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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私が実際に見た話

作者: 浜浦 ノア


私は世良(せら)といいます。

人とお話しするのは少し久しぶりなので緊張しますね。




私の特技は悪夢を見ることです。


知らない女の人にアイスピックのようなもので貫かれたり、


会ったこともない人に長い石段の上から突き落とされたり。


決まって夢の中で意識を失うと目が覚めるんです。






でもこの間は一味違ったんです。


今からする話は私が実際に見た話です。






私は二階の自分の部屋で目を覚ましました。


いつも通りの変哲のない部屋。


眠い眼をこすり、一階のリビングへ降りようとすると、


脚を滑らせ、最下段まで落ちていきました。





私は二階の自分の部屋で目を覚ましました。


いつも通りの変哲のない部屋。


身体は冷や汗だらけでやけにリアルな夢だったと安堵の息を吐きました。


いつもより慎重に階段を降り、家族のいるリビングへ入りました。


扉を開けた瞬間、鬼のように顔がゆがんだ人間が包丁片手に立っていました。


近づいて腹にぶすりと包丁を差し込みました。





私は二階の自分の部屋で目を覚ましました。


いつも通りの変哲ののない部屋。


身体は冷や汗だらけで、昨日食べたものが悪かったのか起き抜けから腹痛がありました。


なるべくお腹を刺激しないようゆっくりと起き上がり、二階のトイレに入りました。


もう一度寝よう、とトイレの水を流した瞬間、誰かが後ろから頭をがしりと掴みました。


次の瞬間、頭は便器に突っ込んでいました。止まらない水流、体を強く押され、ばきばきと悲鳴を上げながら下水管を進もうとします。





私は二階の自分の部屋で寝ていました。


いつも通りの変哲のない部屋。


身体は冷や汗だらけで、何故か全身が凝り固まったように感じました。


汗を流そうと、一階の廊下を歩き、浴室へ向かいました。


お湯がたまった浴槽でくつろいでいると、鬼のような顔の人間が、首をつかみ体を湯の中へと沈めました。最後に見たのは口から吐いた(あぶく)でした。






私は真っ白な部屋で目を覚ましました。


横を向いて見れば、黒い服をきた人が慌てて誰かに電話をしているようでした。


ぼんやりとする頭でここは病院なのかなぁ、と考えました。








これが私の見た夢のお話です。


正直、どこからが夢なのかは私にはわかりません。


家族に聞けばわかると思いますが、まだ一度も来てくれないんです。


入院して結構経ってるんですけどね。




早く退院したいです。


柵越しにみる景色や、透明な壁越しに人と話すことには飽き飽きしたんですよ。

浜浦の短編へようこそ。

いつもは前書きですが、

今回は雰囲気重視で後書きになりました。



どこかで書いた短編を眠らせるのが惜しく、このページを作りました。




たまに更新するので、たまに覗いて、箸休めみたいに使ってください。

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