Chapter3 彼女の影
いきなりが多いです。少し謎が謎を呼んでくる。
「待ってアザミくん!!」
なんで追って来るんだよ。
着いて来るなよ・・・
「お願いがあるの・・・」
「んだよ・・・」
「・・・」
また赤くなったし・・・
何なんだよ・・・
「アザミくんの家に住まわせて!!」
「はあ!?」
な、何言ってんだよ・・・
一応だけど、僕は一人暮らしだ。
それなのに・・・
「・・・何で?」
「わ、私・・・家が無いの」
そんなの有り得ない。
多分・・・家出だな。
オロオロしてるし・・・
「ダメだ」
「はぅぅ・・・」
「昨日まではどこに居たんだよ」
「・・・・公園」
「はあ?」
アホなんじゃねーか?
外だなんて・・・
「あぶねーだろ!!」
「うぅ・・・ごめんなさい」
「何考えてんだよ!!」
「・・・だって」
「だってもくそも無いだろ!!」
「・・・無いの」
おかしい・・・
無いなんて・・・
家出という感じじゃない・・・
「・・・言えねーのか?」
「・・・ごめんなさい」
何なんだよ・・・
僕に言えないことなのかよ・・・
・・・・・って、何考えてんだ?僕・・・
気にする必要なんて無いのに・・・
「分った・・・住んでも良い」
「ホント!?」
「ただし」
「???」
「明日から夏休みだろ?」
「そうだっけ?」
「あぁ・・・家事出来るか?」
「うん!!得意だよ!!毎日作ってあげてたから」
「誰に?」
「へっ?・・・・な、内緒!!」
まただ・・・
コイツ・・・秘密にしてることが多すぎる。
まぁ良い・・・
家事しなくて済むからな・・・
いい様に使ってやる・・・
「うわ〜大きい!!」
「・・・そうか?」
たしかに一人暮らしには一軒家はデカいな・・・
なっ!!
なんで懐かしそうな目してんだよ。
「おい」
「え!?」
「お前・・・ここ知ってんのか?」
「!!」
「・・・なんでだ?」
「・・・いつか、話すから・・・まって」
「・・・仕方ないな」
僕の能力を使えば聞くことは出来るが・・・
なぜか聞く気が無かった。
「腹減った・・・なんか作れ」
「分ったよ・・・」
キッチンに向かったブランカは冷蔵庫を見る。
そして、包丁の音やフライパンで何かを焼く音がしてきた。
「いい匂い・・・」
美味しそうな匂いに腹がなった。
誰もいなくてホッとした。
「出来ました〜!!」
ブランカが持って来たのは、焼きソバ・・・
「・・・」
「あれっ?嫌いだった?」
「いや・・・大好物」
「ホント!?良かった!!」
また笑顔だ。
不覚にも可愛いって思ってしまった。
「食べて?」
コトンとテーブルに置いた。
色のバランスも良くて、見た目も綺麗だ。
「んっ・・・・・旨い」
長年作り続けてるって感じだ。
僕好みの味だった。
僕の言葉に笑顔になった。
やっぱムカつく。美味しいなんて・・・
「お前・・・」
「ブランカ!!」
「・・・・・ブランカは食わねーのか?」
「・・・・うん。私は良いの!!」
まだ、僕は気付いて無かったんだ。
彼女がいつも見せる暗い影に・・・
彼女が背負ってる宿命に・・・
う〜む謎は謎です。ラブが足りない(しつこい)