第十幕:神の存在
もしも彼が生きていたら、
たぶんキャットファイトどころじゃない。
身の毛がよだつぜ!
やあ、君。創作者と創作物の関係とは、どういうモノであるべきなのか?
創作物とは彼らは操作される。
愛を歌ったかと思えば、次の瞬間には殴り合うものだ。
第九幕では、探偵ホームズは、赤い薬の誘惑に負けて、それを飲んでしまった。そして彼はコナン・ドイルと名乗る何者かに身体が作り変わった。
ボクらはそれを、ホームズから聞いた。ホームズを名乗る何かからーー。
ボクらは、彼の話を居間の暖炉で身体を温めながら聞いた。
そうしないと、寒さでどうにかなったかもしれない。
「それでーー」とワトソンが恐る恐る口にした。
「ーー君は彼をどうしたんだ?」とね。
ホームズは、うんざりしたように肩をすくめた。
「その後のことは、話したくない。
僕にとって不愉快極まる対話が、一方的な非難が始まった。
僕が黙ってきいてりゃ勝手な事ばかり。あんなヤツを気持ち良くさせるなんて、ごめんだ。
僕はヤツに言ってやった。
『うせろ、クソジジイ』とね。
彼は怒り心頭だった。
ブザマにわめきちらし、
僕を人でなしと非難した。
そしたら、とうとう屋敷の連中がやってきて、ヤツを棒で殴った。あれは太った身体で転がって、文句をたれて、外へ出たのさ。
今頃、あいつはーー指名手配でもされてるさ。
ざまあないーー」と彼は一息ついた。
「こうして、僕は戻った。
戻って来れたんだ。
ああ、喋りすぎて喉がカラカラだ。君、何か用意してくれーー」
「ーーホームズ。
君はーーボクに隠しているーー」とワトソンは彼に水を入れたグラスを渡しながら聞いた。
「彼は何を言ったんだ?」と。
ホームズは、しばらく考えた。
そしてグラスの中身を飲み干すと、ワトソンを見つめた。
「ーー君は神を信じるかい?」
ワトソンは悲しそうな顔をした。
それはホームズの胸に針を刺したんだ。
「まあいいさ。君には分かるまいーー」
そして、彼はシャーロック・ホームズに戻った。
(こうして、第十幕はホームズで幕を閉じる。)
さて、次はどうなるのか?
ホームズはジキル博士とは契約解消は間違いないね。




