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第2話 「鉱山調査団」入団試験【1】


 かくして、鉱山調査団に入団希望を出し、続報を待っていた。


3日後、「鉱山調査団の新人入団試験を行う」との事なので、俺はとりあえず魔法と剣術を練習した。


鉱山調査団は一応国の軍隊の一部であるため、それなりの試験をするらしい。


田舎育ちで近所の四、五人しかいない若者の実力と比べたことしか無いため、国全体のレベルは分からない。


だから、とにかく少しでも実力を上げることが大事だ。


ついでに錬金術も鍛えてね。


 あっと言う間に日が経ち、ついに鉱山調査団の入団試験の日が来た。


「ここがガルツ連邦軍本部か…」


ガルツ連邦の首都、ガルツの中心部に構えるガルツ連邦軍本部は高い城壁のようなもので囲われ、警備も厳重であった。


まさに、ガルツ連邦軍の威厳そのものを体現しているようである。


まず、ガルツ連邦軍の総団長、エリシア・ノルテによる激励の挨拶だ。


噂には聞いていたが、ガルツ連邦軍の総団長、言わばガルツ連邦の最高武力を誇るエリシア・ノルテは若い女性だった。


しかも、顔も良く、華奢な身体の中にも鍛え抜いた実力が伺える。


これ以上何を望もうか! という人間である。


「えぇ、皆さん。私がガルツ連邦軍の総団長、エリシア・ノルテです。

この度は鉱山調査団へ入団を希望してくれたことに感謝します。

しかし、ガルツ連邦軍は強い意志、高い実力を持ってる方々のみが軍に従事できます。

今回の入団試験ではそのような物を是非示していただき、自身がガルツ連邦軍に相応しいとアピールしてください。皆さんの健闘を祈っています。


ガルツに栄光あれ!」


そう演説した彼女には、総団長としての威厳と、何処か可愛らしい女の子、というものが感じられた。


 そしていよいよ試験が始まる。


試験官の中でも比較的位が高そうな一人が、


「今回の試験は、剣術、魔法、実戦の三種目を行う。

自分ができるものだけ参加しても問題ない。

ただ、もちろん参加しなかった種目での加点は無い。

詳しい質問はその種目の担当する試験官に聞くといい。

自分のベストを尽くしてくれ。


それでは…始め!」


ついに始まった。


元気な輩共が勢い良く駆け出す中、俺はゆっくり会場へ向かう。


別に急いでも意味は無いからね。


試験官はやれるものだけでいい、と言っていたが、合格するためには全部受けることは必須だろう。


まずは剣術の試験に挑戦した。


 10m四方の中に様々な素材でできた杭があり、杭を一周する線がそれぞれ一本ずつ描いてある。


如何に速く10本の杭が斬れるか、そして斬ったところが線に近いほど加点されるらしい。


もちろんこれは剣の試験であるため、魔法は使用不可である。


他の人を見る限り、相場は10秒前後といった所か。


かなり上位を狙えそうである。


自分の順番を待っている間、前に居た三人組に声をかけられた。


「よお、兄ちゃん。剣に自信はあるか?」


三人組の中で一番気さくそうな男が話す。


見た感じで言うと、自分と同い年のようだ。


「無い事は無いが…因みに君達はどんな人なんだい?」


するとさっきの男が


「すまん、自己紹介がまだだったな。俺はタリス、タリス・アルフレッドだ。こっちの元気な女はアナクシアで、おしとやかな方はメネスだ。」


「メネちゃんだけ"おしとやか"なんて付けちゃって、私がそうでないみたいじゃない!」


「まぁまぁ、気にすんなって。嘘は言ってないんだし。」


「…アナは男勝りみたいな所あるし...。」


「も〜!メネちゃんまで!なんでなのぉ...。」


なんだかこの三人は仲が良さそうだ。


「俺はレオン・アルケン、アルケンでいいよ」


三人が楽しそうな会話の区切りを見て、自己紹介を挟んだ。 


「なるほど、よろしくな!アルケン!」


そうして会話を進めて行くと、タリスとアナクシアは剣士で、メネスは魔法使いらしい。


「えっ?アルケンは魔法も剣も使えるの?!」


アナクシアが驚き、思わず大きな声を出してしまう。


「別に普通じゃないかな?

魔法と剣はお互いの弱点を補っているように思うし、どっちもも使えたほうがいいと思ってるんだけど。」


「それはそうだけど、何方も使える人なんて見たことないわよ!」


「でも...世界は広いから...」


メネはいつもこんな調子なのだろうか。


まぁ可愛いしいいか

 「そりゃすげぇな!

 将来、お前はデカい男になる気がするぞ!

 おっ、次は俺だ。」


そう言ってタリスは試験を始めた。


この剣捌き、なかなかやるなぁ。タリスはかなりのやり手であった。踏み込みも速く強い。


5.6秒


このタイムが出た瞬間、全体がざわついた。


斬り方も綺麗で、全部の杭で、斬った所が線に一部重なっていた。


これは高スコア間違いないな、と得意気な顔をして帰ってくるタリス。


「タリスの後はやだなー。もういいか。」


気怠そうにそう言ってアナクシアは試験を始める。


タイムは7.6秒だった。


タリスより斬りが丁寧であり、高スコアでかなりの上澄みである事は確かだが、如何せんタリスのあとであった為、霞んでしまった。


「あーあ。これだからタリスの後は嫌なんだよ〜。」


不服そうに言うアナクシア。


「では...タリスと貴方のあとにやるのに、魔法使いで剣がまともに使えない私はどうなんでしょうか...」


少し落ち込んでしまうメネ


「ごめんごめん!悪かったって。」


アナクシアが透かさずフォローに入るが、無理そうだ。


「剣がダメでも、魔法で巻き返せばいいじゃないか。」


俺の言葉を聞いて、メネも落ち着いたようだ。


「ありがとう。行ってくる...」


タリスから聞いたのだが、メネの剣の技術は魔法使いの中では中の上くらいらしい。


そんなに自分を下げなくてもいいのに。


メネはやはり剣士と比べて剣技は落ちる。


魔法使い全般に言える事だが、一撃で杭を斬ることが出来ていない。


当たり前だ、魔法使いなのだから魔法だけをひたすらに練習している。


剣も振れるようにしろ、というのは無理な話だ。


ま、自分は出来るんですけどね。


結局、メネは58.9秒


魔法使いで一分を切れるものはいなかった為、大健闘と言えるだろう。


さて、いよいよ俺の番だ。


俺はどのくらいの実力なのか。


と言っても、剣士でも全員剣が甘い。


踏み込みも剣を振ることにおいても遅いし弱い。


そして、綺麗に真っ直ぐ斬れている人はいなかった。


タリスでさえ、他の人と比べて上手いとは言えど、俺には及ばない。


俺無双あるんじゃね?


じゃいっちょ見せますか。


集中し、剣を握り、精神を統一する。


「始め!」


この声が聞こえた瞬間、俺は最寄りの杭に踏み込み、正確に、線に重なるように一太刀。


その返しに向きを変え、2つ目の杭を斬る。


直ぐ様方向を変え、並んでいる2つの杭に力強く、また丁寧に斬る。


剣を持ち替え、一歩で届くようにして3本の杭を斬る。


そして足を切り返し、大きく3歩。


それで十分だった。


軸足を大地に固定し、回転するように2本。


その杭に足を掛け、最後の杭に飛ぶ。


そして斬る。


タイムは1.7秒だった。


試験官や、タリス達、そして他の受験生は言葉を失っていた。


俺的には結構丁寧にやったはずなんだがな。


そして全ての杭はちょうど線の所で綺麗に斬れているため、もちろん満点である。


ちょっとやり過ぎたかな。


そう思ってタリス達と合流すると


「アルケン、お前何者なんだよ...」


唖然とする三人。


「私は今まで見てきた剣士でタリスが最高峰だと思っていたけど...こりゃ敵わないね。」


そして何かを思い出したかのように恐る恐る聞く


「これで居て魔法も使えるの?...」


「あぁ、もちろん。」


俺は魔法より剣の方が自信がなかったのだが…


もしかして俺のマズイことって錬金術だけじゃないのかよ…



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