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予襲復讐

レビュー執筆日:2021/1/21

●曲に込められた並々ならぬ思いが充分に伝わってくる「一冊」。


【収録曲】


1.しゅうふくしゅう

2.鬱くしきOP ~月の爆撃機~

3.鬱くしき人々のうた

4.便所サンダルダンス

5.中2 ザ ビーム

6.「F」

7.爪爪爪

8.ロックお礼参り ~3コードでおまえフルボッコ~

9.アンビリーバボー! ~スヲミンツ ホケレイロ ミフエホ~

10.え・い・り・あ・ん

11.my girl

12.メス豚のケツにビンタ (キックも)

13.ビューティー殺シアム

14.maximum the hormone

15.恋のスペルマ


 対談形式の曲解説や漫画等が載った本のような形式で発売されたマキシマム ザ ホルモンのアルバム。前作から約6年ぶりのリリースということもあってか、その長い期間で制作されたであろうハードでキャッチーで「濃厚」な楽曲群が前作以上に惜しげもなく詰め込まれています。特にその要素を強く感じられたのが冒頭に収録されている『予襲復讐』。穏やかなパートやマキシマムザ亮君が熱く語るパート、激しい演奏やデスボイスが炸裂さくれつするパートにメンバー全員でコーラスを行うメロディアスなパート等様々な展開を見せ、この一曲だけで通常のアルバム一枚分の情報量が凝縮されていると言っても過言ではないでしょう。


 それ以降も、落ち着いたファンキーな雰囲気から次第に盛り上がっていく『アンビリーバボー! ~スヲミンツ ホケレイロ ミフエホ~』や、後半で急にポップな曲調になる『え・い・り・あ・ん』、4つ打ちのダンサブルなナンバーの『恋のスペルマ』と、ハードな作風を維持したままバラエティのある楽曲を聴かせてくれます。歌詞のテーマに関しても、亮君が愛用しているサンダルについて歌った『便所サンダルダンス』や明らかに下ネタである『my girl』、女性に対するゆがんだ偏見が全開の『メス豚のケツにビンタ (キックも) 』と幅広く、そういった様々なテーマをふざけた感じではなくシリアスな『予襲復讐』に負けないくらいの熱量を持って曲にしてしまう辺りに独特な「コミカルさ」も感じられます。語感を重視しているためか、歌詞や曲解説を見ないと意味が分かり辛いところもあるのですが、その「意味」をしっかりと理解してもらうために今作を本のような形式にしたのでしょう(その点に関しては、本作に収録されている漫画でも言及されているのですが)。


 全体的に押しの強い曲が1時間以上に渡って続くため、個人的にはもう少し曲数を絞った方が良かったように思えますが、彼ら(特に、ソングライターのマキシマムザ亮君)が込めた並々ならぬ思いが伝わってくるアルバムであることには違いありません。配信やレンタルを一切行っていないので今作を聴くハードルは少し高いかもしれませんが、彼らの作風を受け入れられる方ならば、そういったものを乗り越えてでも充分に聴く価値のある一枚、いや、一冊になっているのではないでしょうか。


評価:★★★★★

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