Chapter8 親友ってなんだろう
会えると分ったらスグに会いたいという気持ちになる。一緒にいたいと・・・親友って、こそばゆいよね。くすぐったいって感じ
あの女・・・ミントだっけ?
アイツが来るなら今日はサボる。
アイツとは相性が合わない。
「・・・ん?」
あー。
今時いるんだなぁ。
ガリ勉少年・・・
めんどくせーけど助けるか・・・
「お―――」
「・・・俺を甘く見たのか運の尽きだぜ」
話し掛けようとしたら、ガリ勉少年(仮定)は地を這うような低い声を出した。
ガキの声じゃねーだろ。
「『止まれ』」
!?
コイツ・・・
能力者?
まさか・・・未来の親友?
「ふぅ・・・だから構わなければ良かったのにな・・・・・ん?誰だ・・・」
こっちに気付いた。
さあ、どうする?
「『今、見たものを・・・』」
「意味ねーから」
「・・・?」
「僕も能力者だから」
「!?」
やっぱり知らないんだな・・・
ってことはブランカでも・・・
「・・・アンタ」
「僕は相原アザミ・・・」
「・・・俺は西尾ヨメナ」
また花の名前か・・・
僕といい、コイツといい女っぽい名前だな。
「・・・能力者」
「それに・・・アンタが僕達をこの世界に飛ばしたのも知ってる」
「!!」
「アンタの未来に教えられたから」
「・・・俺の?」
「・・・先月会ったんだ」
「・・・」
「信じられないなら・・・」
「いや、信じるよ・・・俺なら出来るしな」
ホッとした。
信じてくれなかったら・・・とか考えてたから。
「あとなんか言ったか?」
「・・・し、親友になるって」
うわ〜照れくさい!!
親友なんて言葉を使ったの無いよな?
「・・・親友」
「い、嫌だっか?」
「・・・いいや。初めてかもな親友なんて言われたの」
「・・・僕も・・・・あ、そうだ」
「ん?」
「未来のお前と約束したんだ」
「・・・約束?」
「・・・未来を変えるって」
「・・・」
「だから、僕が何を言っても変に思わないで」
「あ、あぁ・・・」
ヨメナは眼鏡を掛け直した。
未来のアイツは眼鏡してなかったよな?
見た目と性格のギャップが凄いな。
「・・・『ブランカに一生惚れるな』」
「???」
「僕の未来の妻らしいんだ」
「へぇ・・・」
「でも、君が惚れたせいでおかしくなったみたいだ」
「俺が・・・」
「それで・・・」
「???」
「僕を殺したんだ」
「!?」
「・・・」
「・・・・君の答えはそれなんだね」
「え・・・?」
「・・・試させてもらった」
「まさか・・記憶・・・」
「ふっ・・・未来の俺なんていないんだ」
「どういう・・・」
「俺は未来へ行ったのでは無いんだ・・・」
「でも!!」
ヨメナは眼鏡を外した。
あ、コイツ・・・
白いスーツの奴だ。
なんで気付かなかったんだ?
未来の僕を殺したんじゃ・・・
「たしかに俺はお前を消した。だけど・・・俺は創始者だから」
「はい?」
また突拍子なことを言い出したよコイツ。
「・・・お前らは俺の子孫なんだ」
「・・・え」
「俺は・・・ブランカの能力も使える」
「!!」
「お前らは、俺の能力を受け継いだんだ」
「・・・でもブランカに」
「愛してたのは確かなんだ」
またズキッとなる。
親友と取り合うなんて嫌だ。
「俺は年を取らないし死ねない・・・つまり不老不死だ」
「・・・でも未来のお前は?」
「・・・さあ?」
「はい!?」
また頭が痛くなってきた。
「・・・でも、もう好きにはならない。お前が能力を使ったから」
「普通・・・効かないんじゃ」
「いや・・・“言葉”だけなら俺より強い。だから俺には、お前の呪縛を解けなかったし、お前は俺の呪縛を解いた」
「あれは・・・無我夢中だったし・・・」
「それでも解いたんだ・・・」
「お前・・・これからどうすんの?」
「・・・考えて無いな」
「・・・来月ブランカ来るんだってよ」
「へぇ・・・だから?」
「学園生活も良いなって」
「・・・」
うわ〜。めんどくせーって面だ。
分るけどさ・・・
「・・・住むとこねーや」
「僕の家デカいから」
「どうせブランカと住む気だっただろ?」
!?
何で分ったんだ!!
赤いな顔・・・
くそー!!恥ずかしい。
「適当に探すさ」
「そう・・・」
「ブランカ来たら・・・会わせろ。多分、記憶戻るかもしれねーし」
「あぁ・・・」
早くブランカに会いたいなと、そう思っている。
誰かを待つなんて考えた事無かった。
あの時の自分は、ただがむしゃらに生きてたんだ。
次らへんが最後ですね。短編では、未来編で変わる前のストーリーとか(ラブラブな話)