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2030→2024 渋谷スクランブル交差点で二人が出会うまでの物語  作者: Haruno
第三章 LYNXは語る 2030年8月

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二人の正体  2030/8/19〜 悠真(1)

〈side 悠真〉


【社内告知】

リコ・キリュウ100周年プロジェクト発足のお知らせ


内容:

このたび、株式会社リコ・キリュウ様の創業100周年を記念する統合プロジェクトを、当社が担当することとなりました。

本件は、ブランド価値の再定義およびグローバル展開を視野に入れた大型キャンペーンです。


案件名:

リコ・キリュウ 100th Anniversary Project


体制(社内主担当):

・プロジェクトマネージャー(PM):三神 悟

(イベントマーケティング部)

・クリエイティブディレクター(ECD):一ノ瀬 悠真(ブランド戦略クリエイティブ局)

・営業統括:阿部原 仁(営業第3局)

・広報対応:社外広報室

・制作サポート:国内ブライダルチーム


関係各局・各部門におかれましては、今後の連携にご協力をお願いいたします。



営業統括局長 千賀 遼太郎

広報室


──


リコ・キリュウ関連のプロジェクト発足の公示が社内イントラに掲載された。

「ECD 一ノ瀬悠真」 の名前が出た時点で、社内にどんな空気が走るのか想像はしていたけど、まあ、だいぶ良くも悪くも話題になっている。


週が明け、月曜日になるとリコ・キリュウの件が一気に動き出し、風呂と着替えのために家に帰る以外は徹夜続きだった。


会食の後、桐生眞子と電話で話した後から考え続けていたものを下書き程度に描いたのが日曜の夜だった。

リコ・キリュウ側からの指名とはいえ、ブライダルチームが俺に任せてもいいと思えなければ社内の軋轢は避けられない。

言葉よりもコンセプトや映像プランを用意しておいた方がいいだろうと考え用意はしていた。


リコ・キリュウの仕事を引き受けると決めた時から、頭の片隅でずっと、いくつかのワードが頭の中をぐるぐる回っていた。

伝統、美、継承、遺産、誓い、約束、永遠……


特に、永遠という言葉は俺の思考を停止させる。

永遠って何だろう。時間的な定義ではなく。時間的な意味の永遠なんて有限の命しか持たない人間には無意味だ。


永遠ってなんだ──?

過去、現在、未来、区切りなく続く時間。そこに確かにあるのは今という一瞬じゃないのか。


そんな答えに近いものを得たのは、横浜から帰る電車の中だった。

結月さんは眠っていて、時々頭が俺の肩にあたる。

あぁ、そうか……永遠って、ずっと続けばいいと思う一瞬のことなんだ。


合ってるか?この解釈でいけるか?

リコ・キリュウに落とし込むなら、リコ・キリュウの100年はたくさんの一瞬の積み重ねだということだ。

リコ・キリュウのウェディングドレスを身にまとう花嫁が愛を誓う、その一瞬がこの100年にどれほどあったか。

次の100年も──


タブレットにペンを走らせコンセプトをまとめたのは結月さんと別れた後、日曜の夜だった。


火曜日に発足したプロジェクトチームとリコ・キリュウ側とのキックオフ会議。


その前段階として、月曜に調整会議があった。これは国内ブライダルチームへの既存事業とは別なものとなることを丁寧に説明する場として設けられた。


これはいずれもイベントマーケティング部のエースであり、このプロジェクトの統括プロデューサーである三神の最初の手腕の見せどころとなった。

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