第四幕:推理の披露と大失敗
君はシャーロック・ホームズの推理を見たことあるかい?
君がもしもワトソン博士なら、
彼の口を憎く思う。
君がホームズなら推理をかますのは楽しいだろう。
やあ、君。名探偵と記録係の会話が始まった。物語として、これはムダな部分かもしれない。
それでも、ボクは語ろう。
第三幕では、怪紳士ハイドの暴行により、ワトソンは慈善病院に入院した。
ホームズは、ワトソンから怪紳士ハイドの話を聴く事になった。
ワトソンの話は、前にボクが語った通りだ。ワトソンの話は、ハイドの名前を聞いたところで、途切れてるけどね。ホームズの頭の回転の速さは一秒以内で、ワトソンの気づかなかったところを暴いた。
「ーーつまり、だーーワトソン。
君は、君を投げ飛ばした男を、
エドワード・ハイドを知性のある者だと見たんだ。」
ワトソンは驚いた。
「あんなヤツを?ボクが?」とワトソンは信じられない風に言った。
ホームズは無視して続けた。
「ーーそれは記事を見た時に、すでに君の頭の中にあった。
警察が巡回せず、ヤツの生息範囲内を割り出してね。
すばらしいよ。
スコットランドヤードの犬たちにも見習わせたい。」
ワトソンはニヤケ始めた。
でも、ホームズはワトソンを持ち上げて落とすんだ。
だから落とす前には、
持ち上げるんだ。
「アイツらは、まあーー今はサル顔には興味ないだろうがね。
君は知らないだろうが、
ーー事件が次から次にでてくるんだ。
僕としては喜ばしい限りだ。
だが、こう数が多いのはね。
まるで事件になるはずがないと、
そういう不気味なーーいや、君の話しに戻そう。」
ホームズは咳払いをした。自分の考えを一旦クリアにしたのさ。
「実際、君の話を聞くと、僕はそいつをケダモノ以下の生き物だと思ったけど。だが君は始めから、ハイドを人間扱いしていた。
だが太ってる君を投げ飛ばして、
すぐに名前を名乗っている。
しかも疲れてなんかない。
息切れ一つもーー。
こいつはいただけない。
ーー並の人間じゃない。
ひょっとすると、
知性よりも君の拳銃が役立ったぞ。」
ホームズは残念そうに、ワトソンを見た。
「ああ、なんで、撃ち殺さなかった、マヌケ!
君はこの事件を解決できたのにな」
こんな風に言われたから、
ワトソンはもう可哀想に身悶えして、喘ぐんだ。
そして、彼は「手帳、筆!」を繰り返して、ホームズの名推理をなんとか覚えようとした。自分のマヌケっぷりもだ。
ホームズは、その様子を見て更にニヤニヤした。
「彼は夜の支配者を名乗った。それは、昼には誰かがいるからだ。
彼の生息範囲内は狭い。
何せ、君がすぐに見つけられるから。
彼は何か大きな力に守られている。
人の目を気にしないのは、
気にする必要がないからだ。
彼はーー」
「誰か、ボクに、ボクの手帳をーー......」
そしてワトソンは、ホームズの名推理を聞きそびれたんだ。
彼は深い、不快な夢の中に堕ちていった。
(こうして、第四幕はマヌケにより幕を閉じる。)
名探偵の推理をききたいあまり、
傷口ひらいて気絶させた。
まさかこんな風になるなんてーー!




