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2030→2024 渋谷スクランブル交差点で二人が出会うまでの物語  作者: Haruno
第四章 未来シナリオ 2030年8月

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悠真(3)

答えが返ってくるとは思っていなかったのか、五十嵐社長は何度か瞬きをした。


「クロノスが線なら、カイロスは点──という時間の概念だった記憶ですが」


俺がそう付け加えると、五十嵐社長は手を打った。


「一ノ瀬くん!君、博識だな!モテるわけだ」


いいえ、という意味で手を振った。


「その通りだよ。クロノスは過去から未来へと流れる時間。カイロスは──その流れの中に突如現れる『運命の瞬間』だ」


うんめいの…しゅんかん…

俺と美咲が呟くように小さく復唱した。


「最後まで悩んでね……結局は『時間を扱う技術』って意味で、現実的な響きのクロノワークスにしたんだけどさ」


「……いい社名だと思ってます」


そう言った美咲の顔は見えなかったけど、五十嵐社長が満面の笑みを返した。


「結局はこの選ばなかった名をね、LYNXの代名詞である『未来予測シナリオ』の名として残したんだ」


五十嵐社長は画面を指差しそう言った。


「悪いね、どうでもいい話をしてしまったな」


俺と美咲は静かに首を振った。


「……よし結月君、進めよう」


「はい」


美咲の指先がキーボードの上に置かれた。

一度、深呼吸をしてから静かに打つ。

タッチ音の一つひとつが、空気を震わせるように響いた。



[Access point:KAIROS]

──Authentication Complete.



「……昨日のデータを引き込みました。

実行していいですか?」


「頼むよ。今日はセキュリティが静かで助かるな」


今日は…?


「画面には絶えずアラートが出てますが」


「内線が鳴らなきゃ問題ないさ」


美咲が肩を落とした。


「……昨日はやばかったってことですね」


五十嵐社長は笑い飛ばして「まあまあ」と美咲の肩を叩いた。


この豪快な人柄で、頼もしくも強引に事を押し切った場面があったのだろう。

美咲が俺を見てため息をついたけど、社長に対する絶対的な信頼がその表情の奥にはあった。

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