Chapter9 愛しい愛しい
最終回です。まだ不十分です。だから短編を・・・リクエストあればできる限り答えたいです。
「おーい!!」
うるさい。
ミントが呼んでる。
「うるさくて悪かったな!!会わせないよ?」
・・・
「すみませんでした」
くそー。勝てない。
ブランカを出されたら・・・
会ってしまったらコイツ潰す。ブランカに何を言われようとも・・・
「で?なんだよ」
「今日来るってよ」
「ふ〜ん」
「反応薄いな」
「あ、知り合いが来るから」
「あ、アイツ?」
知ってたのか・・・
ちっ・・・
「・・・」
「どうした?」
「もう・・・あんな事無いよな?」
「あんなこと?」
なんのことだ?
何を・・・
「アンタが・・・死ぬってこと」
「!!」
いつも明るい奴が暗くなるとなんかおかしい。
「誰かが傷付くのは嫌だ」
「・・・」
「親友の未来の旦那なら特に・・・」
コイツ・・・バカやってるようでちゃんと考えてんだな。
「遅れた・・・」
「アンタが!!」
「落ち着けミント!!」
「誰だ?」
僕はミントを押さえるのに必死なのに、ヨメナは気軽に頭を掻いてる。
こっちの身にもなりやがれ!!
「ミント?」
「「「!?」」」
ドクン。
懐かしい声・・・
少し幼いけど・・・
脈拍が上がってる。
背後から聞こえた声に動揺してる。
「あ〜久し振り!!ブランカ」
「うん!!」
「あ・・・」
声が出ない。
会いたくて仕方が無かったのに・・・
触れたい。
ブランカの髪は、未来よりも短い。同じ藍色で優しい雰囲気や笑顔は何も変わらない。
「・・・だれ?」
ズキッ。
苦しい。
分っていたことなのに・・・
ブランカは僕を知らないって分ってたのに・・・
「初めまして・・・俺は西尾ヨメナ。創始者でありお前らをこの世界に飛ばした」
「・・・貴方が」
「嫌ってくれても構わない」
「いいえ・・・ミントに会えたから私は幸せです」
「!!」
相変わらず変わらない可愛い笑顔だ。
ヨメナは普通だった。能力が効いてるみたいだ。
「ありがとな・・・全然惚れねーや」
ボソッと僕に話し掛けたヨメナ。
やっぱり、効いてるんだな。
「初めまして・・・?」
「あ、あぁ・・・僕は相原・・・」
「アザミくん・・?」
「え・・?」
「なんか・・・スッと入ってきたの」
入った?
ヨメナがなんかしたんだろうな。前に話してたし・・・
でも、記憶は無い。
一緒にいた記憶。
「アザミくん?」
「んでもねーよ」
「アザミくん・・・私が嫌い?」
「なっ・・・」
「だって・・・何となく」
「逆だって!!」
「逆?」
「むしろ・・・好きってことだろ」
・・・僕の顔は赤いだろうな。
ブランカも赤い。
記憶が無くてもブランカはブランカだ。
それ以上でも、それ以下でも無い
「ブランカ・・・」
「なにかな?」
「住むとこある?」
「あ・・・」
「あ、アタシ・・・」
「黙れガキ・・・」
「なっ!!」
「アザミ自身がブランカに聞いてんだろ?理由考えろよ」
「あ・・・」
ボソボソと話してるけど、僕には聞こえてる。
っ・・・ケンカ売ってるのか?
「・・・一緒に住まわないか?」
「え・・・」
「安心しろって!!未来のブランカは一緒に住んでたらしいし!!」
「ミント・・・本当?」
「うん!!」
「そうだ・・・一緒にいたんだ・・・ずっと」
なんともないように振る舞ってるけど辛そうな表情になってるぞヨメナ。
「じゃあこれからよろしくね!!アザミくん」
「あぁ・・・たっぷり働いてくれよ?ブランカ」
「「アザミ〜〜!!」」
「ふふ・・・何か作る?」
やっぱりブランカは温かいな。
僕がどんなこと言っても困ったりしない。
だから甘えることが出来るんだな。
「取り敢えず焼きソバ作れ」
「うん!!」
愛しい。
もう・・・イラついたりしない。
まぁ・・・ブランカを好きになる奴が現れたら潰すけど。
この能力使って記憶消してやるしね。
その前に、会った男全員に能力を使うし。
「『ブランカに一生惚れるな』」
今まで読んでくれてありがとうございます。前書きにも書きましたが短編を続けます。