「おはよう、柏くん。」
チチチチチ……チチッ……
早朝の静謐な空気を、デジタル時計のアラーム音が切り裂く。私はすぐさま、時計に手をかけた。
「おはよう、柏くん。」
「おはようございます、倉本さん」
隣で一緒に寝ている柏くんは、眠そうな口調でそう言った。朝から、こんなに幸せな気持ちになっていいのだろうか。やっぱり、目が覚めた時に隣に誰かいると、微笑んでしまう。
「倉本さん、もう一回寝ませんか?」
「でも、もう家出ないと間に合わないよ。」
「いいから。」
そう言って柏くんは、私の手を握った。
ああ、また夢の中へ……
ふと、内容は思いついたのに、いざ形にするのは難しいですね。
これを書く前に、内容は同じだけどだらだらと重みのない文字を綴っていました。でも、登場人物二人の空気が好きなので、供養させてください。
柏くんと倉本ちゃんの関係性や、その後、設定諸々はそれぞれの解釈ということで。
温かい目で見てください。