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青空を見上げれば、なんとなく悩みが解決するような気がする。
そんな風に思うようになったのはどうしてだろう。
実際、空なんか見上げたって悩みはちっとも解決されない。
これは感情とかそういう問題じゃない、もっと現実的なところで起きてる問題だから。
気が付いたら、全く知らない、知り合いもいない場所にいた。
現状を一番簡単に説明するとそんな感じだ。
朝起きて、なんとなく朝ごはんを食べて、学校へ行こうと思って制服にそでを通したあたりで違和感を感じ、家の外に出たところでこれはおかしいと気が付いた。
夢かなとも思ったけれど、あれからもう二週間ぐらいたった気がする。
夢なら覚めてもいいころだ。
しかもそれだけじゃない。
全く見知らぬ人たちが、俺の関係者を名乗り生活している。
姉、幼馴染み、親友、担任などなど、関係の薄いところまで含めれば百人ぐらいになるんじゃないだろうか。
俺にどうしろって言うんだ。
何が何だかわからなくなって、とりあえず過ごしていたけれど結局何も解決しない。
いい加減嫌になって、こうやって空を見上げている。
「おーい、ちょっとー」
姉が俺を呼んでる。
どうせまた何はどこにあるのか聞いてくるんだろう。
何故か俺のほうが家の中については詳しいのが不思議だ。
それよりも不思議なのは、覚えのない記憶が時々出てくることなんだけれども。