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赤い赤

第十二章赤い赤




相変わらず僕は

窓際の席




安島を

見る事もなく




外を眺める




”煙草”の話は

面白いように

広まり




教員達から

漏れた情報だけに




信じられぬ大人との

狭間で溺れる





”内申書”と言う

脅し文句




バスケと言う

連帯責任






安島が

僕の名前を

呼ぶ事は




なかった





白い肌の日高は

何事もなく

登校し




擦れ違う安島に

声を掛けられる




”紫乃”




顔を背ける日高

通り過ぎる安島




そして

微かに振り返る日高は

安島の背中を見つめ



見えない手を

伸ばす



伝わらない

”助けて”






何も知らない

安島へ




君の大切な

幼馴染が



穢されているよ




それを

伝えない事が




僕からの愛





僕は



「三上」と呼ぶ




たった一人の

友人だった安島を



守りたい





もう僕は

帰れない




父を憎む事も

許されず

感謝し続け




裏切られる

教員達の

監視下に屈し





煙草さえ

取り上げられた





赤い赤い

曼珠沙華




「想うはあなた一人」




1本の茎から生えるのに

花が咲いた後になって

葉が出てきて




同時に生えないことから




韓国では「サンチェ(相思華)」と呼ばれているとか




「花は葉を想い、葉は花を想う」




「天上の花」




”曼珠沙華”





赤い赤い

曼珠沙華




一面を赤く染める

赤い花の絨毯





僕は

”曼珠沙華”に埋もれ





自慰行為をする






一輪の

「白くやわらかな花」




”天上の花”





「過ぎ去った日々」



「悲しき思い出」



”曼珠沙華” の花言葉






~END~



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