第016話:冒険者登録、そして初クエスト
俺の名は「岡村武志」、陸上自衛隊東部方面隊横浜ダンジョン施設団に所属する陸士長だ。一等陸士の山本と共に、ダンジョン冒険者登用試験の試験官を務めていた。この試験の目的は、戦闘力を見ることではない。ダンジョンという未知の異空間に入り、魔物と殺し合う覚悟があるかどうかを見極めることだ。そして俺が見る限り、その覚悟を持つ者は2人しかいなかった。
「山本は受験者を連れて入り口に向かえ! 俺がここを食い止める!」
「そんな、岡村さん! 一人で止めるなんて無理ですよ!」
「早く行けぇっ!」
俺は後輩の山本を突き飛ばし、さっさと逃げろと叫んだ。ダンジョンなどという訳のわからないところだとは言え、俺は陸上自衛隊員だ。国民を護るため戦わなければならない。カードガチャで手に入れた1本のナイフを手に、飛び跳ねてくる魔物の前に立った。
(ここが死に場所か……)
「試験続行ってことで良いかな?」
腹を括った俺だったが、そのとき左側から声が掛けられた。空手世界チャンピオンの「宍戸彰」である。そして右側からも声が掛けられる。
「俺が一番の年長者だからな。それに、試験もまだ終わってない」
先程、魔物に襲われた女性に冷たすぎる言葉を吐き捨てた「江副和彦」であった。
「岡村さん、でしたね。あなたも退いてください。魔物はまだ出るでしょう。怪我人を運びながら戻るには、あなたが必要なはずだ。ここは俺が引き受けます。宍戸さんも、逃げていいですよ?」
「ご冗談を! こんな楽しめそうな状況、見逃せるはず無いじゃないですか!」
なんなのだ、この二人は? いや、頼もしい男たちが残ってくれた。これなら食い止められるだろう。やがて1匹が、宍戸に飛びかかってきた。宍戸は右脚を高く挙げ、そして一気に落とした。
「ハイィィィィィッ!」
ウサギの頭がグシャリと潰れ、そして煙となった。見事な踵落としである。
「へぇ、血は出るけど、倒したら返り血も全部煙になるのか。こりゃ汚れを気にしなくていいな。で、江副さんは……はぁ?」
そして俺は見た。「パァンッ」という音と共に、4匹のウサギ型魔獣が、同時に破裂し煙となったのを……
10年間、ずっと退屈だった。試合をしても勝って当たり前。大して努力もせずに、神明館の最高段位にもなれた。他人は僕を天才というが、片手間でできるようになってしまうということは、夢中になれるものが無いということだ。何をしても燃えない。何をしてもつまらない。僕は、強さの頂点に立ってしまった。そう思っていた。だが、それは思い上がりだった。
「いや、可怪しいでしょ? 正拳対角四連突きなら解るけど、四方向同時突きなんて人間業じゃないよ! アンタ、いったい何者なんだよ?」
どんなに修練を重ねても、人間の肉体には医学的限界というものがある。関節の同時可動により、一発だけならかなりの速度で突くこともできる。だけど、殆ど同時とも思えるほどの速さで四連突きをするなど、人間には絶対に不可能だ。筋肉や関節といった肉体の作りがそうなっているからだ。
「宍戸さんも、いずれできるようになりますよ。こんな程度で驚いていたら、この先ダンジョンで戦えませんよ?」
なんだろう。なんだか凄い説得力がある。でもこの人も、今日が初ダンジョンだよね? なんでそこまで言い切れるんだろう。だけど、そんな疑問の前に……
「チェストォォォッ!」
飛びかかってきたウサギに正拳突きを叩き込む。うん、普通のウサギと同じだね。これなら楽勝かな。
「岡村さん、ここは僕たち2人で大丈夫です。他の受験生を先導してください」
いや、ひょっとしたら僕も要らないかもね。江副さん1人で十分のような気がするよ。
〈いま、第三班が出てきました。あぁっ! 物凄い血まみれです。女性と思わしき人が、血まみれになっています。いったい、何があったのでしょうか?〉
〈怪我人の名前は「岡山亜由子」さん、年齢26歳です。同じ班の受験生は、岡山さんは突然、『魔物は保護すべきだ』と叫び、両手を広げて近づいたところを襲われたと証言しており、魔物からなんらかの精神的な攻撃を受けて、錯乱状態にあったのではないかとの話でした〉
〈第三班の撤退では、神明館世界大会の優勝者である「宍戸彰さん」が残り、魔物を食い止めました。また宍戸さん以外に、もう一名がダンジョンに留まり、魔物と戦い続けたと〉
俺と宍戸は同じ部屋で、ボーとテレビを見ていた。今日の二次試験は、夜の報道番組でもトップで扱われている。女性が錯乱して魔物に近づいて喰い殺されかけたというニュースは、国会でも与党追及の材料となっているそうだ。
〈自衛隊は何をしていたのでしょうか。目の前で国民が死にかけていたんですよ?〉
〈確かに。ですが、これまで政府も自衛隊も繰り返し繰り返し、自己責任だと伝え続けてきました。本日の受験生は、試験中にどのような怪我をしても、あるいは落命しても政府、自衛隊の責任を問わないという誓約書にサインしています。気の毒ですが法的には、彼女自身の責任ということになるでしょう〉
〈しかし道義的責任というのがあるでしょう。そもそも政府が「民間冒険者募集」なんてしなければ、こんなことには……〉
「身勝手なものだね。そもそも民間開放を主張してたのは国民の方なのにさ。ダンジョンが危険だと認識した途端に掌返してコレだよ。第四班以降の試験は、明日以降に持ち越しだそうだよ?」
テレビを観ながら、宍戸がメインキャスターの言葉を嘲笑う。俺も同意見だが、そんな有象無象の声など気にしていられない。ダンジョン冒険者制度が無くなれば、10年後の破滅に一歩近づくことになる。
「せめて俺だけでも、ダンジョンへの立ち入りを許してほしいものだが……」
「ちょっとぉ、そこは『俺たち』でしょ。僕だってダンジョンに入りたいよ。野生はいいねぇ。久々にヒリついた戦いだったよ。それに、江副さんにも興味あるからね」
「……お前、ホモか?」
「違うよっ! 江副さんの『強さ』に興味あるんだよ! 僕より強い人なんて初めて会ったよ。江副さんは、いったいどこで修業したんだい?」
二次試験ではダンジョンへ続く扉に触れることは許されなかった。冒険者登録をする者だけがステータス表示の機能を持つことができる。宍戸は俺のステータスを見ていない。だが戦いぶりから自分より強いと察したようだ。俺の見立てでは、宍戸はDもしくはEの上位といったところだろう。ダンジョン・バスターズに欲しい人材だ。
「まぁ、色々と事情があってな。詳しくは話せないんだ。それより、お前はどうして冒険者になろうって思ったんだ? 世界チャンピオンなら、そっちの方がカネになるだろ?」
すると宍戸は、笑って首を振った
「別にお金にも世界チャンピオンにも興味ないよ。僕はね、強くなりたいんだよ。強くなって、その力を存分に奮える『熱い戦い』がしたいんだ。人間相手はマズイけれど、ダンジョンの魔物なら問題ない。今日のウサギで決めたよ。たかがウサギが人間を喰い殺そうと襲ってきた。あんなのがウジャウジャいると思うと、ワクワクするね!」
「戦闘狂だな。面白い奴だ」
「そういう江副さんはどうなんだい? どうして、冒険者になろうと?」
「俺が目指しているのはダンジョン冒険者じゃない。ダンジョン討伐者だ。ここから先は……」
聞きたいのなら仲間になれ。そう言おうとした時に扉が叩かれた。そして試験官だった岡村さんと山本さん、そしてその上司と思われる50代らしき男が入ってきた。
「東部方面隊横浜ダンジョン施設団長『葛城政彦』陸将補です。この度は、大変なご協力を頂き、感謝に堪えません。つきましては2人にはぜひ、日本国初の『ダンジョン冒険者』となっていただきたく、試験合格のお知らせとともに、ここに資格証をお持ちしました」
俺と宍戸は立ち上がって、資格証を受け取った。顔写真が入っていて、まるで運転免許証のようだ。葛城陸将補は、資格証を手渡すと話を続けた。
「実のところ、ダンジョン冒険者制度の今後は不透明です。今回の事故により、世論の風向きが変わるかもしれない。そこでなんとか、民間登用制度が有効だということを示していただきたい。誠に勝手なお願いではありますが、これは浦部総理からの伝言でもあります」
「僕は別に構わないよ。あんな戦いができるのなら、いくらでも引き受けちゃう」
「ダンジョンに入るのは、元よりそのつもりでしたから問題ありません。ですが一点、確認を…… どうやって、民間登用制度が有効だと証明するのですか?」
葛城陸将補の指示で、山本さんが書類を差し出してきた。見ると何やら数字が書かれている。
「この数字は、日本国内の年間消費電力のうち、水力や風力発電を除いた化石燃料および原子力発電を全て水素発電に置き換えた場合、どの程度の魔石量が必要かを示したものです。日本の年間消費電力はおよそ1兆キロワット。そのうち水力や風力、太陽光は一四%程度です。つまり8500億キロワットを魔石による水素発電システムに置き換える。これが政府の方針です」
思わず笑ってしまった。笑わざるを得ないほどの量なのだ。こんなのを二人でどうやって補えというのだ?
「当面目標は、年間魔石量300トン以上か…… しかもこれで100万キロワットの発電所1基分だ。水素ステーションだのなんだの、エネルギー自給率を100%にするのなら、これの何十倍も必要になる。ちなみに、第一層のウサギを倒した時に出現する魔石は平均で何グラムなんですか?」
「……3グラムです」
「となると年間で、ウサギ1億匹以上を倒さなければなりませんね? たった二人で、そんな調達が可能だと思いますか?」
「難しいでしょうな。ですからお二人には、現在、つくば市で建設されている水素発電所に必要となる魔石を確保していただきたい。これまでのような天然ガスと混合させるのではなく、水素100%による発電が可能です。試験運転ですが、これが上手くいけば、ダンジョンの民間開放が大きく進むでしょう」
「必要な量は? それと、期限も」
「最低でも100キロは欲しいです。つまり、第一層の魔物であれば、3万3千匹以上ですね。期限は、地上時間で2週間です」
「ダンジョン時間では5年半か。いいでしょう。その依頼、引き受けます」
「ちょっと、江副さん? そんな安請け合いして……」
「俺と宍戸で、ダンジョン時間で1日400匹を狩れば84日で終わる。地上時間ならば1日も掛からん」
「400って……」
「いいから、俺に任せておけ。葛城陸将補、お引き受けするにあたって、こちらも幾つかお願いしたいことがあります。宜しいでしょうか?」
「どうぞ。我々にできることならば、可能な限りお聞きします」
「まず絶対条件として、俺たちが入っている間は、誰も横浜ダンジョンに入らないでほしい。そうですね。最低でも3日間。この間は、第一層入り口の空間も含め誰も入らないこと。これが絶対です」
葛城は少し考えて頷いた。もともと地上時間とダンジョン時間の違いによる給与額の問題から、民間人登用の検討が始まったのだ。数日程度なら、民間人二人が独占しても構わない。
「二つ目、これは魔石の買取額です。グラム100円の買い取りということでしたね? つまり100キロなら1千万円だ。これは守っていただきたい」
「それは大丈夫です。自衛隊の名誉にかけて約束します」
「では最後に、これから見聞きすることは、口外しないでいただきたい。そのための誓約書にもサインをしてほしい。後ろの二人も同じです」
「どういうことでしょう? 私は、口が堅いほうですが……」
俺は自分の荷物入れから「魔法の革袋」を取り出し、その中から守秘義務契約書と「誓約の連判状」を取り出した。江副和彦に関する情報を秘密とし、他者には漏らさないこと。この誓約書を守ること。この約束が書かれた羊皮紙にサインしてもらう。
「宍戸、お前もだ。俺の強さの秘密を知りたいならな」
そう言うと、宍戸は喜々としてサインした。漏れがないことを確認した俺は、念のために用意しておいたカードを取り出した。それが何なのか、自衛隊員の三人はすぐに理解したようだ。UCのハイ・ポーションのカードを机に置き、俺は真面目な顔になった。
「大阪梅田にダンジョンが出現するより36日前、東京都江戸川区鹿骨町に世界初のダンジョンが出現しました。Aランクダンジョン『深淵』です」
「え? ちょっと、江副さん何を……」
戸惑う宍戸を無視して、俺は葛城に向き合った。非常に厳しい表情を浮かべながら、陸将補は呟いた。
「まさか、君は……」
俺は頷き、正体を明かした。
「俺の称号は『第一接触者』、人類で初めてダンジョンに接触し、そして今日まで続く一連の騒動の発端をつくった男です」
私の名は葛城政彦、陸上自衛隊の陸将補として、横浜ダンジョンを監視する施設団の団長を務めている。私は、今日のことを生涯忘れないだろう。その男の話は、それほどに衝撃的だった。
「ここが、世界初のダンジョンかね? 何やら……」
「普通の部屋に見えますか? あの扉を見てください。同じでしょ?」
5人が円になるように立ち、隣同士で手を取った瞬間、私たちは見知らぬ部屋の中にいた。広い部屋だが床が板張りで、パーテーションや机などがあり、普通の部屋のようにも見える。だが部屋の奥に取っ手のついた扉がある。確かに、横浜ダンジョンと同じ作りだ。
「この上は、俺の自宅です。今は改装工事をしていますから案内はできませんが、いずれ仲間たちを集めて、ダンジョン討伐者の組織を結成したいと考えています」
「それで、君の言葉をどうやって証明するのだ? ここが初めてのダンジョンだと……」
私がそう聞くと、江副はステータス画面を表示した。
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【名 前】 江副 和彦
【称 号】 第一接触者
種族限界突破者
【ランク】 C
【保有数】 0/∞
【スキル】 カードガチャ(0)
回復魔法
誘導
転移
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「人類の限界はランクDまでです。ですが魔物を倒すことで発生する煙を吸うことで、肉体の強化速度が高まり、やがて種族としての限界を超えられます。俺の感覚ですが、宍戸はDに近いEってところですね。つまり弱い」
そう言われた宍戸は、嬉しそうにしている。なるほど、確かにステータス画面には「第一接触者」とある。スキルが六枠もあるのも気になるが、それ以上に気になっているのは机の奥にある壁一面の飾り棚だ。ケースに入ったカードが並べられている。
「俺は約半年間、このダンジョンで戦い続けてきました。カードガチャも数え切れないほどに回しましたよ。ちなみに横浜ダンジョン第一層の魔物はFランク、それもかなり弱いやつです。カードガチャをやったところで、殆どが『Common』だったんじゃありませんか?」
「その通りだ。だがそれでも、ポーションなどの未知の薬品に、我々は色めき立った。まさか、これほどの種類があるとは……」
「これもごく一部ですよ。そうだ、一つお渡ししたいものがあります」
そう言って、江副は飾り棚の下部にある引き出しを開け、1枚を取り出した。
「これはRareカード『エクストラ・ポーション』です。欠損部分を回復させることができます。今日の事故で、あの女の子は鼻が欠損したはずです。これを使って、回復させてあげてください」
そう言って、カードを差し出してきた。裏面の説明書きを読む。
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【名 称】 エクストラ・ポーション
【レア度】 Rare
【説 明】
不治の病や欠損部位なども完全回復させる
最上級のポーション。無味無臭。
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「この1枚だけで、下手したら戦争になるな。君が厳重に守秘義務契約を結んだ理由がわかる」
「あの契約書もダンジョンアイテムです。一度サインをした以上、話したくても話せませんよ? もちろん、私は陸将補を信頼していますが、ついウッカリということもありますからね」
私は頷き、そして納得した。ここが最初のダンジョンかどうかなど、もうどうでも良い。目の前の男は決して逃してはならない。日本国の未来のためにも、この男は絶対に必要だ。この男が日本国、そして自衛隊に協力するのであれば、我々もまた骨を折ってやろうではないか。
江副さんのことは只者ではないと理解っていたけど、僕の予想の斜め上の遙か上空を超音速で飛んでいたよ。まさか本当に人間じゃなかったなんてね。いや、人越者と呼んだほうが良いのかな? とにかくもう決めたよ。僕は江副さんが集めているっていう「ダンジョン討伐者」になる。この人と一緒なら、ヒリヒリした戦いを日常的に味わえるんだよ? 最高じゃん!
「ねぇ江副さん。できれば今日からでも、ココで修業させてほしいんだけど?」
「ダメだ。俺たちはこれから横浜ダンジョンに戻る。忘れたのか? 魔石3万個を集めなきゃいけないんだ」
あー、興奮してすっかり忘れてたよ。あのチマチマした小石を集めるのって、面倒だなぁ~ そう思っていたら、江副さんがみすぼらしい袋を取り出した。
「これはダンジョンアイテム『怠け者の荷物入れ』といってな。ドロップアイテムを自動的に回収してくれる。これを使って魔石を集める。限界までウサギを狩り続け、ここに戻って休む。そしてまたウサギを狩る。これを延々と繰り返すぞ。なぁに、心配は無用だ。あの程度ならそう遠からず、3時間で300匹を1人で狩れるようになる。2人で600匹だ。1日15時間としたら3千匹、ダンジョン時間で10日で終わる」
僕の顔はきっと引き攣っていたと思うよ。この人、そんな戦い方を半年間も続けてたのか。そりゃ強くなって当然だね。ひとまず一旦、横浜に戻って自衛隊の人たちを送り届けることにした。ダンジョンで待つと言ったら「1分が2時間半になるがいいのか?」と聞かれた。うん、僕も行くよ。
望外の展開に、俺は安堵した。自衛隊の陸将補といえば、相当に地位が高い。それを味方につけることができたし、思わぬ拾い物もあった。宍戸彰という男は面白い。ダンジョンに入る動機は、ある意味で純粋だ。強くなりたいというのだからな。
横浜から一旦、マンションに戻る。シャワーなども浴びておきたかったからだ。宍戸とは横浜のダンジョン施設で待ち合わせることにした。明日の10時に、俺たちは横浜ダンジョンに入る。食後、一旦は深淵ダンジョンに戻った。朱音たちに事情を説明するためだ。
「和彦様、私たちもお手伝いいたしましょうか?」
「いや、レジェンドカードの存在は、まだ自衛隊には知られたくない。万一にも、安全地帯に人が来ないとも限らないんだ。俺と宍戸だけでやる」
「まぁ、主人なら余裕よね。でも気をつけてね。カードになっている時に感じたけど、あの宍戸って男、主人と戦いたがってたわよ?」
「理解っている。悪いやつじゃないんだが、少し戦闘狂のところがある奴だな。軽い手合わせなら付き合ってやるさ。ちゃんと説明して方向づけてやれば、アイツは強大な戦力になるだろう」
メリケンサックやテーピング、そして自分の装備類などを「魔法の革袋」に入れる。食事や水なども用意した。万一のために、通常からエクストラまで、ポーションを2本ずつ用意しておく。必要になれば、ガチャを回せばいい。
「さて、では行くか」
安全地帯の時間を止め、俺は横浜ダンジョンへと向かった。




