を弾劾し辞任に追い込んだ「ロウソク革命運動」と同じことが、いま自分に向けられている。民衆の力によって権力の腐敗を追放し、フランツ革命に匹敵する政変を成し遂げた。その革命精神を継いでいるのが現政権だというのに、それに対してデモを起こすなど許せるものではない。
『デモ隊は、ダンジョンを放置し、経済を貶め、さらには敵国に無条件で与しようとするなど憲法に反すると主張しており、大統領に即刻辞任を求めています』
法とは国家を統治するために必要な道具だ。法があって国家があるのではない。国家があって法があるのだ。そして単一民族国家であるウリィ共和国では、民族の精神と理念が国家より上に位置する。南北統一による民族自決という悲願に比べれば、法など意味はないのだ。民族の自尊心を貶めてきた積弊を清算し、売国的言論を繰り返す守旧勢力、売国奴たちを一掃しなければならない。自分の代で、その道筋を作り上げる。それが自分の使命だとパク大統領は信じていた。
「大統領。サムシク電子のみならず、未来自動車やSGエレクトロニクスなど各財閥企業から強い要請が来ています。ベニスエラと手を切り、ダンジョン対策で日本や大亜共産国と連携すべきです。このままでは、我が国の経済は崩壊します」
「若年層の体感失業率は三〇%を大きく超えており、回復の見通しもありません。海外投資家も次々と離れており、ウォン安が加速しています。スワップ発動でなんとか抑えていますが、このままでは年内にも通貨危機が発生します」
不景気な話ばかりが次々と持ち上がる。11月に中東でG20が開催される予定だが、開催国からは非公式に「来なくていい」とまで言われた。
「ベニスエラ政府からは、内国の勇気に感謝する。ベニスエラ回復のために、積極的な支援をと要請されています。また同様の話が大姜王国からも来ています。外交情勢が流動的なので落ち着き次第、支援すると先送りの回答をしましたが、数億ドル規模の支援となれば、財源がありません」
G20までにジョーカーに接触し、先進国との間の橋渡し役を内国が担うつもりであった。これにより内国のグローバル・プレゼンスは一気に高まり、我が物顔をしている日本を黙らせることもできる。そう考えていたのに、肝心のG20には呼ばれず、ベニスエラからはカネを出せと督促される。なぜ、思い通りにいかないのか。
「日本政府の反応はどうだ? 軍部のほうが、ダンジョン対策で協力しようと持ちかけたはずだ。大使館職員が、ダンジョン・バスターズにも接触しているはずだが?」
ダンジョン対策に乗り出している姿勢を見せれば、国民も納得するだろう。またダンジョンを討伐すれば、ベニスエラやジョーカーに無条件で与しているわけではないと主張することもできる。そのためにはダンジョン一箇所を討伐する必要があり、極東で唯一、それが可能な国である日本、そしてダンジョン・バスターズの協力が必要だった。
だが、その答えは無情なものであった。
【江戸川区鹿骨町 ダンジョン・バスターズ本社】
四〇年以上を生きていると、それなりに人間関係の「しがらみ」というものができてくる。それは決して悪いことではない。人は独りでは生きられない。持ちつ持たれつの人間社会の中で生きている。だから俺も、頼まれればできる範囲で応えるし、逆に相手に頼むこともある。それが人間関係というものだ。
「悪いね、カズちゃん。無理を言って……」
小学校一年生からの幼馴染である岩本が、バスターズ本社を訪ねてきた。千葉県でパチンコチェーンを経営している元在日内国人のオーナー社長だ。現在、日内関係は決して良好ではないが、個人レベルで見れば、日本好きの内国人も相当にいる。まして岩本は二〇年前に日本国籍を取得した日本人だ。内国のダンジョン政策には言いたいこともあるが、岩本個人は俺の一番の親友と断言できる。
「はじめまして。在日本ウリィ共和国民団の李と申します」
「ダンジョン・バスターズの江副です。どうぞ、お座りください」
この日、岩本が連れてきたのは日本国内に住む内国民の七割が登録しているという、通称「民団」と呼ばれる組織の人であった。民団は全国的な組織であり、江戸川区にも東松本に支部がある。
岩本は二〇年前から日本人であり、民団には所属していない。だがパチンコチェーンの経営者という立場上、在日内国人との付き合いは多い。その関係から、どうやら橋渡し役を依頼されたようだ。もっとも岩本からは、どうせロクでもない用件だろうから断ってくれて構わないと言われていた。パチンコ業からの業態転換を図っている岩本にとってもハタ迷惑な話なのだろう。
「最初に申し上げておきます。岩本は私にとって無二の親友ですが、同時に私はダンジョン・バスターズの経営者であり、日本国政府との信頼関係を重視しています。李さんのご希望に沿えない可能性があることをご了承ください」
「今日の面談の場を設けるところまでが、俺の役目だからね。あとはカズちゃんの判断に任せるよ。李さんもそれでいいよね?」
そして話し合いが始まった。民団を代表してやってきた李氏の要望は二つであった。「在日内国人も日本の民間人冒険者としてダンジョンに入れるよう、政府に働きかけてほしい」「ダンジョン冒険者制度をウリィ共和国で運営するために協力してほしい」の二つである。岩本の顔を見ると、呆れ果て、そして怒りの表情を浮かべていた。
「李さん。それはひどい」
普段は物腰柔らかな岩本が激怒している。岩本を抑えるように右手を上げて止めた。
「岩ちゃん。李さんだって、自分が言っていることが無茶苦茶だということぐらい、理解しているさ。恐らく、共和国政府から民団に働きかけがあったんだろ。李さん、残念ですがご要望に沿うことはできかねます。これは国家間の話です。ウリィ共和国政府が日本国政府に正式に伝えるべきことでしょう。また在日内国人も民間冒険者に、というお話ですが、ダンジョン・バスターズは政府に要望する立場にはありません。私たちは政府から依頼を受けることはあっても、政府に依頼することはないのです。そのようなことをすれば、いらぬ誤解が生まれるからです。民団は、立憲民政党を支援していると聞いています。そちらの方に要望を出すべきでしょう」
李氏も最初から無理とわかっていたらしく、素直に頷いた。恐らく、働きかけたという事実が欲しかったのだろう。岩本とは別の機会で酒を飲むことを約束して、この面談は終わりとなった。
『あの国もなりふり構っていられなくなっているのよ。国内はパク大統領支持派と反対派で分裂しているし、経済は悪化の一途を辿っている。このままでは大氾濫前に、国家が崩壊しかねないわ』
Web会議システムを通じて、石原局長と話をする。民団からの要望には、石原も呆れていた。どうやら外務省や防衛省にも似たような話が来ているそうだが、すべて突っぱねているそうだ。
『すべては選挙後よ。ダンジョン省が設置されれば、そうした話はすべて一元して引き受けるわ。それで、次のターゲットとなるダンジョンだけれど、どこを討伐するつもり?』
日本国内に残っているダンジョンは北から、仙台、鹿骨、名古屋、大阪、広島、博多、都城の七箇所である。これらはすべて、第一層の魔物の調査を終えており、大体のランクが判明していた。
「優先順位が高いのは、仙台と広島、都城だ。おそらくBランクダンジョンだろう。博多はD、名古屋はC、そしてA以上が鹿骨と大阪だ。そこで、まずは広島から潰す。おそらく仙台よりは楽だからだ」
『了解したわ。そうそう、名古屋だけれど貴方たち以外の討伐者が、かなり奥まで進んでいるわ。しかもたった独りで…… 驚いたことに、すでにCランクになっているそうよ。名前は佐藤蒼汰、知ってる?』
「アイツか……」
俺は目を細めて頷いた。日本国内で最初のダンジョン犠牲者となった父親の仇を討つため、Sランクである大阪ダンジョンに挑もうとしていた。だが些か、先走りする傾向があった。若さゆえなのだろうが、もしダンジョン討伐者の称号を得たら、そのまま大阪に乗り込みかねない。
『貴方のことだから、バスターズに誘うのかと思っていたけれど、放置でいいの?』
「様子は見ておいてやってくれ。各ダンジョンにカウンセラーも常駐しているし、変な気は起こさないだろう。それに、名古屋ダンジョンはCランクだ。単独討伐は不可能に近い。攻略が停滞した段階で、バスターズが手を貸してもいい」
ダンジョン・バスターズだけが、ダンジョンを討伐するという決まりはない。クルセイダーズと同様、他にもダンジョンを討伐しようというチームがあってもいい。だが石原には別の意見があるようだ
『国の立場で考えれば、超常的な力を持つ討伐者はできるだけ一元管理したいのだけれど。まだ精神的に若い人が、強い力を持ってしまうのは危険だと考える人もいるのよ?』
「二〇歳を過ぎた成人だから本人の自己責任…… というわけにもいかないか。いずれ、佐藤蒼汰とは改めて話をするつもりだ。彼を含め、他の冒険者の様子にも気を配ってくれ」
「ダンジョン冒険者の社会的位置づけ」という問題が、いよいよ浮上し始めていた。
【新小岩駅 木乃内茉莉】
私はいま、新小岩駅の改札口近くにいます。今日これから、私は「初体験」をします。相手は同じクラスの山岡慎吾くんです。慎吾くんからは、前に告白されたことがあります。あのときは断りましたが、それから彼はダンジョン・バスターズに入って、私と一緒にダンジョンに潜るようになりました。私のことが好きだって、まっすぐに言われて、ちょっと戸惑っています。
(茉莉、そろそろ返事しなきゃダメよ。慎吾くんは本気で貴女のことが好きなのよ? だったら、一人の女としてちゃんと返事をしなきゃダメ。このままでは可哀想よ)
お母さんからそう言われました。エミリちゃんからも、どうするのか決めろって言われています。挙げ句は、新しく加わったセニャスちゃんからも
(茉莉お嬢様、僭越ながら申し上げますが、殿方をいつまでも苦しめるのは、淑女たる方の振る舞いではありません。健全な男子ゆえに性獣ではありますが、お嬢様に対する気持ちは本物と見受けました。ならば正面から、バッサリとお断りなさり、トドメを刺すべきでございましょう)
なんで断ることが前提なんだろうと思いましたが、ちゃんと返事をしなきゃダメだと思い、これから初めて、男の人と二人でデートをします。うぅ、ちょっと緊張します。
「茉莉、待たせてゴメン!」
慎吾くんが来ました。革のスニーカーにジーンズ、Tシャツと麻のジャケットを着ています。ちょっと格好いいです。ダンジョン・バスターズに入ってから、慎吾くんはみるみる変わりました。これまではただのクラスメイトだったのに、最近は他のクラスの女の子や後輩からも告白されているそうです。でも全部断っているって聞いています。そんなに、私なんかが良いのかな?
「行こう」
そう言って手を差し伸べてきました。少し迷って、そして手を取ります。顔が少し赤くなってるのを感じます。慎吾くん、いつの間にか逞しくなってるよ。
錦糸町のショッピングモールにある映画館で映画を見て、それからちょっと高級なランチを食べました。モールの近くにあるイタリア料理店です。私も慎吾くんもダンジョン・バスターズでアルバイトをしていますが、もらったお給料は全部親に渡され、そこからお小遣いを貰っています。私の場合は月額一〇万円、慎吾くんは一五万円だそうです。去年の今頃では考えられないような大金です。
「バイクが欲しいんだ。だから貯めてる。茉莉は?」
「私もそうかな。使いみちないよ。あ、でもケーキには使ってるかな」
ダンジョンのことや学校のこと、あとはプライベートのことを色々と話します。なんだろう。慎吾くんから、カズさんのような余裕を感じる。「慎吾くん、変わったよね」と聞くと、嬉しそうに笑いました。
「俺は、カズさんのような男になりたいんだ。ああいう大人になりたい」
「どうして? 彰さんとか寿人さんとかも格好良いと思うけど?」
バスターズの人たちは、みんな優しくて、それでいて頼もしさがあります。正直、学校のクラスメイトを見ると「子供だな」って思ってしまいます。
「彰さんも正義さんも寿人さんも、バスターズの男たちはみんな格好いいよ。それぞれに目指すものがあって、それに命を懸けている。でも俺は、カズさんのような強さが欲しいんだ。みんなを引っ張りながら、最前線で未踏のダンジョンに切り込んで討伐していく。きっと、凄いプレッシャーを感じているはずなのに、それに耐えている。あの背中を見ていると、自分もああいう大人になりたいって思うんだよ」
「うん」
前に一度、お母さんとカズさんと三人で買い物に行ったことを思い出します。こんなお父さんが欲しいなってちょっと思いました。もし慎吾くんがカズさんみたいになったら、嬉しいかな。
「あ、カズさんにお土産買っていこ。いつもお世話になってるから、なにかお礼したいわ」
「いいね。買いに行こう」
お店を出ると、普通に手を繋ぎました。
【錦糸町 ショッピングモール 街角料理TRY】
民放で日曜日に放送されている「街角料理TRY」の収録が、錦糸町のショッピングモール「フュージョン」のテラスで行われていた。若い女性にターゲットを絞って、料理を作ってもらうという番組だが、テレビに出るのを嫌がる女性もいるため、声を掛けるのも一苦労であった。
「おい、あのカップルなんてどうだ?」
ディレクターが指をさす。手をつないで歩く十代の男女だが、存在感が異質であった。手を繋いで二人で笑っている姿はまるでドラマの一場面のようで、そこだけ異空間になっている。通り過ぎる中年女性たちが、二人に見惚れていた。アレは画になる。さっそく、声をかけようとすると、悲鳴が聞こえた。振り向くと包丁を手にした男が暴れている。
「マズイ!」
「カメラ!」
男が何かを喚いている。「どうせ世界は終わりなんだぁ!」などと聞こえた。喚きながら人々を切りつけ、そして刺していく。皆が逃げ惑う中、先程のカップルが進み出てきた。男の雰囲気が違う。さっきまでの幸せそうな十代から、まるで歴戦の戦士のような表情に変わっていた。
「アァァッ!」
叫びながら包丁を振り回して斬りかかってくるのを軽くいなして、腕をとって軽々と投げ飛ばす。そして背中に乗って腕を捩じ上げた。
「茉莉、怪我人に回復魔法!」
「うん!」
人気アイドルが裸足で逃げ出すほどの美少女が、血を流して倒れている人たちのところに向かう。手をかざすと薄っすらと光り、そして刺されて倒れた人が起き上がった。
「おい、カメラ回しているか?」
「はい! あれって、魔法ですよね?」
あの二人は、恐らくダンジョン冒険者だ。世界初、地上で魔法が使用された決定的なスクープだ。数分して警察と救急車が駆けつけてきた。
【警視庁本所警察署 木乃内茉莉】
包丁を振り回していた人を捕まえ、怪我人を回復させた私たちは、そのまま警察署まで連れてこられました。詳しい話を聞きたいとのことですが、お母さんに電話することを許してもらえました。警察署に来るのはこれで二回目です。私って結構、アブナイのかな?
「『ダンジョン冒険者の犯罪に対する特別法』では、ダンジョン冒険者は地上で魔法を使用してはならない。ただし正当防衛や救助などのやむを得ない場合は、その限りではない、とされているわ。慎吾も茉莉も、他者を助けるためにやむを得ず戦い、魔法を使用した。法に照らしてもなんの問題もないはずよ?」
「も、もちろん理解しています。ただこちらとしては状況を聞きたいだけです。事情聴取が終わり次第、お帰りいただいて構いません」
お母さんと一緒に来たのは、なんと天音さんでした。キリリッとした冷酷な表情で警察署の人に詰め寄っています。見ている私も、気の毒に思えるくらい怖いです。でも振り返って私に向けた表情はとても優しくて、良くやったわと褒めてくれました。
一通りの聴取が終わると、もう日が暮れていました。せっかくの初めてのデートだったのに、台無しです。でも楽しかったです。今日という日は忘れません。慎吾くんが「埋め合わせするから」と申し訳無さそうに言ってきたので首を振ってこう応えました。
「格好良かったよ。今度は、彼氏としてデートに誘って」
慎吾くんは顔を赤くして、そして嬉しそうに頷きました。ちょうどいいタイミングでお母さんが来たので、あとは警察の人が車で自宅まで送ってくれます。でも最後に一騒動。警察署を出ると、マスコミの人がたくさんいました。うぅ…… 明日からが憂鬱です。




