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転送術士候補生III  作者: よのもり せいう
8/22

その8 推測(Part. H)

準備の済んだ私達は、再び図書館に集合すると、早速地下へと降り立った。


階下に進んだ途端に草原の中に出る。

見渡す限りの青い空、明るい日の光、墓標のように林立する本棚。

寝転び読書する入館者達を遥か見渡せば、下への階段も見える。


学生だから知ってはいたけど、司書さんの空間術はすごい。

所蔵された禁書を慰めるために、各階では、蔵書のジャンルに合わせてフロアマスターによるこだわりの空間術が施されているのだ。


「どうしてポケット先生達が地下に来ているってわかったんですか?」


ハーヴィー先生と歩きながら、ここへ来た際のことを思い出す。


「ポケットが失踪した際の最後の足取りが、この図書館の入館記録で、あやつが帰ってきたという記録は未だにない。そして今日のお主の情報で、ディアス先生がポケットの行方を知り、そして今、彼を追いかけていることを知った。」


ディアス先生も昨日からこの図書館の地下86階を目指して降りているということだから、きっとその先にポケット先生へとつながる手がかりがあるに違いないと、ハーヴィー先生は思ったのだ。


もしかしてハーヴィー先生も、これまでポケット先生を探していたのかな…?


実は先生が一緒に地下に来てくれると言ったとき、せっかく自分の力でディアス先生達を追いかけようと決めたのにな、とちょっと思うところがあった。


でも、先生の想いを少し垣間見て、その気持ちは鎮まった。




その8 終

ひとこと事項


・薬草術士の入館記録

後日、ポケット失踪後のハーヴィーの地下書庫への入館記録を確認すると、彼は失踪以降、相当回地下へと潜っていたことが分かった。


・各階の意匠

リブラ・リンデの各階の意匠は、そのフロアを担当する司書の空間術によって決定づけられている。館内は各階毎に蔵書の種類を分けているため、蔵書数の多い階は複数の担当の司書によって担当される場合もある。空間術の意匠に関する制限は次の2つである。①蔵書の慰めになるような意匠とすること②上方に空間を展開することは自由である一方、下方に空間を作ってはならない。

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